日本/地域NPO支援(公開日:2023.03.08)
【学習支援・体験活動サポート】mia forzaと協働し「ひとり親世帯秋冬応援事業」を実施しました
セーブ・ザ・チルドレンでは、普段の生活で多様なまなびや経験の機会を得ることが難しい状況にある子どもたちを対象に、地域で活動するNPO(非営利団体)と協力しながら「学習支援・体験活動サポートプログラム」を行っています。
2022年10月16日から12月30日に、特定非営利活動法人mia forzaと協働で「ひとり親世帯秋冬応援事業」を実施しました。
mia forzaは、宮城県仙台市を拠点に、シングルマザーとその子どもたちを支援している団体です。その活動は、子どもの居場所やフードパントリーの運営から、女性や子どもを支える人材育成まで多岐にわたっています。
今回の「ひとり親世帯秋冬応援事業」では年末年始にかけて、子どもたちを対象とした七ヶ宿町への遠足のほか、職業人講話とクリスマス会、お正月食材などの提供、年賀状送付を行いました。子どもと大人合わせて、のべ197人の参加者がありました。
11月6日の遠足では、子どもたちは、日常生活でなかなか体験できないまき割りや陶芸をしました。陶芸で、動物の造形を細部まで忠実に再現した作品を作った小学生は、周りの人から声をかけられ、とてもうれしそうにしていました。
また、保護者からは、「子どもが遠足に行っている時間に、ゆっくり美容室に行くことができました」、「ひとりで家でのんびり過ごすことができました。帰ってきた子どもの話を余裕を持って聞いてあげることができました」といった声があがりました。
12月25日の職業人講話とクリスマス会では、人気漫画の編集担当者をゲストに迎えました。この活動で目指したことは、普段の生活の中ではなかなか出会えない職業人と出会い、多様な視点・価値観に触れることで、将来の仕事だけではなく、暮らしや生き方を考える・選択する際の幅を広げていくことです。
目の前で話している人が作った本を見て、子どもたちは学校や家庭生活では出会えない人と会い、話を聞けたことに興奮した様子でした。
最後に、年末年始にかけて食材の送付、また年末にこれまで年賀状を受け取ったことのない子どもたちなどに年賀状の郵送を行いました。現在、すでに直面している困難に加え、新型コロナウイルス感染症流行下や物価高により、さらに厳しい状況にある家庭が多くあります。
「年末年始は子どもと過ごしたかったけど、家計が厳しくアルバイトをすることにしました」と話す保護者もいる中で、お正月食材などを提供することで、家計の負担緩和だけではなく、保護者の心身の負担の緩和にもつながったと考えます。
今回の活動の対象者には、経済的困難、DV(ドメスティックバイオレンス)、ヤングケアラーなど幾重の問題に悩む家庭もありました。このような課題に向き合うには、息の長い支援が必要です。
今回の活動で出会った子どもや保護者の状況からも、mia forzaのような地域に根差した団体が、継続的にさまざまな角度から支援を続けることがとても大切だと改めて認識しました。
セーブ・ザ・チルドレンでは、事業で連携するパートナー団体の皆さんとともに「子どものセーフガーディング」の取り組みを進めており、関連する研修も実施しています。
今回の活動をリードしたmia forzaのスタッフは、「この研修を受けたことで、子どもの権利を守ることを団体の中心課題に据えることができた。また、子どもへの対応の仕方を相談し、動ける仕組みができたので、素早く対処できる」と話していました。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが生活環境などに左右されることなくまなびや体験の機会を得られるよう、今後も活動を続けていきます。
■この事業は、感染症の専門家の助言にもとづいた感染予防対策を行った上で実施しました。
(国内事業部 庄司洋加)