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ソマリア
(公開日:2022.02.14)

【ソマリア】過去10年で最悪の干ばつ危機

 
ソマリアは、この10年で最悪の干ばつに見舞われています。数百万人が極度の食料不足に陥り、食料と水を得るために居住地からの移動を余儀なくされています。


ソマリア南部ベレトウェイン地区で水を汲むオマールさんの子どもたち

現在の状況は、複数回にわたる長期の干ばつや治安の悪化、(農作物などを食い荒らす)バッタの大量発生、食料価格の高騰、外国からの送金の減少、そして国際社会からの支援の減少により、ソマリアに暮らす家族により深刻な影響を及ぼしています。

セーブ・ザ・チルドレンが2021年11月に実施した同国18地域中15地域を対象とした調査では、大多数の家族が日ごろから食事をとれない状況にあることがわかっています。60%近くの世帯で、家畜を失ったことにより、少なくとも1人が収入源を無くし、3分の1を超える家庭で24時間以内に少なくとも1人が食事を食べられていません。

ソマリアは、過去10年間のうちに3回(2011年〜2012年、2016年〜2017年、2021年〜2022年)深刻な干ばつに襲われています。

2011年から2012年の干ばつでは、370万人が極度の食料危機に陥り、国連は、ソマリアに対し飢饉が発生したことを宣言しました。飢饉の早期警報に対する国際社会の対応の遅れにより、アフリカの角とよばれる地域で少なくとも26万人(その半数は6歳未満の子どもたち)が飢えとそれに関連する病気などにより死亡する事態になりました。このとき、国連はソマリアを支援するために必要な資金額を各国政府に対して示しましたが、その金額のわずか56%しか集まりませんでした

2016年から2017年の干ばつのときは、290万人が危機的レベルの食料不安の状況に直面しましたが、より迅速で実効性のある国際支援が、危機に直面した人たちの命を守ることにつながりました。この危機が終結するまでに、国連が要請した必要資金のうち68%が拠出されました。

2022年の食料の需要と共有に関する予測では、2月から5月までに460万人が危機的レベルの食料不安の状況に陥ると考えられています。なお、現在国連が国際社会に発した支援に必要な資金額のうち2.3%しか集まっていません

ソマリア南部ベレトウェイン地区出身のオマールさんは子どもたちの日々の食事について次の通り話します。
「以前は1日3食子どもたちに食事をだすことができましたが、いまは日に2食準備することも難しく、多くは1日1食です。これまでの干ばつでは毎日をなんとか生きることができましたが、今回はこれまで以上に深刻で、水の確保も難しくなっています。食料もなく、家畜も死んでいます。このままでは、この干ばつで多くの人が死んでしまうかもしれません。」

ソマリア全土で、脆弱な状況に置かれた子どもたちやその家族に、食料や水、保健医療、教育支援を行うために少なくとも15億米ドル(約1,730億円)が必要です。

セーブ・ザ・チルドレンは、ソマリア政府に対し人道支援を優先し、現在の情勢不安が子どもたちやその家族への緊急・人道支援活動に影響を及ぼさないよう要請しています。
私たちは、干ばつの影響を受けるコミュニティに対し、水の提供や栄養不良の子どもたちの治療、居住地から避難している間も継続して教育を受けられるための支援、保健医療施設の運営、現金の提供や生計支援を行っています。



 

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