日本/地域NPO支援(公開日:2026.06.01)
【開催報告】3月17日シンポジウム「すべての子どもに体験の機会を〜助成プログラム まなび・体験ファンドの実践から〜」
セーブ・ザ・チルドレンでは、日本国内で子どもたちにまなびや体験の機会を提供するNPO向けの助成プログラム「まなび・体験ファンド」を実施しています。
2023年からの3年間で合計17事業を支援してきました。
すべての子どもには、多様なまなびや体験をする権利があります。
しかし、経済的な事情や障害、社会的養護、病気療養などさまざまな背景により、体験の機会を得にくい状況に置かれる子どもたちは少なくありません。
子どもたちの体験をそれぞれの立場から支えていくために、私たちは何ができるでしょうか。
参加者の皆さんと一緒に考えることを目指し、3月17日にオンラインでシンポジウムを開催しました。
■オープニングトーク「子どもの権利の視点で体験を考える」
まず、セーブ・ザ・チルドレン国内事業部地域NPO支援チームより、まなび・体験ファンドの概要とこれまでの成果を報告しました。
ひとり親世帯の子どもを対象としたキャンプや、社会的養護下にある子どもたちの旅行、病気療養中の子どもの読書体験など、機会が得られにくかった状況を理解した上で支援体制を整え、体験を具体的に保障するために取り組んでいる17事業を支援し、のべ約3,000人に体験を届けました。
これらの体験が、子どもたちにとって次の一歩を踏み出す力となったことや、周囲との信頼関係を育む機会になったことなど、体験がもつ意義を報告しました。
続くオープニングトークでは、文教大学人間科学部准教授の青山鉄兵氏が「子どもの権利の視点で体験を考える」をテーマに話しました。
体験が自然にできるものから、わざわざ用意しなければならないものへと変化している現状や、体験の商品化が格差拡大につながっている現状を踏まえ、体験に誰もがアクセスできる環境を社会全体でつくる重要性を分かりやすく説明しました。

続いて、実践事例を3つ紹介しました。
■実践事例1 経済的に困難な子育て世帯の子ども向け体験プログラム
セーブ・ザ・チルドレン 国内事業部子どもの貧困問題解決事業プログラムマネージャー田代光恵からは、経済的に困難な子育て世帯の子どもに向けた体験プログラムの取り組みを紹介しました。
体験プログラムでは、就学を支えるための給付金や、食支援などを通してつながった子どもたちに、自然体験、文化体験などの機会を提供しています。
「今回の経験が新しいまなびにつながった」「新しい発見ができたりするのは楽しい」など、非日常の体験を通じて、子どもたちが新たな可能性を見出すことにつながっているという成果が語られました。

■実践事例2 誰もが楽しめるユニバーサルビーチの取り組み
特定非営利活動法人くすの木自然館の代表理事浜本麦さん、事務局・ユニバーサルデザイン担当の石神愛梨さんからは、障害などに関わらず、誰もが楽しめる海遊び体験の取り組みを紹介しました。
くすの木自然館では、海遊びを「障害があるからできない」とあきらめるのではなく、本人がやりたいことを実現する方法を一緒に考える姿勢を大切にしています。
海をはじめとする自然体験には危険が伴うことを踏まえ、想定されるリスクを洗い出した上で多くのサポーターと連携し、万全の対策を講じることで、参加者が安心して楽しめる環境を整えています。
その結果、不安なく参加でき「楽しかった」という思い出を数多く生み出しています。

■実践事例3 多様な状況の子どもたちへの音楽体験
フェローオーケストラ代表八木澤佑理子さんからは、経済的に困難がある世帯の子どもや障害のある子ども、外国にルーツのある子どもなどが、楽器を演奏したり音楽を聴いたりする体験を提供する取り組みを紹介しました。
フェローオーケストラでは、他の子ども支援NPOなどと連携し、音楽に触れる場への参加がしにくい子どもたちがどうしたら参加できるか検討し、参加しやすい環境を整えようと工夫をしてきました。
体験への参加を難しくする要因について他の団体にヒアリングした結果、イベント会場までの交通費や、子どもを引率する時間の捻出の難しさが一因となっていたことが明らかになりました。
そこで、会場までの交通費も支給対象とした結果、より多くの子どもたちの参加につながったとのことです。

■ディスカッション 「取り残されがちな子どもに体験を届けるために」
後半のディスカッションでは「取り残されがちな子どもに体験を届けるために」をテーマに、登壇者全員で意見交換を行いました。
まず、活動を進めてきたNPOスタッフより、取り残されがちな子どもたちに体験を届けたいという思いがある一方で、「保護者の理解や協力をどのように得るか」「子ども自身がこれまで無意識のうちにあきらめてきた経験が、新しい体験に踏み出す際のハードルになっている」という難しさもあることが共有されました。
別のNPOスタッフからは、かつて当事者として体験に参加していた立場から、「当事者の声を丁寧に聴き、やってあげるのではなく、一緒につくるという姿勢が重要である」という指摘があり、支援する側・される側といった関係を超えて、ともに体験をつくる視点の大切さが示されました。
また、すべての子どもに体験を届けていくためには、行政やNPOなど立場の異なる主体が協力し合うことが必要です。
さらに、どの活動においても「活動費の確保は常に課題だ」という声も聴かれ、活動継続のための資金面においても、他団体との連携が欠かせません。
そのためには、まず思いや目的を共有することが大切だとの意見が出されました。
さらに、連携においてはお互いの立場を尊重しながら、状況に応じて言葉や関わり方を使い分けるなどの柔軟性も必要であるという現実的な指摘もありました。

■参加者の反応
このシンポジウムには、行政職員、NPO関係者、セーブ・ザ・チルドレンの寄付者やボランティアなど、さまざまな立場から117人の申込がありました。
事後アンケートでは、子どもの体験保障が重要だと思うかについて「とてもそう思う」「そう思う」が100%となり、7割以上の方が「考えが強まった」と回答しました。
参加者からは「制度や社会構造の視点で課題を考えるきっかけになった」「多様な実践に勇気づけられた」(NPOスタッフ)、「体験を子どもの権利として捉える重要性を再認識した」(行政機関職員)などの声が寄せられました。
今回のシンポジウムを通じて、参加者それぞれが取り残されがちな子どもに目を向け、多様な主体が連携して実践を広げていく大切さを改めて確認する場となりました。
セーブ・ザ・チルドレンは、今後も取り残されがちな子どもたちの声を聴きながら体験の機会を作る活動を支援していきます。
本事業は、個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
【日本の子どもの今を応援する募金】
貧困や災害など、困難な状況にある子どもたちのための活動を支えてください。
https://x.gd/eslEg
2023年からの3年間で合計17事業を支援してきました。
すべての子どもには、多様なまなびや体験をする権利があります。
しかし、経済的な事情や障害、社会的養護、病気療養などさまざまな背景により、体験の機会を得にくい状況に置かれる子どもたちは少なくありません。
子どもたちの体験をそれぞれの立場から支えていくために、私たちは何ができるでしょうか。
参加者の皆さんと一緒に考えることを目指し、3月17日にオンラインでシンポジウムを開催しました。
■オープニングトーク「子どもの権利の視点で体験を考える」
まず、セーブ・ザ・チルドレン国内事業部地域NPO支援チームより、まなび・体験ファンドの概要とこれまでの成果を報告しました。
ひとり親世帯の子どもを対象としたキャンプや、社会的養護下にある子どもたちの旅行、病気療養中の子どもの読書体験など、機会が得られにくかった状況を理解した上で支援体制を整え、体験を具体的に保障するために取り組んでいる17事業を支援し、のべ約3,000人に体験を届けました。
これらの体験が、子どもたちにとって次の一歩を踏み出す力となったことや、周囲との信頼関係を育む機会になったことなど、体験がもつ意義を報告しました。
続くオープニングトークでは、文教大学人間科学部准教授の青山鉄兵氏が「子どもの権利の視点で体験を考える」をテーマに話しました。
体験が自然にできるものから、わざわざ用意しなければならないものへと変化している現状や、体験の商品化が格差拡大につながっている現状を踏まえ、体験に誰もがアクセスできる環境を社会全体でつくる重要性を分かりやすく説明しました。

続いて、実践事例を3つ紹介しました。
■実践事例1 経済的に困難な子育て世帯の子ども向け体験プログラム
セーブ・ザ・チルドレン 国内事業部子どもの貧困問題解決事業プログラムマネージャー田代光恵からは、経済的に困難な子育て世帯の子どもに向けた体験プログラムの取り組みを紹介しました。
体験プログラムでは、就学を支えるための給付金や、食支援などを通してつながった子どもたちに、自然体験、文化体験などの機会を提供しています。
「今回の経験が新しいまなびにつながった」「新しい発見ができたりするのは楽しい」など、非日常の体験を通じて、子どもたちが新たな可能性を見出すことにつながっているという成果が語られました。

■実践事例2 誰もが楽しめるユニバーサルビーチの取り組み
特定非営利活動法人くすの木自然館の代表理事浜本麦さん、事務局・ユニバーサルデザイン担当の石神愛梨さんからは、障害などに関わらず、誰もが楽しめる海遊び体験の取り組みを紹介しました。
くすの木自然館では、海遊びを「障害があるからできない」とあきらめるのではなく、本人がやりたいことを実現する方法を一緒に考える姿勢を大切にしています。
海をはじめとする自然体験には危険が伴うことを踏まえ、想定されるリスクを洗い出した上で多くのサポーターと連携し、万全の対策を講じることで、参加者が安心して楽しめる環境を整えています。
その結果、不安なく参加でき「楽しかった」という思い出を数多く生み出しています。

■実践事例3 多様な状況の子どもたちへの音楽体験
フェローオーケストラ代表八木澤佑理子さんからは、経済的に困難がある世帯の子どもや障害のある子ども、外国にルーツのある子どもなどが、楽器を演奏したり音楽を聴いたりする体験を提供する取り組みを紹介しました。
フェローオーケストラでは、他の子ども支援NPOなどと連携し、音楽に触れる場への参加がしにくい子どもたちがどうしたら参加できるか検討し、参加しやすい環境を整えようと工夫をしてきました。
体験への参加を難しくする要因について他の団体にヒアリングした結果、イベント会場までの交通費や、子どもを引率する時間の捻出の難しさが一因となっていたことが明らかになりました。
そこで、会場までの交通費も支給対象とした結果、より多くの子どもたちの参加につながったとのことです。

■ディスカッション 「取り残されがちな子どもに体験を届けるために」
後半のディスカッションでは「取り残されがちな子どもに体験を届けるために」をテーマに、登壇者全員で意見交換を行いました。
まず、活動を進めてきたNPOスタッフより、取り残されがちな子どもたちに体験を届けたいという思いがある一方で、「保護者の理解や協力をどのように得るか」「子ども自身がこれまで無意識のうちにあきらめてきた経験が、新しい体験に踏み出す際のハードルになっている」という難しさもあることが共有されました。
別のNPOスタッフからは、かつて当事者として体験に参加していた立場から、「当事者の声を丁寧に聴き、やってあげるのではなく、一緒につくるという姿勢が重要である」という指摘があり、支援する側・される側といった関係を超えて、ともに体験をつくる視点の大切さが示されました。
また、すべての子どもに体験を届けていくためには、行政やNPOなど立場の異なる主体が協力し合うことが必要です。
さらに、どの活動においても「活動費の確保は常に課題だ」という声も聴かれ、活動継続のための資金面においても、他団体との連携が欠かせません。
そのためには、まず思いや目的を共有することが大切だとの意見が出されました。
さらに、連携においてはお互いの立場を尊重しながら、状況に応じて言葉や関わり方を使い分けるなどの柔軟性も必要であるという現実的な指摘もありました。

■参加者の反応
このシンポジウムには、行政職員、NPO関係者、セーブ・ザ・チルドレンの寄付者やボランティアなど、さまざまな立場から117人の申込がありました。
事後アンケートでは、子どもの体験保障が重要だと思うかについて「とてもそう思う」「そう思う」が100%となり、7割以上の方が「考えが強まった」と回答しました。
参加者からは「制度や社会構造の視点で課題を考えるきっかけになった」「多様な実践に勇気づけられた」(NPOスタッフ)、「体験を子どもの権利として捉える重要性を再認識した」(行政機関職員)などの声が寄せられました。
今回のシンポジウムを通じて、参加者それぞれが取り残されがちな子どもに目を向け、多様な主体が連携して実践を広げていく大切さを改めて確認する場となりました。
セーブ・ザ・チルドレンは、今後も取り残されがちな子どもたちの声を聴きながら体験の機会を作る活動を支援していきます。
本事業は、個人・法人の多くの皆さまからのご寄付により実施されています。
【日本の子どもの今を応援する募金】
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