モザンビーク(公開日:2022.10.31)
【モザンビーク 学習支援開始】カーボ・デルガド州の国内避難民とホストコミュニティの子どもたち
モザンビークは2017年に武力紛争が激しくなり、北部のカーボ・デルガド州では、多くの人が、その影響を受けています。武力衝突は現在も続き、カーボ・デルガド州の国内避難民の人数は、住民の3分の1以上にあたる約87万人で、そのうちの52%が子どもです。
モザンビーク北部のカーボ・デルガド州では、中退率が20.8%と北部の他の州と比較して最も高い状況にあります。また、国内避難民の子どものうち避難先の学校へ編入できた子どもの割合は2割以下です¹。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校閉鎖と継続する武力紛争の影響により、約2年間にわたって学校へ通えていない子どもが多く、学習の遅れなどの理由から復学して学びを継続することが困難になっていることが課題です。
こうした状況のなか、カーボ・デルガド州では、国内避難民とホストコミュニティの子ども双方において質の高い教育を受けられること、復学、学習継続支援のニーズがとても高くなっています。
セーブ・ザ・チルドレンは、2022年10月より、カーボ・デルガド州で、学校に通えない国内避難民とホストコミュニティの子どもたちが学校に戻って学習を継続できるようになること、また安心・安全で衛生的な教育環境で学習できるようになることを目指し、次の支援を開始しました。
(1)子どもたちの復学支援
長期にわたって学校に通えない6歳から15歳の子ども6,000人に対し、学習の遅れを取り戻すための代替授業を提供します。
具体的には、能力強化研修を受けたファシリテーターが基本的な読み書きと計算の授業を実施し、参加する子どもたちが質の高い教育を受けられるよう、教材や文具も配布します。授業を修了した後に、子どもたちが公立学校へスムーズに移行できるようサポートします。
また、支援の対象となる子どもは、特に脆弱性の高い子ども、例えば、障害のある子どもや児童労働、搾取や虐待、児童婚などの子どもの保護に関するリスクが高い子どもを含めるようにし、授業には「社会情動的スキル」(感情のコントロールや他者との協働といった非認知スキル)の学習の要素を取り入れることで、心身の健康の向上を目指します。
さらに、必要に応じ補聴器や車いすなどの福祉用具を子どもたちに提供し、個別支援や専門機関にもつなげます。
(2)安心・安全で衛生的な質の高い学習環境へのアクセス向上
子どもたちが学校に戻ったときに、安心・安全な環境で再び学習ができるよう、公立学校3校の校舎や校内の水・衛生設備の修繕をし、国内避難民の増加で不足する教室を補うため一時学習所2ヶ所を設置します。
学校を修繕する際には、子どもや教員、職員にとって安全な環境になるよう、ジェンダーや障害、子どものセーフガーディング(関係者による虐待や搾取など、子どもの権利に反する行為や危険を防止し、安心・安全な活動と運営を目指す組織的取り組み)の視点を取り入れた、水飲み場や手洗い場、トイレ、教室の整備を行います。
具体的には、子どもの身長にあった手すりの設置、子どもに合った段差の階段の設置をするなど、子ども中心の視点やジェンダー、障害に配慮した作りを徹底していきます。
また、教室の不足に対応するために設置する一時学習所となるテントには、机と椅子、黒板などを設置し、修繕する学校同様、子ども中心で、ジェンダーや障害の視点を取り入れた学習環境を整備します。
この事業を通し、カーボ・デルガド州の国内避難民とホストコミュニティの子どもたちが安全な環境で、必要な学習や心理社会的支援を受けながら、安心して学びを継続できるようになることを目指します。そして、地域の人材と協働して活動を進めることで、より効率的かつ効果的に支援を実施します。
本事業は、皆様からのご寄付と、ジャパン・プラットフォームからのご支援により実施しています。
(海外事業部 モザンビーク教育事業担当 佐藤秀美)
¹UNICEF. (2022, April). As Snapshot of the Situation of Children in the North of Mozambique.
モザンビーク北部のカーボ・デルガド州では、中退率が20.8%と北部の他の州と比較して最も高い状況にあります。また、国内避難民の子どものうち避難先の学校へ編入できた子どもの割合は2割以下です¹。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校閉鎖と継続する武力紛争の影響により、約2年間にわたって学校へ通えていない子どもが多く、学習の遅れなどの理由から復学して学びを継続することが困難になっていることが課題です。
こうした状況のなか、カーボ・デルガド州では、国内避難民とホストコミュニティの子ども双方において質の高い教育を受けられること、復学、学習継続支援のニーズがとても高くなっています。
セーブ・ザ・チルドレンは、2022年10月より、カーボ・デルガド州で、学校に通えない国内避難民とホストコミュニティの子どもたちが学校に戻って学習を継続できるようになること、また安心・安全で衛生的な教育環境で学習できるようになることを目指し、次の支援を開始しました。
(1)子どもたちの復学支援
長期にわたって学校に通えない6歳から15歳の子ども6,000人に対し、学習の遅れを取り戻すための代替授業を提供します。
具体的には、能力強化研修を受けたファシリテーターが基本的な読み書きと計算の授業を実施し、参加する子どもたちが質の高い教育を受けられるよう、教材や文具も配布します。授業を修了した後に、子どもたちが公立学校へスムーズに移行できるようサポートします。
また、支援の対象となる子どもは、特に脆弱性の高い子ども、例えば、障害のある子どもや児童労働、搾取や虐待、児童婚などの子どもの保護に関するリスクが高い子どもを含めるようにし、授業には「社会情動的スキル」(感情のコントロールや他者との協働といった非認知スキル)の学習の要素を取り入れることで、心身の健康の向上を目指します。
さらに、必要に応じ補聴器や車いすなどの福祉用具を子どもたちに提供し、個別支援や専門機関にもつなげます。
(2)安心・安全で衛生的な質の高い学習環境へのアクセス向上
子どもたちが学校に戻ったときに、安心・安全な環境で再び学習ができるよう、公立学校3校の校舎や校内の水・衛生設備の修繕をし、国内避難民の増加で不足する教室を補うため一時学習所2ヶ所を設置します。
学校を修繕する際には、子どもや教員、職員にとって安全な環境になるよう、ジェンダーや障害、子どものセーフガーディング(関係者による虐待や搾取など、子どもの権利に反する行為や危険を防止し、安心・安全な活動と運営を目指す組織的取り組み)の視点を取り入れた、水飲み場や手洗い場、トイレ、教室の整備を行います。
具体的には、子どもの身長にあった手すりの設置、子どもに合った段差の階段の設置をするなど、子ども中心の視点やジェンダー、障害に配慮した作りを徹底していきます。
また、教室の不足に対応するために設置する一時学習所となるテントには、机と椅子、黒板などを設置し、修繕する学校同様、子ども中心で、ジェンダーや障害の視点を取り入れた学習環境を整備します。
この事業を通し、カーボ・デルガド州の国内避難民とホストコミュニティの子どもたちが安全な環境で、必要な学習や心理社会的支援を受けながら、安心して学びを継続できるようになることを目指します。そして、地域の人材と協働して活動を進めることで、より効率的かつ効果的に支援を実施します。
本事業は、皆様からのご寄付と、ジャパン・プラットフォームからのご支援により実施しています。
(海外事業部 モザンビーク教育事業担当 佐藤秀美)
¹UNICEF. (2022, April). As Snapshot of the Situation of Children in the North of Mozambique.