ガザ(公開日:2026.05.14)
パレスチナ・ガザ地区:ネズミや害虫の大量発生により、子どもの3人に2人が感染症の危険
2026年5月1日 – ここ数週間の気温の上昇に伴って、ガザ地区の避難所にはネズミやハエなどの害虫が大量発生しており、過密状態にある避難所に暮らす約140万人に健康リスクが高まっています[1]。
セーブ・ザ・チルドレンが設置した太陽光発電式の海水淡水化装置の給水所を利用する避難民
国連人道問題調整事務所(UN OCHA)によると、4月中旬に調査されたガザ地区の1,600ヶ所以上の避難所のうち、80%以上でネズミや害虫が頻繁に目撃されていると報告されています。約3分の2の避難所で皮膚感染症や発疹が報告され、65%以上でシラミ、半数以上でトコジラミが確認されました。
ガザ地区の人口の約47%を子どもが占めており、これはガザ地区の子どもの約3分の2にあたる約68万人の子どもが、ネズミや害虫が蔓延する避難所で生活していることを意味しています。
ネズミはテントをかじるだけでなく、食料も汚染しています。ガザ地区には食料を適切に保管する施設がないため、気温の上昇が続くにつれ、状況はさらに悪化する恐れがあります。
避難所に暮らす家族からは、夜、子どもがネズミに噛まれるのではないかと心配して眠れないという話が聞こえてきます。実際、今年に入ってすでにそのような事例が報告されています[2]。
イスラエル軍によるガザ地区への支援物資や商業品の搬入封鎖により、各家庭は害虫駆除用の殺虫剤を入手できなくなっています。また、市場にこれらの品物が稀に並ぶことがあっても、その価格は手が出ないほど高額です。その結果、各家庭は棒を使って害虫を捕まえようとしたり、簡易な粘着トラップを使ったりするなど、往々にして効果のない手段に頼らざるを得なくなっています。
ネズミはテントをかじるだけでなく、食料も汚染しています。ガザ地区には食料を適切に保管する施設がないため、気温の上昇が続くにつれ、状況はさらに悪化する恐れがあります。
避難所に暮らす家族からは、夜、子どもがネズミに噛まれるのではないかと心配して眠れないという話が聞こえてきます。実際、今年に入ってすでにそのような事例が報告されています[2]。
イスラエル軍によるガザ地区への支援物資や商業品の搬入封鎖により、各家庭は害虫駆除用の殺虫剤を入手できなくなっています。また、市場にこれらの品物が稀に並ぶことがあっても、その価格は手が出ないほど高額です。その結果、各家庭は棒を使って害虫を捕まえようとしたり、簡易な粘着トラップを使ったりするなど、往々にして効果のない手段に頼らざるを得なくなっています。
セーブ・ザ・チルドレンが、UN OCHAなどの支援で設置した太陽光発電式の給水所が、数千世帯に清潔な水を供給
2年以上にわたる戦争により、ガザ地区の医療、水・衛生システムは壊滅的な打撃を受け、瓦礫やゴミの山に囲まれた過密状態の避難所は、病気が蔓延する温床と化しています。
廃棄物の蓄積によりネズミや害虫が増加し、疥癬(かいせん)、肺炎、下痢などの病気の蔓延を招いています。子どもたち、特に5歳未満の乳幼児や栄養不良で体力が低下している子どもは、免疫の低下にともなってこうした病気にかかりやすくなっています。
ガザ地区のスタッフ、広報マネージャーのシュルークは次のように話します。
「私の周りには、ネズミやゴミ、汚水が常に見られます。このような環境で暮らす娘の健康が心配でなりません。背筋が凍るような気分ですし、これでは尊厳ある生活など送れません。気温が上がるにつれ、この問題はさらに悪化し、より恐ろしいものとなり、私たちの家がネズミや害虫、病気の温床になってしまうのではないかと恐れています。通勤路の至る所に仮設テントが並んでいるのを見るのは、胸が張り裂ける思いです。これらの避難所は、損傷したインフラの上に無造作に設置されており、人々は(トイレの水や生活排水を含む)下水や動物、ネズミによる危険に常にさらされています。(※)
ガザ地区の保健・衛生システムは崩壊しています。雨が降ると未処理の下水が街中を流れ、定期的に海へ放流されています。(綺麗な)水を手に入れるのはとても大変で、人々はやむを得ず、汚染された海で魚を捕ったり、泳いだりして、自らを危険にさらしています。」
セーブ・ザ・チルドレンは、人道支援へのアクセスが途切れることなく確保され、人々の人道上のニーズが満たされるよう求めています。占領国であるイスラエルには、占領下にある住民の人道上のニーズを満たすという追加的な義務があります。(2025年末に安保理で決議された)「停戦計画」は、人道上の観点から、機能不全に陥っています。イスラエル政府は、ガザ地区への封鎖を直ちに解除し、すべての国境検問所が開かれ完全に機能するよう確保するとともに、支援物資の制限を撤廃し、サービスの再開を図り、住宅、学校、水・衛生システム、そして人々の生活が再建できるよう努めなければなりません。
セーブ・ザ・チルドレンは、ガザ地区の子どもたちに対し、精神保健・心理社会的支援を実施しているほか、子どもたちが遊び、学び、他の子どもたちと交流するための場所「こどもひろば」を提供しています。その他、保健・医療の提供や、栄養の改善、清潔な水の供給や、衛生管理のための啓発活動を行っています。
また、セーブ・ザ・チルドレンは1953年からパレスチナ占領地域で活動しており、1973年からは常駐しています。現地パートナー団体と協力し、パレスチナ全土で質の高い教育の提供、子どもの保護、幼児期の発達支援、そして若者への雇用機会の創出に取り組んでいます。
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中東危機をはじめ、人道危機や災害の影響を受け、深刻な状況に置かれている子どもたちを支援する「海外の子どもの今を支える緊急募金」に、ご寄付をお願いします。
https://x.gd/issyb
【脚注など】
[1] According to an OCHA sitrep, between 7 and 13 April, an alert system managed by the Site Management Cluster (SMC) across displacement sites indicated that rodents or pests were frequently visible in 1,326 of the 1,644 assessed sites (81%), affecting about 1.45 million people. Using the share of children in Gaza, 47%, this equals approximately 680,500 children, or two in three children. Humanitarian Situation Report | 17 April 2026 | United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs - Occupied Palestinian Territory
[2]Gaza’s second front: The battle against disease-carrying rats | Israel-Palestine conflict News | Al Jazeera
More than 70,000 cases of ectoparasitic infestations, as shortages of hygiene supplies exacerbate challenges |United Nations in Palestine
UNRWA Situation Report #218 on the Humanitarian Crisis in the Gaza Strip and the Occupied West Bank, including East Jerusalem | UNRWA
※国連の関係者によると、ガザ地区ではネズミの尿などが媒介するレピトスピラ菌による感染症の蔓延が懸念されています。この感染症は、ネズミの糞尿が媒介するハンタウイルスと同じように、パンデミックに陥ると多くの人の命を危険に晒す可能性があります。
廃棄物の蓄積によりネズミや害虫が増加し、疥癬(かいせん)、肺炎、下痢などの病気の蔓延を招いています。子どもたち、特に5歳未満の乳幼児や栄養不良で体力が低下している子どもは、免疫の低下にともなってこうした病気にかかりやすくなっています。
ガザ地区のスタッフ、広報マネージャーのシュルークは次のように話します。
「私の周りには、ネズミやゴミ、汚水が常に見られます。このような環境で暮らす娘の健康が心配でなりません。背筋が凍るような気分ですし、これでは尊厳ある生活など送れません。気温が上がるにつれ、この問題はさらに悪化し、より恐ろしいものとなり、私たちの家がネズミや害虫、病気の温床になってしまうのではないかと恐れています。通勤路の至る所に仮設テントが並んでいるのを見るのは、胸が張り裂ける思いです。これらの避難所は、損傷したインフラの上に無造作に設置されており、人々は(トイレの水や生活排水を含む)下水や動物、ネズミによる危険に常にさらされています。(※)
ガザ地区の保健・衛生システムは崩壊しています。雨が降ると未処理の下水が街中を流れ、定期的に海へ放流されています。(綺麗な)水を手に入れるのはとても大変で、人々はやむを得ず、汚染された海で魚を捕ったり、泳いだりして、自らを危険にさらしています。」
セーブ・ザ・チルドレンは、人道支援へのアクセスが途切れることなく確保され、人々の人道上のニーズが満たされるよう求めています。占領国であるイスラエルには、占領下にある住民の人道上のニーズを満たすという追加的な義務があります。(2025年末に安保理で決議された)「停戦計画」は、人道上の観点から、機能不全に陥っています。イスラエル政府は、ガザ地区への封鎖を直ちに解除し、すべての国境検問所が開かれ完全に機能するよう確保するとともに、支援物資の制限を撤廃し、サービスの再開を図り、住宅、学校、水・衛生システム、そして人々の生活が再建できるよう努めなければなりません。
セーブ・ザ・チルドレンは、ガザ地区の子どもたちに対し、精神保健・心理社会的支援を実施しているほか、子どもたちが遊び、学び、他の子どもたちと交流するための場所「こどもひろば」を提供しています。その他、保健・医療の提供や、栄養の改善、清潔な水の供給や、衛生管理のための啓発活動を行っています。
また、セーブ・ザ・チルドレンは1953年からパレスチナ占領地域で活動しており、1973年からは常駐しています。現地パートナー団体と協力し、パレスチナ全土で質の高い教育の提供、子どもの保護、幼児期の発達支援、そして若者への雇用機会の創出に取り組んでいます。
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中東危機をはじめ、人道危機や災害の影響を受け、深刻な状況に置かれている子どもたちを支援する「海外の子どもの今を支える緊急募金」に、ご寄付をお願いします。
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【脚注など】
[1] According to an OCHA sitrep, between 7 and 13 April, an alert system managed by the Site Management Cluster (SMC) across displacement sites indicated that rodents or pests were frequently visible in 1,326 of the 1,644 assessed sites (81%), affecting about 1.45 million people. Using the share of children in Gaza, 47%, this equals approximately 680,500 children, or two in three children. Humanitarian Situation Report | 17 April 2026 | United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs - Occupied Palestinian Territory
[2]Gaza’s second front: The battle against disease-carrying rats | Israel-Palestine conflict News | Al Jazeera
More than 70,000 cases of ectoparasitic infestations, as shortages of hygiene supplies exacerbate challenges |United Nations in Palestine
UNRWA Situation Report #218 on the Humanitarian Crisis in the Gaza Strip and the Occupied West Bank, including East Jerusalem | UNRWA
※国連の関係者によると、ガザ地区ではネズミの尿などが媒介するレピトスピラ菌による感染症の蔓延が懸念されています。この感染症は、ネズミの糞尿が媒介するハンタウイルスと同じように、パンデミックに陥ると多くの人の命を危険に晒す可能性があります。




