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日本/東日本大震災/子どもの保護
(公開日:2016.01.19)

【岩手:学童(13)】「第3回研修会〜岩手県山田町での取り組み〜」

 

講師の支援センター鈴木貴大氏(左)と佐藤潤氏(右)



12月に岩手県山田町にて、放課後児童支援員等(旧:学童保育指導員、以下学童指導員)を対象にした研修会が自治体とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの共催により開催されました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)では、震災以降、学校再開後の子どもたちの放課後の居場所づくりの一環として放課後児童クラブ(通称:学童保育)に対するサポート事業を行っています。その事業の一つである「学童指導員研修」は、学童指導員が日々の保育に役立つ知識や技術を身に付けることができる機会を提供することを目的としています。本研修は10月に実施した研修に引き続き、第3回目。今回は指導員からの要望の多かった「発達障がい」について、行政担当者が企画し、岩手県社会福祉事業団岩手県立療育センターの方の研修に参加してきました。


◆「発達障がいと関わりのポイント」(指導員14名参加)

今回は2部構成で第1部を同センターの相談支援部職員である鈴木貴大氏、第2部を佐藤潤氏が講師を務めてくださいました。研修前には、講師の方々は学童保育における発達障がいの子どもたちの様子を事前に把握するため、学童保育施設を訪問し、子ども達の様子を聞きとってくれました。このため、当日の研修内容は、学童保育に添った内容となり、受講した学童指導員も、大きく頷く様子がみられ、また質問も飛び交うなど、子ども達を思い浮かべながら聞き入っている様子でした。


<当日の様子>

1部は、発達障がいの基礎知識、障がいの特徴をクイズやプチ体験を交えながら、時には指導員の質問も飛び交い、より分かりやすく、後半は関わりのポイントとしてグッズや対応の仕方など、すぐにでも実践できそうな内容でした。



<プチ体験>


エアクッション(発達障がいを持つ子どもは、机や椅子といっしょに体が揺れると音に集中してしまうこともありますが、このエアクッションに座ることで体を振動させても音がでないという工夫)


発達障害を持つ子どもの中には、「目を見て聞きなさい」というと、視野に相手の目しか入らないことがあります。これを実際学童指導員が体験するため、研修では写真のように小さい穴から相手の目を覗き、目だけが見えることの恐怖を感じることを実感しました。


2部は事前の見学を通しての感想を講師より報告。「一人一人の状況を把握しながら、安全・安心・楽しい空間づくりを指導員が工夫していたと感じた。」工夫していた点のポイントを簡潔に示していて、指導員さんが大きく頷く姿がありました。


学童クラブの子ども達を思い浮かべながら聞き入る指導員



〜参加した指導員の声〜

・「レポート提出から3ヵ月もの月日が経過していることから、状況が変化していることに気付く事が出来改めて成長を感じ、又、対応と反省、改善を考えるきっかけになりました。」

・「パニックがおきた場所が物を置き過ぎ、あまりにも楽しい場所になっていたこともあるので改善していこうと思った。」

・「疑似体験ができ、困りごとを持つ子がどのように感じ、困っているか想像しやすくなりました。」

・障がいを持つ子もそうでない子も少しずつ成長している事は現場で見ていて感じている。“周りは焦らず、焦らせず”という言葉が強く印象に残った。私自身にも言い聞かせながら一緒(子ども達と)に成長していこうと感じた。

・「何か困った時に相談が出来る所があると思うと、安心できます。今回で研修が終わりましたが、充実した研修会だったと思います。役場の担当者の他に研修担当の指導員を決めて相談しながらやっていけば有意義な研修会になるのではないかと思います。」 

 


研修を終えて佐藤潤氏の「“指導員さん自身の≪楽しいな、心地よいな≫も大切にしてください」の言葉に学ぶ大切さと、人と人との繋がりの大切さを感じました。指導員の輪をもっともっと強くして、楽しくやりがいのある職場になるよう心から願っております。


 (報告:遠野事務所 釜台)








 

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