ミャンマー(公開日:2018.02.13)
【ミャンマー 保健事業】補助助産師育成研修の研修生から
2017年5月にバゴー地域チャウチー・タウンシップで始まった妊産婦と新生児への保健サービス強化のための事業では、農村の女性と子どもたちの健康のために活動する補助助産師の育成研修を支援しています。補助助産師になるには、ミャンマー保健スポーツ省が定める一定の研修を修了して認定を受ける必要があり、また、認定後は、無償で活動に従事します。補助助産師は、助産師の指導と監督のもと、医療従事者のいない村にひとりずつ配置され、それぞれの村で妊産婦さんに寄り添い、妊娠中や出産後の家庭訪問をしたり、助産師による妊婦検診や新生児ケア、予防接種を手伝ったり、女性と子どもの健康に関する保健啓発活動や女性と子どもたちの健康に関するイベントなどを農村で実施するなど、大事な役割を担っています。
今日は、補助助産師の育成研修の様子と、研修生たちの声を紹介します。
研修(座学)の様子
ミャンマーでは、農村に住む妊産婦は、都市部と比べて、妊婦検診を受ける回数が少ないと報告されています(UNICEF マルチ・クラスター指標調査2009-2010)。事業の対象地である、チャウチー・タウンシップは、バゴー地域の中でも開発が遅れている地域のひとつで、人口の約9割が農村地域に住んでいます。セーブ・ザ・チルドレンが実施した調査によると、妊婦検診の平均受診回数は2.9回でした。世界保健機関(WHO)は、出産時のリスクを軽減するために、妊婦検診を8回受診することを推奨していますが、チャウチー・タウンシップでは、この基準の半分以下の回数に留まっています。事業では、このような現状を改善するために、医療従事者のいない村に補助助産師を育成し、妊娠中の女性を定期的に家庭訪問し、妊婦検診の受診を促進することを目指しています。
2017年度は9月25日に研修が開始され、それぞれの村から選ばれた18歳から25歳までの18人の補助助産師研修生が参加しています。補助助産師研修は、タウンシップ病院での3ヶ月間の座学と、保健センターでの3ヶ月間の実地研修で構成されており、タウンシップ保健局の職員が講師となって実施します。研修では、家庭訪問の方法、妊娠中・出産中・産後の危険な兆候の見分け方、新生児ケアの方法などを勉強します。6ヶ月間の研修が終わると、補助助産師たちはそれぞれの村に戻り、その村を担当している助産師の指導の下、活動を開始します。
今回の研修に参加しているウィン・ユウ・マウさんとチョウ・レ・レ・オゥさんの声を紹介します。二人は、補助助産師になろうと思った理由と、今後の補助助産師としての活動について話してくれました。
ウィン・ユウ・マウさん
「私は、自分の生まれ育った村のためになることをしたかったのと、医療について学びたかったので、補助助産師研修に参加することにしました。それから、村にいる病気の人たちの手助けをしたいと思っていました。私の村の周りには助産師さんがいないので、一番したいことは、お産を助けてあげることです。研修の後は、村に帰って村の人たちの健康を向上するための活動に携わっていきたいです。特に、危険な兆候のある妊婦さんや産婦さんを、私が医療施設へつなぐことが大事な役割だと思っています」
インタビューに答えるウィン・ユウ・マウさん(右)
チョウ・レ・レ・オゥさん
「私は、村にいる妊産婦さんによい保健サービスやケアを届けたいので研修に参加しました。それから、私がこの研修に参加することで、村の人たちが健康に関わる問題に直面したときに、助けることができるようになれると思いました。研修の先生たちに言われたとおり、助産師さんの指導のもと、これから保健教育と保健サービスやケアを村の人に届けられるように頑張りたいです」
インタビューに答えるチョウ・レ・レ・オゥさん(左)
この二人のように、意欲のある女性が補助助産師として研修に参加しています。誰ひとり脱落することなく、前半3ヶ月間の座学の研修課程が修了しました。現在は、後半3ヶ月間の保健センターでの実地研修が始まっています。
セーブ・ザ・チルドレンは、助産師による補助助産師への指導や監督も強化しながら、補助助産師が自分の村に戻ってから活動しやすい環境づくりにも力を入れています。事業実施中は、スタッフも定期的に村々を訪問し、補助助産師の活動状況の確認をしていきます。農村地域に暮らすお母さんと赤ちゃんが一人も取り残されないよう、これからも現場のスタッフ、タウンシップ保健局の職員と一緒に最善を尽くして事業を進めていきます。
本事業は、皆さまからのご寄付と国際協力機構(JICA)のご支援により実施しています。
【海外事業部 ミャンマー駐在員:高橋】
今日は、補助助産師の育成研修の様子と、研修生たちの声を紹介します。
研修(座学)の様子
ミャンマーでは、農村に住む妊産婦は、都市部と比べて、妊婦検診を受ける回数が少ないと報告されています(UNICEF マルチ・クラスター指標調査2009-2010)。事業の対象地である、チャウチー・タウンシップは、バゴー地域の中でも開発が遅れている地域のひとつで、人口の約9割が農村地域に住んでいます。セーブ・ザ・チルドレンが実施した調査によると、妊婦検診の平均受診回数は2.9回でした。世界保健機関(WHO)は、出産時のリスクを軽減するために、妊婦検診を8回受診することを推奨していますが、チャウチー・タウンシップでは、この基準の半分以下の回数に留まっています。事業では、このような現状を改善するために、医療従事者のいない村に補助助産師を育成し、妊娠中の女性を定期的に家庭訪問し、妊婦検診の受診を促進することを目指しています。
2017年度は9月25日に研修が開始され、それぞれの村から選ばれた18歳から25歳までの18人の補助助産師研修生が参加しています。補助助産師研修は、タウンシップ病院での3ヶ月間の座学と、保健センターでの3ヶ月間の実地研修で構成されており、タウンシップ保健局の職員が講師となって実施します。研修では、家庭訪問の方法、妊娠中・出産中・産後の危険な兆候の見分け方、新生児ケアの方法などを勉強します。6ヶ月間の研修が終わると、補助助産師たちはそれぞれの村に戻り、その村を担当している助産師の指導の下、活動を開始します。
今回の研修に参加しているウィン・ユウ・マウさんとチョウ・レ・レ・オゥさんの声を紹介します。二人は、補助助産師になろうと思った理由と、今後の補助助産師としての活動について話してくれました。
ウィン・ユウ・マウさん
「私は、自分の生まれ育った村のためになることをしたかったのと、医療について学びたかったので、補助助産師研修に参加することにしました。それから、村にいる病気の人たちの手助けをしたいと思っていました。私の村の周りには助産師さんがいないので、一番したいことは、お産を助けてあげることです。研修の後は、村に帰って村の人たちの健康を向上するための活動に携わっていきたいです。特に、危険な兆候のある妊婦さんや産婦さんを、私が医療施設へつなぐことが大事な役割だと思っています」
インタビューに答えるウィン・ユウ・マウさん(右)
チョウ・レ・レ・オゥさん
「私は、村にいる妊産婦さんによい保健サービスやケアを届けたいので研修に参加しました。それから、私がこの研修に参加することで、村の人たちが健康に関わる問題に直面したときに、助けることができるようになれると思いました。研修の先生たちに言われたとおり、助産師さんの指導のもと、これから保健教育と保健サービスやケアを村の人に届けられるように頑張りたいです」
インタビューに答えるチョウ・レ・レ・オゥさん(左)
この二人のように、意欲のある女性が補助助産師として研修に参加しています。誰ひとり脱落することなく、前半3ヶ月間の座学の研修課程が修了しました。現在は、後半3ヶ月間の保健センターでの実地研修が始まっています。
セーブ・ザ・チルドレンは、助産師による補助助産師への指導や監督も強化しながら、補助助産師が自分の村に戻ってから活動しやすい環境づくりにも力を入れています。事業実施中は、スタッフも定期的に村々を訪問し、補助助産師の活動状況の確認をしていきます。農村地域に暮らすお母さんと赤ちゃんが一人も取り残されないよう、これからも現場のスタッフ、タウンシップ保健局の職員と一緒に最善を尽くして事業を進めていきます。
本事業は、皆さまからのご寄付と国際協力機構(JICA)のご支援により実施しています。
【海外事業部 ミャンマー駐在員:高橋】