エチオピア(公開日:2021.05.13)
【エチオピア】紛争から半年−約5,000人の子どもが家族と離散
2020年11月4日に、エチオピア北部のティグレ州で戦闘が勃発してから6ヶ月が経過しました。避難の途中で、親と離ればなれになったり、暴力により親を亡くした子どもたちもいます。
国連の報告によると、大人に付き添われていない 子どもたちは少なくとも917人、親と離ればなれになった子どもたちは4,056人います[1]。セーブ・ザ・チルドレンは、こうした子どもたちの心理的・身体的な健康を深く懸念しています。子どもたちのなかには、必要なケアを受けていない子どももいます。多くは50人以上が1部屋で寝泊まりする生活をしており、身体的・性的暴力のリスクにも晒されています。
また、少女や妊産婦、高齢の女性を含む女性に対する性暴力の報告件数も急増しています。過去2ヶ月で、950人以上の少女と女性がレイプされたという報告がありますが[2]、実際の被害者数はさらに多いと考えられます。
医療施設も破壊され、医療機器や医薬品の不足により、子どもたちや妊娠中の女性たちは、必要な保健医療サービスを受けることができません。また、セーブ・ザ・チルドレンの緊急保健医療チームのスタッフによると、性暴力の被害を受けた人たちの多くは、差別や偏見、報復などを恐れ、告発や治療をしないとのことです。
アテスデさんは、武装集団がティグレ州の村を襲撃した際、夫と4人の子どもと離ればなれになりました。また、アテスデさんは当時妊娠5ヶ月でしたが、他の34人の女性とともに武装集団にレイプされました。彼女は、次のとおり話します。
「2人の子どもは私の夫と一緒にいることがわかっていますが、どこ にいるのかわかりません。連絡がとれないのです。10歳の息子は、隣町に自力で行ったと聞きました。そして2歳の子どもは私の両親と一緒にいます。夫と8歳、14歳の娘は、スーダンにいると教えてくれた人もいましたが、殺されたとも聞きました。行方がわからないのです。夫から電話があるのを待っています。」
アーセマさん(11歳)は、昨年、紛争激化に伴い、両親と離ればなれになりました。現在、兄のヨナスさんと一緒に避難民キャンプで暮らしています。彼女は次のとおり話します。
「紛争が起きる前は、すべてが良かったです。でも、戦闘が起きて、すべてが悪くなりました。常に銃声が聞こえ、武装した人がいて、怖かったです。私と兄は裸足で逃げて、徒歩で1ヶ月間避難しましたが、両親のことが心配でした。もう一度両親と一緒に暮らしたいです。」
ティグレ州地域全土で170万人以上の子どもたちと大人が避難を余儀なくされており[3]、栄養不良の子どもたちへの治療食を含む食料や、シェルター、保健医療、安全な水や衛生分野での緊急支援を必要としています。
セーブ・ザ・チルドレンは、安全な水や食料、シェルターなどの提供に加え、パートナー団体とともに親や養育者と離ればなれになった子どもたちの家族再会支援や、里親家庭の支援、子どもの状況に応じた個別支援 も行っています。また、こどもひろばを開設し、子どもたちが学び、遊びながら、自らのおかれた状況を理解し、対処できるよう支援しているほか、緊急保健医療チームは、性暴力の被害者や、紛争の影響を受けた子どもたちに対して精神保健・心理社会的支援を提供しています。
[1] International Organisation for Migration, 14 April 2021: https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/DTM%20Ethiopia%20Emergency%20Site%20Assessment%20Report%204.pdf
[2]Data from the Ethiopian Bureau of Health, 26 April 2021
[3]OCHA, 19 April 2021:
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/Situation%20Report%20-%20Ethiopia%20-%20Tigray%20Region%20Humanitarian%20Update%20-%2019%20Apr%202021.pdf
国連の報告によると、大人に付き添われていない 子どもたちは少なくとも917人、親と離ればなれになった子どもたちは4,056人います[1]。セーブ・ザ・チルドレンは、こうした子どもたちの心理的・身体的な健康を深く懸念しています。子どもたちのなかには、必要なケアを受けていない子どももいます。多くは50人以上が1部屋で寝泊まりする生活をしており、身体的・性的暴力のリスクにも晒されています。
また、少女や妊産婦、高齢の女性を含む女性に対する性暴力の報告件数も急増しています。過去2ヶ月で、950人以上の少女と女性がレイプされたという報告がありますが[2]、実際の被害者数はさらに多いと考えられます。
医療施設も破壊され、医療機器や医薬品の不足により、子どもたちや妊娠中の女性たちは、必要な保健医療サービスを受けることができません。また、セーブ・ザ・チルドレンの緊急保健医療チームのスタッフによると、性暴力の被害を受けた人たちの多くは、差別や偏見、報復などを恐れ、告発や治療をしないとのことです。
アテスデさんは、武装集団がティグレ州の村を襲撃した際、夫と4人の子どもと離ればなれになりました。また、アテスデさんは当時妊娠5ヶ月でしたが、他の34人の女性とともに武装集団にレイプされました。彼女は、次のとおり話します。
「2人の子どもは私の夫と一緒にいることがわかっていますが、どこ にいるのかわかりません。連絡がとれないのです。10歳の息子は、隣町に自力で行ったと聞きました。そして2歳の子どもは私の両親と一緒にいます。夫と8歳、14歳の娘は、スーダンにいると教えてくれた人もいましたが、殺されたとも聞きました。行方がわからないのです。夫から電話があるのを待っています。」
アーセマさん(11歳)は、昨年、紛争激化に伴い、両親と離ればなれになりました。現在、兄のヨナスさんと一緒に避難民キャンプで暮らしています。彼女は次のとおり話します。
「紛争が起きる前は、すべてが良かったです。でも、戦闘が起きて、すべてが悪くなりました。常に銃声が聞こえ、武装した人がいて、怖かったです。私と兄は裸足で逃げて、徒歩で1ヶ月間避難しましたが、両親のことが心配でした。もう一度両親と一緒に暮らしたいです。」
ティグレ州地域全土で170万人以上の子どもたちと大人が避難を余儀なくされており[3]、栄養不良の子どもたちへの治療食を含む食料や、シェルター、保健医療、安全な水や衛生分野での緊急支援を必要としています。
セーブ・ザ・チルドレンは、安全な水や食料、シェルターなどの提供に加え、パートナー団体とともに親や養育者と離ればなれになった子どもたちの家族再会支援や、里親家庭の支援、子どもの状況に応じた個別支援 も行っています。また、こどもひろばを開設し、子どもたちが学び、遊びながら、自らのおかれた状況を理解し、対処できるよう支援しているほか、緊急保健医療チームは、性暴力の被害者や、紛争の影響を受けた子どもたちに対して精神保健・心理社会的支援を提供しています。
[1] International Organisation for Migration, 14 April 2021: https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/DTM%20Ethiopia%20Emergency%20Site%20Assessment%20Report%204.pdf
[2]Data from the Ethiopian Bureau of Health, 26 April 2021
[3]OCHA, 19 April 2021:
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/Situation%20Report%20-%20Ethiopia%20-%20Tigray%20Region%20Humanitarian%20Update%20-%2019%20Apr%202021.pdf