ハイチ(公開日:2010.11.01)
ハイチ コレラの感染拡大が懸念 〜きれいな水と衛生的な環境を子どもたちへ〜(2010.11.01)
ハイチ中北部のアルティボニット県でコレラが発生し、これまでに既に253人以上が死亡、3,015人以上の感染者が報告されています(10月25日現在)。
コレラは、伝染性が高く、不衛生な水によって感染が拡大します。感染すると急性の下痢になり、ひどい脱水症状を起こした場合、数時間で死に至ることもあります。この事態を放置することは、多くの幼い命を危険にさらすことになるのです。(下痢は途上国の5歳未満の子どもの三大死亡原因の一つ)
セーブ・ザ・チルドレンは直ちに活動地の診療所の受け入れ体制を整え、薬、経口補水塩、抗生物質、点滴の備蓄をするなど、急性の下痢症状の治療をしたり、病気の蔓延を防ぐために備えています。また、手洗いの指導、家庭でできる脱水症状の応急処置など、子どもたちを病気から守るための知識を広める活動に力を入れています。ハイチでは50年以上もの間、コレラ患者は出ておらず、コレラは人々にとって聞きなれない病気でした。そのため、セーブ・ザ・チルドレンはコミュニティ保健員や診療所スタッフに対して、コレラ・急性下痢に焦点をあてた追加研修を行うことを予定しています。それにより、コレラの初期症状を見分け、適切かつ迅速な処置をすることを目指します。
「適切な治療が迅速に受けられれば、ほとんどのコレラ感染は経口補水塩によって治療することができます。人々が安全な飲み水を手にいれることができること、コレラの予防について必要な情報を得ること、手洗いの大切さを理解すること、そして病気の初期症状が出た時点ですぐに治療を受けることがとても大切です。」(セーブ・ザ・チルドレン ハイチ・プログラム・ディレクター リサ・ローマン)
トイレの後は手洗い!
子どもたちが石鹸を使って手を洗っているか、きちんと蛇口を閉めているかボランティアが確認・指導しています
セーブ・ザ・チルドレン、ハイチ政府、国連や他の支援機関は、地震の発生後、清潔な水の提供、衛生環境の整備や衛生概念の普及などを行い、被災者の間で病気が蔓延しないよう活動してきました。しかし、ハイチではまだ100万人以上が仮設キャンプの密集した状況で生活。このような集団生活は、コレラの感染拡大の可能性を高めるため、十分な予防対策によって病気を未然に防ぐことが大切です。
世界保健機構(WHO)は、感染が確認された直後に比べて死者数は減り始めているものの、ハイチでコレラが再び猛威を振るう可能性は高いと発表しています。セーブ・ザ・チルドレンは、予防可能な病気で子どもたちが命を落とさないよう、皆様からのご支援をもとにこれからも活動を続けます。