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(公開日:2021.08.10)
【人材育成】コーチング研修を通したスタッフの能力強化−より良い子ども支援を目指し

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、質の高い子ども支援を目指し、スタッフの能力強化などを目的に、さまざまな研修を実施しています。その中から、今回は、管理職の人材育成のために実施したコーチング研修について、ボランティアで実施してくださった、株式会社セールスフォース・ドットコムの寺田絵美氏に、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 人事総務部長の須長が話を伺いました。


(左:人事総務部長須長、右:株式会社セールスフォース・ドットコム寺田絵美氏)


須長:
今日は、私たちが国内外で行う子ども支援活動の質を高めるために、スタッフ自身は、どのような研修を受けているのかという一例をご紹介します。

私たちは、2020年より管理職の一部スタッフを対象にコーチング研修を始めました。そのコーチングを、株式会社セールスフォース・ドットコム(セールスフォース)で、営業部門のマネージャー育成に従事され、コーチングの資格を有し、また組織開発も専門としている寺田絵美さんにボランティアで行っていただきました。

寺田さんに、コーチングについてお話を聞く前に、なぜセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでコーチングを導入したかという背景を簡単に説明します。私たちは1986年の設立以降、さまざまな子ども支援活動を行ってきていますが、2020年の新型コロナウイル感染症の流行は、支援活動の進め方や活動資金の集め方、そしてスタッフの働き方についても、大きな影響を与えました。そうした状況の中で、管理職スタッフには、今までと違った視座が必要となり、コーチング手法を取り入れることにしました。


改めて、お聞きしたいのですが、コーチングとはどういったものでしょうか。

寺田:コーチングは端的に言うと「目標達成に向けて行動を促すコミュニケーション」です。コーチはクライアントの対話のパートナーとして、主に質問とフィードバックを通してクライアントの目標達成に向けて伴走します。

須長:セーブ・ザ・チルドレンのようなNGO/NPOスタッフへのコーチングは初めての ご経験だったのでしょうか。また、コーチングを通して、民間企業に勤める方との違いはありましたか。

寺田:他のNPO団体でも、3年ほど前からプロボノ(ボランティア)で管理職向けに1on1のコーチングを実施しています。営利企業と非営利組織という違いはあっても、管理職の方が課題に感じることの多くは共通しています。NPOやNGOの方々は強い使命感を持って仕事をされている方が多いので、対話を通して私が刺激を受けることも多く楽しいです。

須長:
今回のコーチング研修では、特にどのような点に焦点をあててコーチングを実施していただいたでしょうか。

寺田:
まず最初に、対象となったスタッフご自身と組織の目標を言語化することから始めました。同時にクリフトンストレングス・ファインダー*を活用してご自身の資質を理解し、自己認識を深めていただくこともしました。目標に向けて具体的に必要なアクションは何か、障害になることは何か、誰のサポートが必要か、など対話を通して明確にしていき具体的なアクションを積み重ねていきました。また、リーダーの言動や行動、表情は自身が思っているよりも強く周囲に影響しているものです。今回はリーダーとしての立ち居振る舞いというのもテーマの一つとして扱い、約半年間で計7回、1回1時間程度行いました。

須長:コーチングを通して対象となったスタッフはどのように変化していったでしょうか。あるいは、変化を感じられたでしょうか。

寺田:豊富なご経験と強い信念をお持ちのリーダーでしたので、最初は完璧主義的な印象がありました。ご自身の期待するレベルに満たないことは、バッサリ斬ってしまうような鋭さがあるというか。コーチングの本も読んでいただきながら、メンバーの特徴に合わせたコミュニケーションをすることでそれぞれの良さを引き出し、チームとして成果を出すというマネジメントスタイルに少しずつ変化されたと感じました。また、リーダーとしてご自身の得意分野以外の業務領域にもチャレンジされていったと思います。


須長:なるほど、そういう変化がコーチングを通して出てきたのですね。私たちは、一人ひとりのスタッフが、さらに質の高い子ども支援活動を行えるよう、今後もスタッフの能力強化や人材育成にも力をいれて取り組んでいきます。

寺田さん、引き続きセーブ・ザ・チルドレンの活動にご支援をお願いいたます。

*アメリカのギャラップ株式会社が開発したオンライン才能診断ツールであり、ウェブ上で177個の質問に答えることによって、自分の才能や強みを発見することができる

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