西アフリカ(公開日:2014.11.07)
シエラレオネに80床のエボラ専門治療センターを開院(2014.11.05)
5日、子ども支援専門の国際組織であるセーブ・ザ・チルドレンは、エボラ出血熱の流行国の一つであるシエラレオネにエボラ出血熱専門の治療センターを開院しましたのでお知らせいたします。
首都フリータウンから40キロほど離れたケリータウン(Kerry Town)に建設された同センターは、ベッド数80床を備え、エボラウイルス感染の診断と治療を行うと同時に、支援を必要とする子どもたちへの適切なケアや保護も提供します。また、感染者を早期に発見して入院措置を採れるようになることで、感染者の家族や知人への感染リスク軽減にもつながります。
「シエラレオネは、エボラ出血熱の影響を最も受けている国の一つで、この6週間の間に新たな感染者の数が増え続けています。人々も、国の医療システムも、まったく対応不可能な状態に陥っています。この治療センターで感染の早期診断が可能になれば、感染者の生存率も向上し、コミュニティの住民、特にエボラ出血熱の予期せぬ流行の影響を最も受けている多くの子どもたちを感染の拡大から守ることができます。」セーブ・ザ・チルドレン、シエラレオネ・カントリー・ディレクター、ロブ・マクギルブレ―(Rob MacGillivray)
同センターでは、キューバ政府から派遣された医師を含む200名以上の医師が50名ずつのシフト制で勤務する他、50〜70名の一般スタッフと100名以上の保健衛生士が配置され、常時100〜120名のスタッフが対応します。さらに、センター内に別途設置された小規模のクリニックを英国防省が運営し、エボラウイルスに感染した現地及び国際医療スタッフの治療にあたります。
「シエラレオネでは、これ以上の感染の拡大を阻止するための、医師や看護師など医療スタッフの数が全く足りていません。医療スタッフ専用のクリニックを設置することで、より多くの医療関係者が、エボラ出血熱患者の治療のために手をあげてくれることを期待しています。」ロブ・マクギルブレ―
センターに搬送された新規患者は、まずトリアージ(緊急度判定)のために個人防護服を着たスタッフから採血を受けます。採血した血液は直ちにセンター内の検査室に送られ、1時間程度で検査結果が判明。もし患者が陽性であった場合、症状の進行度に合わせて、症状が軽い患者用、重篤な患者用、あるいは緊急用のいずれかの病棟に送られます。
ロブ・マクギルブレ―は言います。「この治療センターの活動によって、エボラ出血熱への対策は前進しました。しかし、エボラウイルスの感染拡大を阻止するためには、国際社会が早急に対応を強化し、資金や医療人材の拠出を拡大する必要があります。」
同治療センターは、セーブ・ザ・チルドレン、英国国際開発省(DFID)、英国防省、そしてシエラレオネの保健省が協働で建設し、セーブ・ザ・チルドレンが運営を実施するものです。
セーブ・ザ・チルドレンのエボラ出血熱緊急支援活動セーブ・ザ・チルドレンは、現在リベリア、シエラレオネ、ギニアで緊急支援活動を拡大しています。シエラレオネでは、治療センターの建設・運営の他、街頭での意識向上・啓発キャンペーンの展開、学校教員やヘルスワーカー、地元の団体などへの感染予防教育、医療施設への基礎的な医療機材や予防キットの配布、エボラ出血熱感染から生還した患者への心理社会的サポート、孤児となった子どもや付き添いのいない子どものケアなどを実施しています。
リベリアでは9月、ボン郡(Bong County)に70床の治療センターを開院しました。また年内の開院を目指し、現在マージビ郡(Margibi County)に同様のセンターを建設中です(リベリアの2つの治療センターは、開院後は国際医療隊(IMC)が運営を担当)。また、エボラウイルス感染者のための草の根レベルの簡易施設を10カ所設置する計画で、最初の1カ所が間もなく開院します。
セーブ・ザ・チルドレンはまた、今月オーストラリアで開催されるG20首脳会議に参加する各国首脳に対し、感染拡大を止めるために必要な人員、装備、資金を確保することを求める署名活動を英国、米国、オーストラリア、日本など世界各国で展開しています。
署名サイト:http://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=1724
エボラ出血熱緊急支援 特設ページ
http://www.savechildren.or.jp/contribute/lp/2014donation_3.html