日本/国内災害(公開日:2026.06.01)
能登半島地震・豪雨緊急復興支援「能登子ども給付金〜卒業・新入学サポート2025〜」アンケート調査結果を石川県教育委員会へ提出
セーブ・ザ・チルドレンは、2025年11月から12月にかけて、能登半島地震および奥能登豪雨の緊急復興支援活動の一環として「能登子ども給付金〜卒業・新入学サポート2025〜」を実施しました。
この給付金は、返済不要で、進学や就職を控える子ども・子育て世帯の災害による経済的負担軽減を目的としています。
対象は、発災時に石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市のいずれかに在住し、住宅が一部損壊以上の世帯の小学6年生・中学3年生・高校最終学年の子どもで、最終的に1,460件(1,665人)に給付を行いました。
申請受付時には任意のオンラインアンケートを実施しました。アンケートでは、能登半島地震や奥能登豪雨が子育て世帯の生活や子どもにどのような影響を与えたかについて聞きました。
2026年5月13日、調査結果の最終版報告書を石川県教育委員会へ提出し、その後、石川県庁にて記者会見を実施しました。
アンケート調査結果報告書全文はこちらからご覧ください。

<調査結果のハイライト>
この給付金は、返済不要で、進学や就職を控える子ども・子育て世帯の災害による経済的負担軽減を目的としています。
対象は、発災時に石川県七尾市、穴水町、能登町、珠洲市、輪島市のいずれかに在住し、住宅が一部損壊以上の世帯の小学6年生・中学3年生・高校最終学年の子どもで、最終的に1,460件(1,665人)に給付を行いました。
申請受付時には任意のオンラインアンケートを実施しました。アンケートでは、能登半島地震や奥能登豪雨が子育て世帯の生活や子どもにどのような影響を与えたかについて聞きました。
2026年5月13日、調査結果の最終版報告書を石川県教育委員会へ提出し、その後、石川県庁にて記者会見を実施しました。
アンケート調査結果報告書全文はこちらからご覧ください。

石川県教育委員会学校指導課課長へ報告書を提出
<調査結果のハイライト>
【1】6割超の世帯が、現在も子どもの生活にマイナスの影響が残っていると回答
能登半島地震、奥能登豪雨による、現在の子どもたちの生活に対するマイナスの影響の有無を尋ねたところ、「おおいに影響が残っている」「やや影響が残っている」と回答した世帯はあわせて63.7%でした。具体的な影響の内容として、「子どものストレス(災害への怖さなども含)がたまっている」 と答えた世帯は、49.4%と突出していました。


【2】約3割が、災害による進学や就職への影響があったと回答
災害による子どもの進学や就職への影響について尋ねたところ、「おおいに影響があった」「やや影響があった」と回答した世帯はあわせて29.5%でした。また、影響はないと回答した世帯でも、自由記述を見ると災害による学びの環境への影響や、それに伴い保護者の負担が生じたりしているケースがあることも分かりました。具体的な影響に関する自由記述では、進路選択の変更に関する内容が最も多い結果となりました。特に、災害を契機とした転校、公共交通機関の減少・道路状況悪化による移動の難しさ、自宅再建や転居などによる経済的負担増加などが、進路選択に影響を与えていることを示唆する記述が目立ちました。

【3】家計が赤字であると回答した世帯は、被災前と比較し約4倍の水準に
被災前と現在の家計状況について尋ねたところ、家計が黒字である世帯の割合は、被災前の20.1%から回答時点では7.0%へと、約3分の1の水準にまで減少していました。 一方、赤字である割合は被災前の7.9%に対し、回答時点では31.7%と、約4倍の水準となりました。

【4】地震、豪雨の影響で不安に思っていること、またそれについて国や自治体、社会への要望を自由記述でたずねたところ、561件の回答が寄せられた
子どもに関する事柄では、子どもたちの居場所や遊び場の減少、学校生活や教育環境、心理的影響に関する内容が多く見受けられました。
子ども以外の事柄については、生活再建や住宅、経済的支援の要望に関する内容が目立ちました。特に住宅の修繕や再建にかかる支出費用が高く、生活に影響を与えているという声が非常に多く寄せられました。
能登半島地震、奥能登豪雨による、現在の子どもたちの生活に対するマイナスの影響の有無を尋ねたところ、「おおいに影響が残っている」「やや影響が残っている」と回答した世帯はあわせて63.7%でした。具体的な影響の内容として、「子どものストレス(災害への怖さなども含)がたまっている」 と答えた世帯は、49.4%と突出していました。


【2】約3割が、災害による進学や就職への影響があったと回答
災害による子どもの進学や就職への影響について尋ねたところ、「おおいに影響があった」「やや影響があった」と回答した世帯はあわせて29.5%でした。また、影響はないと回答した世帯でも、自由記述を見ると災害による学びの環境への影響や、それに伴い保護者の負担が生じたりしているケースがあることも分かりました。具体的な影響に関する自由記述では、進路選択の変更に関する内容が最も多い結果となりました。特に、災害を契機とした転校、公共交通機関の減少・道路状況悪化による移動の難しさ、自宅再建や転居などによる経済的負担増加などが、進路選択に影響を与えていることを示唆する記述が目立ちました。

【3】家計が赤字であると回答した世帯は、被災前と比較し約4倍の水準に
被災前と現在の家計状況について尋ねたところ、家計が黒字である世帯の割合は、被災前の20.1%から回答時点では7.0%へと、約3分の1の水準にまで減少していました。 一方、赤字である割合は被災前の7.9%に対し、回答時点では31.7%と、約4倍の水準となりました。

【4】地震、豪雨の影響で不安に思っていること、またそれについて国や自治体、社会への要望を自由記述でたずねたところ、561件の回答が寄せられた
子どもに関する事柄では、子どもたちの居場所や遊び場の減少、学校生活や教育環境、心理的影響に関する内容が多く見受けられました。
子ども以外の事柄については、生活再建や住宅、経済的支援の要望に関する内容が目立ちました。特に住宅の修繕や再建にかかる支出費用が高く、生活に影響を与えているという声が非常に多く寄せられました。
以下、自由記述より一部抜粋(※原文のまま。ただし、明らかな誤字・脱字の修正や、個人情報保護の観点などから、原文から一部を抜粋し文意が変わらない範囲で編集、属性を変更している場合がある。( )内は、子どもの年齢層は申請時点、申請した子どもが複数いる場合は最年長の年齢層のみ記載。)
●公園やグラウンドなどが仮設住宅になりました。子どもたちの遊び場や居場所が少なくなったと感じています。 (中学生世帯)
●通学路の道路に穴が空いていても、一年くらい直してもらえない。側溝も崩れたままで危ない。中学校のグラウンドが震災でヒビが入ったままで、グラウンドで体育祭も体育の授業もできないまま、もうすぐ卒業する。一刻も早く学校だけでもなんとかして欲しい。(中学生世帯)
●解体が進み、景色がかわった中での今までの居場所がなくなり、不安な気持ちが子供にも影響があるのかと、気になり今後の生活スタイルも不安で楽しみがない。(中学生世帯)
●家をリフォームすることになり、住宅ローンを組むことになりました。大学進学のための貯蓄も使ってしまって今後 の資金繰りが不安です。(高校生世帯)
●例えば、我が家は一部損壊であったが、それでも修繕費に 100 万円近く考えている。支出は仕方ないかもしれな いが、修繕してくれる業者も不足していて、順番待ちの人が多いと聞く。平常に戻るのに何年かかるのかわからず、 不安。(高校生世帯)
●子育て、特に教育に関する支援を増やして欲しい。金銭だけではなく、環境整備などに関しても。(中学生世帯)
【5】アンケート調査結果をふまえたセーブ・ザ・チルドレンの提言
アンケート調査の結果をふまえ、セーブ・ザ・チルドレンから石川県教育委員会へ、次の3点を提言として伝えました。
1. 継続的な子どものこころのケア
・災害の影響を受けた子どもへの、継続的なこころのケアの取り組みを強化すること
・学校や地域の居場所で、子ども自身や保護者が継続的にこころのケアに取り組む時間や機会を、県や国が確保すること
・転校によって支援が断絶されないよう、国が広域的な連携体制の検討を進めること
2. 遊びや学びの環境の整備
・県や自治体は、子どもの居場所の早期復旧および拡充に加え、学校施設・通学路の早期修繕に取り組むこと
・上記に加え、スポーツ・文化活動の再開・継続を支える支援策を引き続き講じること
・国が県や自治体に対する人的・財政的支援を行うこと
3. 被災した子育て世帯への経済的支援
・子どもたちが望む進路を選択できるよう子育て世帯の家計状況改善のため、国と県が、一部損壊を含む子育て世帯に対して現金給付など、経済的支援を早急に行うこと
・国は今後の大規模災害に備え、被災した子育て世帯への経済的支援を拡充すること
・経済的支援のみならず、災害時の子ども支援に関しては、関係省庁が連携し横断的に推進する体制の構築すること
石川県教育委員会からは、「教育委員会も、子どものこころのケアは非常に大切なことだと考えている。各学校の校長先生などに対しても、こころのケアに対して寄り添っていただくよう要請している」といったコメントがありました。また、経済的支援に関して、「能登では生業がまだ回復できておらず、苦しい状況に置かれていることが分かる。教育委員会だけでなく、県・国で何ができるか考えていかないといけない」との見解を述べました。
同日および翌日に、セーブ・ザ・チルドレンは対象地域である5市町を訪問し、調査報告書の内容を各自治体担当者に共有しました。いずれの自治体も、調査結果に熱心に目を通していました。今後は県や自治体だけでなく、国へも提言について働きかける予定です。

今回の調査で明らかになった特徴の一つは、2024年11〜12月にセーブ・ザ・チルドレンが実施した「能登子どもサポート給付金」でのアンケート調査結果と比較し、家計の状況に大きな変化が見られなかった点です。災害を契機として悪化した家計の状況が、現在においても回復していないことが推察されます。また、現在も残っている災害による具体的な影響として、「子どものストレスがたまっている」という回答が最多であったことも、前回と同じ傾向でした。災害によって生じたさまざまな影響は、中長期にわたって続くことがあるため、継続的な対応が必要です。
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本事業は、個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
【日本の子どもの今を応援する募金】
貧困や災害など、困難な状況にある子どもたちのための活動を支えてください。
https://x.gd/eslEg
●通学路の道路に穴が空いていても、一年くらい直してもらえない。側溝も崩れたままで危ない。中学校のグラウンドが震災でヒビが入ったままで、グラウンドで体育祭も体育の授業もできないまま、もうすぐ卒業する。一刻も早く学校だけでもなんとかして欲しい。(中学生世帯)
●解体が進み、景色がかわった中での今までの居場所がなくなり、不安な気持ちが子供にも影響があるのかと、気になり今後の生活スタイルも不安で楽しみがない。(中学生世帯)
●家をリフォームすることになり、住宅ローンを組むことになりました。大学進学のための貯蓄も使ってしまって今後 の資金繰りが不安です。(高校生世帯)
●例えば、我が家は一部損壊であったが、それでも修繕費に 100 万円近く考えている。支出は仕方ないかもしれな いが、修繕してくれる業者も不足していて、順番待ちの人が多いと聞く。平常に戻るのに何年かかるのかわからず、 不安。(高校生世帯)
●子育て、特に教育に関する支援を増やして欲しい。金銭だけではなく、環境整備などに関しても。(中学生世帯)
【5】アンケート調査結果をふまえたセーブ・ザ・チルドレンの提言
アンケート調査の結果をふまえ、セーブ・ザ・チルドレンから石川県教育委員会へ、次の3点を提言として伝えました。
1. 継続的な子どものこころのケア
・災害の影響を受けた子どもへの、継続的なこころのケアの取り組みを強化すること
・学校や地域の居場所で、子ども自身や保護者が継続的にこころのケアに取り組む時間や機会を、県や国が確保すること
・転校によって支援が断絶されないよう、国が広域的な連携体制の検討を進めること
2. 遊びや学びの環境の整備
・県や自治体は、子どもの居場所の早期復旧および拡充に加え、学校施設・通学路の早期修繕に取り組むこと
・上記に加え、スポーツ・文化活動の再開・継続を支える支援策を引き続き講じること
・国が県や自治体に対する人的・財政的支援を行うこと
3. 被災した子育て世帯への経済的支援
・子どもたちが望む進路を選択できるよう子育て世帯の家計状況改善のため、国と県が、一部損壊を含む子育て世帯に対して現金給付など、経済的支援を早急に行うこと
・国は今後の大規模災害に備え、被災した子育て世帯への経済的支援を拡充すること
・経済的支援のみならず、災害時の子ども支援に関しては、関係省庁が連携し横断的に推進する体制の構築すること
石川県教育委員会からは、「教育委員会も、子どものこころのケアは非常に大切なことだと考えている。各学校の校長先生などに対しても、こころのケアに対して寄り添っていただくよう要請している」といったコメントがありました。また、経済的支援に関して、「能登では生業がまだ回復できておらず、苦しい状況に置かれていることが分かる。教育委員会だけでなく、県・国で何ができるか考えていかないといけない」との見解を述べました。
同日および翌日に、セーブ・ザ・チルドレンは対象地域である5市町を訪問し、調査報告書の内容を各自治体担当者に共有しました。いずれの自治体も、調査結果に熱心に目を通していました。今後は県や自治体だけでなく、国へも提言について働きかける予定です。

石川県教育委員会へアンケート調査結果とともに提言を共有
今回の調査で明らかになった特徴の一つは、2024年11〜12月にセーブ・ザ・チルドレンが実施した「能登子どもサポート給付金」でのアンケート調査結果と比較し、家計の状況に大きな変化が見られなかった点です。災害を契機として悪化した家計の状況が、現在においても回復していないことが推察されます。また、現在も残っている災害による具体的な影響として、「子どものストレスがたまっている」という回答が最多であったことも、前回と同じ傾向でした。災害によって生じたさまざまな影響は、中長期にわたって続くことがあるため、継続的な対応が必要です。
震災から2年以上が経過した現在も、能登では教育、生活環境の改善に向けた取り組みは続いており、復興はいまだ途上にあります。こうした状況の中で、子どもたちが自ら希望する進路を選択できるよう、セーブ・ザ・チルドレンは国や県、地方自治体に対して制度改善や支援の拡充を引き続き働きかけていきます。
(報告:国内事業部 緊急支援・防災事業担当)
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本事業は、個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
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