ベトナム(公開日:2024.09.19)
【ベトナム】2024年9月台風11号(国際名YAGI)における北部山岳地域緊急支援
2024年9月6日から7日にかけてベトナム北部地域に台風が上陸しました。台風通過後も7日から11日にかけて28の省で豪雨が続き、河川の水位も急激に上昇しました。
台風と豪雨により、北部地域では土砂崩れや鉄砲水が発生し、家屋、学校施設、主要産業の農業、インフラ、保健施設などが被災しました。台風が通過した地域では1,900万人が生活し、550万人の子ども、200万人の学校の生徒の学習に影響が出ると言われています。これを受け、9月8日から10日にラオカイ省、イエンバイ省、トゥエンクアン省は緊急事態を発令しました。
UNOCHAの発表によると9月14日の時点で273人近くが犠牲になり、78人が行方不明、1,900人以上が負傷しました。また、ベトナム政府発表によると(9月11日時点)、約19万世帯の家屋、94万人が洪水による被害を受けました。学校施設では569ヶ所が洪水による建物への被害が発生しました。加えて、約20万ヘクタールの農地が水没や土砂災害の被害を受け、今後の農業生産への影響が懸念されます。
インフラ設備への被害も深刻で、道路上では約1,500ヶ所で土砂災害が発生し、河川での移動に使用されていた船舶のうち約100隻が沈没、さらに5,300本以上の電柱が倒壊するなど、電力供給にも大きな影響が生じました。
セーブ・ザ・チルドレンでは、被害の深刻な地域の中でも特にイエンバイ省、ラオカイ省で支援活動を実施予定です。支援は約1万世帯を対象としており、最も深刻な被害を受けた世帯(家族が犠牲になったり負傷した世帯、または家屋が少なくとも50%損傷した世帯)、貧困層または準貧困層と認定された世帯、他機関から同様の支援を受けていない世帯、そして18歳未満の子どもがいる世帯を優先に支援を行います。
現地の実施パートナーであるラオカイ省やイエンバイ省の災害予防管理委員会、赤十字協会、教育訓練局と連携し、被災世帯への支援として、生活必需品購入のための現金給付を行う予定です(平均約2万1,000円/世帯、約1万世帯対象)。さらに、健康管理、衛生、子どもの保護、安全に関する啓発も実施します。
加えて、教育施設への支援として、1校あたり平均約75万円の現金給付を予定しており、衛生設備の修繕や学校教育の再開に必要な機材調達に充てる予定です。
すべての子どもたちが、失った教育機会や日常生活を取り戻すためには、今後さらなる支援が必要になります。また、将来発生する可能性がある自然災害に備えた支援の準備も不可欠です。
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