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中国
(公開日:2013.10.16)

中国四川地震(2013)子どもたちの心のケアを行っています!(2013.10.16)

 

前回のブログ記事では、被災した子どもたちとその家族が少しでも安心して避難生活を送れるよう、充電式ランプの配布を通じた緊急支援活動をお伝えしました。今回は、その後セーブ・ザ・チルドレンが力を入れて行っている、被災した幼稚園への支援活動をお伝えします。


 


 


震災直後より小学校や中学校に対しては政府からの支援がいち早く届き、授業の再開がスムーズになされました。一方で、幼稚園には、義務教育ではないということもあって、十分な支援が届きませんでした。地震から数カ月たっても、ほとんどの幼稚園では、建物が倒壊したまま、仮園舎やテントで授業を再開していたり、教室備品等もそろえられず閉園したままになっていたりしました。


↑地震により大きな罅(ひび)が入ってしまった幼稚園の壁。この建物は使用できなくなり、現在は近くの仮園舎で園活動を行っています。



園児たちには、不安定な被災生活が続く中、一人でいることへの強い恐怖感や食欲の減退、行動化(抑圧された衝動や葛藤が、問題行動となって表れてくること)といった症状が現れていました。そのような子どもたちにとって、幼稚園は、園での活動を通じて子どもたちが平常時の感覚を取り戻すことを助け、心理社会的ケアを提供できる非常に重要な場となります。


このような状況に対応するため、セーブ・ザ・チルドレンは幼稚園の再開を助け、心理社会的ケアの活動にも使える備品を配布することにしました。さらに、幼稚園で心理社会的ケアが実施できるように、「ハート(HEART: Healing and Education through Art)プログラム/芸術を通じた癒しと教育プログラム」を導入し、幼稚園の先生たちやソーシャルワーカーに対する研修を実施しました


被災した幼稚園へ配布したキット


特に被害の大きかった四川省雅安市内の44幼稚園に対して配布したのは、お絵かきなどに使う道具をはじめ、簡単な楽器やダンスに使う道具です。道具を受け取った幼稚園の先生からは、「幼稚園には支援が届いておらず、子どもたちが安心して遊びに使える道具が大変不足していたので、セーブ・ザ・チルドレンからの支援にはとても感謝しています」という声が聞かれました。



ハートプログラムでは、子どもたちが震災で受けたトラウマ的体験を克服し、更に運動神経や色彩に関する知識、問題解決能力などの基本的スキルを身につけることを目指しています。研修では幼稚園の先生たちが、どのようにプログラムを幼稚園での活動に取り入れていけるか、実務研修を交えてその手法を学びました。


ハートプログラムの研修を受ける幼稚園の教員の様子



研修を受けた教員が園で活動を実施する様子


訪問した幼稚園では、子どもたちが大はしゃぎで、配布された紙とペンを使用したゲームを楽しんでいました。今後も教員に対する研修を数回に分けて実施し、更に多くの子どもたちが一刻も早く震災の傷跡から立ち直ることを目指していきます。



子どもたちが二人1組で一人が先生役、一人が生徒役となり、先生の描いた跡を生徒がなぞっていく追いかけっこゲームをしている様子。


本事業の物資配布活動は、ジャパン・プラットフォームの助成と皆さまからのご支援により実施しています。

(報告: 中国担当 清水 梢)


当事業は、2013年10月をもちまして終了いたしました。セーブ・ザ・チルドレンでは、中国での子ども支援活動を継続して実施しています。詳しくは、グローバルサイトをご覧ください。




 

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