緊急支援(公開日:2023.07.14)
【特別企画】海外事業部スタッフ座談会シリーズ:「子どもの保護」の取り組み(後編)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの海外事業部では、「子どもの保護」の分野について、スタッフが集まって、定期的に勉強会を開催したり、事業の振り返りを行ったりしています。
前編 に続き、対話形式で「子どもの保護」の活動内容などを紹介します。
■子どもの保護に関する仕事を通して、特に印象に残った出来事にはどのようなものがありますか。
(藤井)シリア危機の衝突が特に激しかった当時、地上にこどもひろばをつくっても爆撃されるため、地下に学びと遊びのスペースをつくり、危険を間近に感じながら、移動式のこどもひろばを継続的に運営しました。
それでも地下にまで届くような爆撃があり、活動継続が難しくなることもありました。大人たちが巻き起こす紛争に何の罪もない子どもたちをここまで追いやる情勢がとても苦しかったのを覚えています。
日本ではまったくニュースにならず、「重大な人権侵害」の悲惨さを伝えていく責務、国際社会へのアドボカシーの必要性も感じました。
(渡邊)ウガンダの難民居住区でこどもひろばを設置・運営していた際に、「小さい子どもたちも楽しめるように歌を歌う時間をもう少しつくろう」というように、子どもたち自身がアイデアを出して活動を進める様子がとても印象に残っています。
当時はセーブ・ザ・チルドレンに入局して1年ほど経った頃でしたが、活動を進めるにあたってすべてを大人が決めつけていないかと、はっとさせられた瞬間でした。
■今後、「子どもの保護」に関する活動を通して、達成したいことは何ですか。
(宮脇)子どもたちが暴力に晒されない(予防)、起きてしまった場合は適切にサポートが提供される(対応)ための仕組みの構築・環境づくりを通して、子どもたちが家庭内や学校などそれぞれの居場所で、自分らしさを発揮して生き生きと育てるようになるといいなと思います。
災害などの緊急時には、子どもたちが親や養育者と離ればなれにならず、二次被害に遭わないような支援体制の整備を行いたいです。
(渡邊)私も同じく虐待や暴力などから子どもたちが守られる仕組みづくりに取り組んでいきたいです。その根底には、すべての子どもが安心して過ごし、そして「明日はこんなことがしてみたいな」と考えられる日常・環境をつくりたいという思いがあります。
(小山)子どもたちが、自身が晒されているリスクに気づけるような環境づくりと周囲の大人たちが子どもの保護の課題にはどのようなものがあるかを認知して、対応ができるようになる環境づくりに取り組みたいです。
(水野)どんな場面でも、子どもが思いきり遊んだり学んだりできる環境や雰囲気をつくること、そして、子育てに悩む親や養育者が、自分も子どもも大切にしながら、ともに成長できるようになることに貢献できたらと思います。
(藤井)子どもの保護分野の主流化に取り組んでいきたいです。「チャイルドプロテクション」は、「プロテクション」分野を単に子ども分野に特化したもの、という理解がされることもありますが、子どもには個別の状況に配慮しながら大人とは異なるアプローチが必要であることについて、特に支援従事者に広く認知されればと思っています。
また、家庭内での適切な子どもの保護は、親や養育者から暴力を受けている子どもたちにとって、例えば、たたかれるのは自分が悪いからだと思ってしまうなど、子どもたち自身が権利として気づきにくい、特に声を上げにくい分野だと思うため、この「守られる権利」を、すべての子どもたちが知り、かつしっかりと享受できる世界をつくりたいと思います。
(海外事業部 渡邊紗世)
前編 に続き、対話形式で「子どもの保護」の活動内容などを紹介します。
■子どもの保護に関する仕事を通して、特に印象に残った出来事にはどのようなものがありますか。
(藤井)シリア危機の衝突が特に激しかった当時、地上にこどもひろばをつくっても爆撃されるため、地下に学びと遊びのスペースをつくり、危険を間近に感じながら、移動式のこどもひろばを継続的に運営しました。
それでも地下にまで届くような爆撃があり、活動継続が難しくなることもありました。大人たちが巻き起こす紛争に何の罪もない子どもたちをここまで追いやる情勢がとても苦しかったのを覚えています。
日本ではまったくニュースにならず、「重大な人権侵害」の悲惨さを伝えていく責務、国際社会へのアドボカシーの必要性も感じました。
(渡邊)ウガンダの難民居住区でこどもひろばを設置・運営していた際に、「小さい子どもたちも楽しめるように歌を歌う時間をもう少しつくろう」というように、子どもたち自身がアイデアを出して活動を進める様子がとても印象に残っています。
当時はセーブ・ザ・チルドレンに入局して1年ほど経った頃でしたが、活動を進めるにあたってすべてを大人が決めつけていないかと、はっとさせられた瞬間でした。
ウガンダにて、事業についてスタッフと会議をする様子
■今後、「子どもの保護」に関する活動を通して、達成したいことは何ですか。
(宮脇)子どもたちが暴力に晒されない(予防)、起きてしまった場合は適切にサポートが提供される(対応)ための仕組みの構築・環境づくりを通して、子どもたちが家庭内や学校などそれぞれの居場所で、自分らしさを発揮して生き生きと育てるようになるといいなと思います。
災害などの緊急時には、子どもたちが親や養育者と離ればなれにならず、二次被害に遭わないような支援体制の整備を行いたいです。
(渡邊)私も同じく虐待や暴力などから子どもたちが守られる仕組みづくりに取り組んでいきたいです。その根底には、すべての子どもが安心して過ごし、そして「明日はこんなことがしてみたいな」と考えられる日常・環境をつくりたいという思いがあります。
対談をする海外事業部のスタッフの様子
(小山)子どもたちが、自身が晒されているリスクに気づけるような環境づくりと周囲の大人たちが子どもの保護の課題にはどのようなものがあるかを認知して、対応ができるようになる環境づくりに取り組みたいです。
(水野)どんな場面でも、子どもが思いきり遊んだり学んだりできる環境や雰囲気をつくること、そして、子育てに悩む親や養育者が、自分も子どもも大切にしながら、ともに成長できるようになることに貢献できたらと思います。
(藤井)子どもの保護分野の主流化に取り組んでいきたいです。「チャイルドプロテクション」は、「プロテクション」分野を単に子ども分野に特化したもの、という理解がされることもありますが、子どもには個別の状況に配慮しながら大人とは異なるアプローチが必要であることについて、特に支援従事者に広く認知されればと思っています。
また、家庭内での適切な子どもの保護は、親や養育者から暴力を受けている子どもたちにとって、例えば、たたかれるのは自分が悪いからだと思ってしまうなど、子どもたち自身が権利として気づきにくい、特に声を上げにくい分野だと思うため、この「守られる権利」を、すべての子どもたちが知り、かつしっかりと享受できる世界をつくりたいと思います。
(海外事業部 渡邊紗世)