ガザ(公開日:2025.10.24)
パレスチナ・ガザ地区への攻撃開始より2年目を迎えて
●ガザ地区攻撃から2年、追悼キャンドルイベント「停戦を、食料を、いますぐに」報告
10月4日、セーブ・ザ・チルドレンを含む複数のNGOが、ガザ攻撃により亡くなった方々を追悼する集会、「停戦を、食料を、いますぐに」を開催しました。前半は各NGOからの報告会を聖アンデレ教会で行い、後半はキャンドルを灯す追悼集会を増上寺で行いました。それぞれ250人以上の市民が参加し、報告会では活動報告とガザ地区の惨状を伝えるとともに、今回の参加NGOが共同で発表した声明を読み上げました。
また、追悼集会では、それぞれの団体がガザ地区からのメッセージや思いを読み上げ黙とうし、キャンドルの前でパレスチナをイメージした赤と緑のフィルムで携帯ライトを彩りながら写真を撮り、ハッシュタグ「#停戦を食料をいますぐに」、「#GAZA」とともにSNSに投稿しました。少しでもガザ地区の人々に、日本からの連帯の思いを伝えたいと実施した試みでしたが、同時に、これ以上誰の命も奪われないように、いち早い停戦と安定した物資供給をと、主催者も参加者も祈るように強く願いました。
●ガザ地区の近況
2025年10月7日、ガザ地区への大規模攻撃が始まって2年が経ちました。これまでにイスラエルでは1,200人、ガザ地区では6万8千人近くが殺害され、17万人以上が負傷しました[1] 。亡くなった人のうち2万人以上は子どもで、計算上1時間に一人以上の子どもが殺されてきました。行方不明者を入れると被害者数はさらに増え、家族や親を失った子ども、手足を失った子ども、癒えないこころの傷を負った子どもがたくさんいます。また、就学年齢の子ども65万人以上が2年間学校に通えませんでした。10月に入り、停戦合意が達成されたかのように見えますが、状況は非常に不安定で、一部報道では、停戦が効力を発揮した10月10日から既に97人がイスラエル軍の攻撃により亡くなっています[2] 。また、人道支援物資の搬入も圧倒的に量が足らず、多くの人々にいまだに食料が届いていません。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、8月に発表されたガザ市での飢饉について、子どもたちの栄養不良の状況を詳しく数値で伝えています[3] 。
セーブ・ザ・チルドレンは、多くの関係各国に対し、人為的に飢饉が起こされたことを含めて、子どもたちに対する重大な人権侵害を認め、ガザ地区の復興に全力を挙げるよう求めます。
●セーブ・ザ・チルドレンの活動
セーブ・ザ・チルドレンは、2023年10月15日からガザ地区での通常の支援活動を一時停止し緊急支援を開始、これまでに166万人(うち81万1,955人が子ども)に支援を届けました。特に水・衛生分野の活動では、57万人以上に給水車を通じた清潔な水を提供し、約2万人に衛生キットやテント、生活必需品を配布しました。また、食料と現金支援では40万人に支援を届けたほか、保健・栄養分野では、2つの診療所を通じて11万3千人以上に一次医療を提供しました。うち1万3千人以上に栄養不良の治療を実施しており、2025年8月に飢饉が発生したガザ地区において、非常に重要な役割を担っています。また、国連主導のポリオワクチン接種キャンペーンでは、3,000人近い子どもたちにポリオの予防接種を実施し、小児麻痺を予防しました。そして、現在も現地スタッフと12のパートナー団体を通じて、上記の活動に加えて、ノンフォーマル教育の提供や、精神保健・心理社会的支援を通じた子どもたちの居場所づくりを行っています。
●これからの活動
この2年間で、私たちも2人の同僚を失いました。1人はアフマドさん(39歳)で、仕事帰りに空爆を受けました。彼は耳が聞こえませんでした。もう一人はサメーさん(39歳)で、就寝中の空爆により子どもも含めた一家全員が亡くなりました。サメーさんには出張で会ったことがありますが、本当に親切で、いつも笑顔が絶えない人でした。また、多くのスタッフが、空爆の危険から逃れるために、何度も住む場所を変える必要がありました。今、ガザ地区で働くセーブ・ザ・チルドレンの職員も、他の市民と同じように厳しい環境の中で生活しています。逃げる場所がない中で、歴史や文化、教育を根こそぎ奪うように続いた攻撃、目の前で起こる建物の大量破壊、人々の死、明日生きることさえ不確かで、それがいつ終わるのかもわからない状況が今も続いています。この2年、ガザ地区の人々が経験したことは、人類が今まで経験したことのないような苦難ではないかと思います。
人々からは「もう疲れ果ててしまった」という声が届きます。同僚も例外ではありません。停戦が達成されても、5,300万トンのがれきの撤去や[4] 、不発弾の撤去も残っています[5] 。しかし同時に停戦に大きな希望と安堵を感じている人もたくさんいます。停戦合意の先行きも不透明ですが、世界中の人々が、「ガザのことを忘れていない」というメッセージをガザ地区の人々に伝え続けること、支援を届けること、停戦をより安定したものにしていくよう努力することは、とても大切なことだと感じています。
セーブ・ザ・チルドレンは、恒久的停戦の実現と、物資供給の達成、国際法の遵守を引きつづき日本政府に訴えるとともに、私たちが子どもたちのために、またその家族のために、現地でできることを、ガザ地区の人々ともに着実に実施していきたいと思います。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
*プライバシー保護のため名前は変更されています
(海外事業部 金子由佳)
10月4日、セーブ・ザ・チルドレンを含む複数のNGOが、ガザ攻撃により亡くなった方々を追悼する集会、「停戦を、食料を、いますぐに」を開催しました。前半は各NGOからの報告会を聖アンデレ教会で行い、後半はキャンドルを灯す追悼集会を増上寺で行いました。それぞれ250人以上の市民が参加し、報告会では活動報告とガザ地区の惨状を伝えるとともに、今回の参加NGOが共同で発表した声明を読み上げました。
聖アンデレ教会に集まった参加者
また、追悼集会では、それぞれの団体がガザ地区からのメッセージや思いを読み上げ黙とうし、キャンドルの前でパレスチナをイメージした赤と緑のフィルムで携帯ライトを彩りながら写真を撮り、ハッシュタグ「#停戦を食料をいますぐに」、「#GAZA」とともにSNSに投稿しました。少しでもガザ地区の人々に、日本からの連帯の思いを伝えたいと実施した試みでしたが、同時に、これ以上誰の命も奪われないように、いち早い停戦と安定した物資供給をと、主催者も参加者も祈るように強く願いました。
●ガザ地区の近況
2025年10月7日、ガザ地区への大規模攻撃が始まって2年が経ちました。これまでにイスラエルでは1,200人、ガザ地区では6万8千人近くが殺害され、17万人以上が負傷しました[1] 。亡くなった人のうち2万人以上は子どもで、計算上1時間に一人以上の子どもが殺されてきました。行方不明者を入れると被害者数はさらに増え、家族や親を失った子ども、手足を失った子ども、癒えないこころの傷を負った子どもがたくさんいます。また、就学年齢の子ども65万人以上が2年間学校に通えませんでした。10月に入り、停戦合意が達成されたかのように見えますが、状況は非常に不安定で、一部報道では、停戦が効力を発揮した10月10日から既に97人がイスラエル軍の攻撃により亡くなっています[2] 。また、人道支援物資の搬入も圧倒的に量が足らず、多くの人々にいまだに食料が届いていません。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、8月に発表されたガザ市での飢饉について、子どもたちの栄養不良の状況を詳しく数値で伝えています[3] 。
セーブ・ザ・チルドレンは、多くの関係各国に対し、人為的に飢饉が起こされたことを含めて、子どもたちに対する重大な人権侵害を認め、ガザ地区の復興に全力を挙げるよう求めます。
栄養不良の治療に診療所を訪れたナゼクさん*(30歳)と娘のヌールさん*(1歳)
●セーブ・ザ・チルドレンの活動
セーブ・ザ・チルドレンは、2023年10月15日からガザ地区での通常の支援活動を一時停止し緊急支援を開始、これまでに166万人(うち81万1,955人が子ども)に支援を届けました。特に水・衛生分野の活動では、57万人以上に給水車を通じた清潔な水を提供し、約2万人に衛生キットやテント、生活必需品を配布しました。また、食料と現金支援では40万人に支援を届けたほか、保健・栄養分野では、2つの診療所を通じて11万3千人以上に一次医療を提供しました。うち1万3千人以上に栄養不良の治療を実施しており、2025年8月に飢饉が発生したガザ地区において、非常に重要な役割を担っています。また、国連主導のポリオワクチン接種キャンペーンでは、3,000人近い子どもたちにポリオの予防接種を実施し、小児麻痺を予防しました。そして、現在も現地スタッフと12のパートナー団体を通じて、上記の活動に加えて、ノンフォーマル教育の提供や、精神保健・心理社会的支援を通じた子どもたちの居場所づくりを行っています。
※詳しくはセーブ・ザ・チルドレン、ガザ攻撃2年目の活動報告書「子どもたちにとっての戦争」をご参照ください。
ハーン・ユニスでの給水の様子 ファディさん*と息子のジャマルさん*(15歳)
●これからの活動
この2年間で、私たちも2人の同僚を失いました。1人はアフマドさん(39歳)で、仕事帰りに空爆を受けました。彼は耳が聞こえませんでした。もう一人はサメーさん(39歳)で、就寝中の空爆により子どもも含めた一家全員が亡くなりました。サメーさんには出張で会ったことがありますが、本当に親切で、いつも笑顔が絶えない人でした。また、多くのスタッフが、空爆の危険から逃れるために、何度も住む場所を変える必要がありました。今、ガザ地区で働くセーブ・ザ・チルドレンの職員も、他の市民と同じように厳しい環境の中で生活しています。逃げる場所がない中で、歴史や文化、教育を根こそぎ奪うように続いた攻撃、目の前で起こる建物の大量破壊、人々の死、明日生きることさえ不確かで、それがいつ終わるのかもわからない状況が今も続いています。この2年、ガザ地区の人々が経験したことは、人類が今まで経験したことのないような苦難ではないかと思います。
人々からは「もう疲れ果ててしまった」という声が届きます。同僚も例外ではありません。停戦が達成されても、5,300万トンのがれきの撤去や[4] 、不発弾の撤去も残っています[5] 。しかし同時に停戦に大きな希望と安堵を感じている人もたくさんいます。停戦合意の先行きも不透明ですが、世界中の人々が、「ガザのことを忘れていない」というメッセージをガザ地区の人々に伝え続けること、支援を届けること、停戦をより安定したものにしていくよう努力することは、とても大切なことだと感じています。
2025年10月4日増上寺にて、「Let Gaza Live(ガザを生きさせろ)」のキャンドルメッセージと携帯ライトに赤と緑のセロファンを付け、光を灯す参加者
セーブ・ザ・チルドレンは、恒久的停戦の実現と、物資供給の達成、国際法の遵守を引きつづき日本政府に訴えるとともに、私たちが子どもたちのために、またその家族のために、現地でできることを、ガザ地区の人々ともに着実に実施していきたいと思います。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
*プライバシー保護のため名前は変更されています
(海外事業部 金子由佳)
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【ご支援のお願い】
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[1] Reported impact snapshot | Gaza Strip (15 October 2025),UNOCHA, 2025年10月15日
[2] Israel kills 97 Palestinians in ceasefire violations:Gaza government, AA,2025年10月20日
[3] Gaza: UNRWA’s Lancet Study Reveals Alarming Surge inChild Malnutrition, Underscores IPC Famine Confirmation, UNRWA, 2025年10月8日
[4] 「破壊され続けるガザ、日本地区も がれき5346万トンが語ること」、朝日新聞、2025年10月6日
[5] Gaza: billion needed to rebuild shattered enclave,says UN、国連、2025年10月14日
[2] Israel kills 97 Palestinians in ceasefire violations:Gaza government, AA,2025年10月20日
[3] Gaza: UNRWA’s Lancet Study Reveals Alarming Surge inChild Malnutrition, Underscores IPC Famine Confirmation, UNRWA, 2025年10月8日
[4] 「破壊され続けるガザ、日本地区も がれき5346万トンが語ること」、朝日新聞、2025年10月6日
[5] Gaza: billion needed to rebuild shattered enclave,says UN、国連、2025年10月14日




