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エチオピア
(公開日:2020.06.08)

エチオピア ラクダの図書館が遠隔学習をサポート 休校中の子どもたちへ読者や学習の機会を―新型コロナウイルス感染症

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2010年に、エチオピアのソマリ地域のコミュニティで、この地域で昔から荷物の運搬をしてきたラクダ21頭を使って「ラクダの図書館」を始めました。ラクダは木箱を背負って、一度に200冊の本を運ぶことができます。現在、この活動は33ヶ所の村で行われており、2万2,000人の子どもたちへ本が届けられています。



ラクダが本を運ぶ様子


新型コロナウイルス感染症によるロックダウン(都市封鎖)に伴い、エチオピアでは現在2,600万人の子どもたちが学校に行くことができていません。セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが家にいても読書や勉強が続けられるようラクダの図書館を続けています。



距離をあけて並び、本を借りる子どもたちの様子


本を借りる前に消毒する子ども

マハディヤさん(13歳)は、エチオピア東部のソマリ州に住む7年生です。3月末に学校が休校になって以降、授業を受けられていませんが、毎週村に来るラクダの図書館を利用して勉強を続けています。将来の夢はエンジニアになることだと話すマナディヤさんは今の状況について次の通り語ります。

「新型コロナウイルス感染症が流行する前、私たちは学校に通い、登校日には給食がありました、しかし、それも今はなくなり、学校に行けないことが悲しくて、落ち込んでいます。そして、学校が再開しないのではないかと心配しています。

休校によって、学校で学んだことを忘れてしまったり、試験に落ちてしまったりするのでないかと不安に思っています。休校になってから、子どもたちは児童労働や搾取にさらされるようになりました。子どもたちの多くは家畜の世話をしており、まきを探すために森に行く子どもたちもいます。

学校が休校になったとき、私はとても悲しかったです。でも、ラクダの図書館は私たちの村に今も来てくれていて、本を貸してくれます。読みたい本を借りて家に持ち帰ることができるので、とてもうれしいです。」



エンジニアになりたいと語るマハディヤさん

マハディヤさんの家族は、ロックダウンの影響で、経済的に困難な状況にあります。一家は小さな店を経営し生計を立てていましたが、物価の高騰と顧客の減少に伴い、生活をやりくりするのに苦心しています。また、家畜を飼っていましたが、長引く干ばつにより家畜の多くを手放さなければいけない状況にもあります。

セーブ・ザ・チルドレン エチオピア事務所代表 エキン・オグトグラリは次の通り話します。
「エチオピアで最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されてから、3ヶ月近く経ちます。このウイルスは、人が密集して暮らし、資源が不足しているコミュニティや、移民、避難してきた子どもたちをはじめとする脆弱な人々にとって特に厳しいも状況です。

エチオピアでは、最近、子どもたちから新型コロナウイルス感染症について抱える思いや懸念について話を聞きました。子どもたちは、児童労働や児童婚、休校に伴う暴力などの増加について、不安を感じていました。

新型コロナウイルス感染症だけでなく、エチオピアの子どもたちとその家族は、洪水やサバクトビバッタの大量発生や、コレラ、麻疹、食料不足や貧困率上昇に直面しています。今回の危機の広範囲におよびますが、最も脆弱な人々を支援し、このパンデミックが落ち着いたころに誰一人として子どもの状況が悪化していないよう活動していきます。」


新型コロナウイルス感染症 緊急子ども支援
https://www.savechildren.or.jp/lp/coronavirus/

 

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