緊急支援(公開日:2025.04.03)
援助資金削減によりセーブ・ザ・チルドレンが支援する180万人の子どもたちの教育が中断
コンゴ民主共和国からシリア、タンザニアまで20ヶ国以上でセーブ・ザ・チルドレンの教育プログラムに影響を及ぼす援助資金の削減により、180万人以上の子どもたちが学習の機会を失っています。
タンザニアでは、削減により5万人以上の子どもたちの教育が中断、あるいは完全に停止する危機に直面しており、同国北西部の難民キャンプの校長の1人は、これが子どもたちに「悲痛な結果」をもたらしていると語ります。
イサック校長は、援助資金の削減により子どもたちは無料でノートをもらえなくなり、女子生徒は通学に必要な生理用ナプキンを入手できないため、学校の出席率、中退率、学業成績が悪化していると述べます。
ブルンジからの難民でイサックさんが校長を務める学校の生徒であるマリアさん(16歳)は、「勉強したいし、医者になりたいです。ですが、適切な教材や文房具などがなくて、戦いに負けているような気がします。テストがあっても、ノートを持っていない人が多いので、テストを受けられるのはほんの数人だけです。不公平に感じるけれど、私たちに何ができるでしょうか」と語ります。
タンザニアは、各国政府の対外援助資金削減により、セーブ・ザ・チルドレンの教育プログラムが影響を受ける20ヶ国のうちの1つです。2024年、セーブ・ザ・チルドレンの教育プログラムは、紛争、気候変動、その他の危機に直面している子どもたちを含む、60ヶ国の760万人以上の子どもたちに直接届けてきました。
サベラさん(14歳)は、2017年に家族とともにミャンマーから逃れて以来、バングラデシュのコックスバザールにある人口過密状態のキャンプで暮らす100万人以上のロヒンギャ難民の一人です。彼女が通っていたセーブ・ザ・チルドレンが支援する学習センターは援助資金の削減によって閉鎖されました。これは、コックスバザール難民キャンプとホストコミュニティの2,400人以上の子どもたちの教育に影響を及ぼしています。
サベラさんはこう語ります。「私は授業で勉強したり学んだりするのが好きでした。突然、学習センターが閉鎖されることを知り、誰かが私から自由と幸せを奪い去ったように感じました。今の学年を終えたら、次のクラスに進級して全く新しい世界が開けると思っていたのに、その夢はもう消えてしまいました。」
コンゴ民主共和国では、紛争で荒廃した南キブ州の2万1,300人以上の子どもたちが、学習教材の提供や教員研修中止の影響を受けています。シリアのアルホル難民キャンプでは、セーブ・ザ・チルドレンの2つの臨時学習スペース閉鎖により、児童労働や暴力にさらされている640人の子どもたちの、安全な教育とメンタルヘルスサポートを受ける場所が奪われてしまいました。
セーブ・ザ・チルドレンの分析によると、教育分野全体では、米国のグローバル教育向け資金10億米ドル超のうち、わずか720万米ドルしか残らない可能性がある[1]一方、英国による資金削減により、教育への資金は2019年の水準から実質的に少なくとも73%減少する可能性があります。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの教育ディレクター、スーザン・ニコライは次のように語ります。
「すべての子どもには教育を受ける権利があり、教育予算の削減は、子どもたちの人生を変える最も強力な手段の一つを奪い去る恐れがあります。危機的状況では、これまで以上に多くの子どもたちが命を救う支援を必要としており、緊急下の教育はまさに命を救うものです。子どもたちを安全な空間で守り、安心感を与えるとともに、不発弾から身を守る方法や病気の蔓延を防ぐ方法など、命を守るための学びも提供します。対外援助は希望、平和、そしてより良い未来への道を築くことであり、教育は『長期的な取り組み』の典型です。私たちは、今後何年にもわたって地域社会や家族に影響を及ぼすことになる、学習と発達の後退の始まりを目の当たりにしています。」
世界銀行のデータによると、現在、小学生の約4億人、つまり小学生の約半数が読み書きができず、3歳から6歳の子どもの半数以上が就学前教育を受けることができていません[2] 。
人道危機や紛争の現場ではセーブ・ザ・チルドレンが唯一教育支援を実施していることが多く、状況はさらに悪化しています。難民キャンプや避難民キャンプの子どもたちは、学校に通うことができないだけでなく、食料やメンタルヘルスサポート、安全な居場所といった重要な支援も失うことになります。子どもたちや保護者、養育者は、危機的状況においても教育が最優先事項であると繰り返し訴えています[3] 。
セーブ・ザ・チルドレンは、世界の指導者、パートナー、そしてすべての支援者に対し、子どもたちとその将来に財政的に投資するよう呼びかけています。人道支援・援助セクターは、昨今の急な援助資金削減の決定により、大きく変わることになるでしょう。しかしセーブ・ザ・チルドレンは、世界の指導者、組織、市民社会と協力してシステムを改革し、最も支援を必要とする人々を支援するための、より公平で安定した世界的資金調達システムの構築に貢献することに尽力しています。
災害や人道危機から子どもたちの命と未来を守るためのセーブ・ザ・チルドレンの活動へのご支援をお願いします。「いのち・みらい貯金箱」へのご寄付はこちら
<いのち・みらい貯金箱>
セーブ・ザ・チルドレンは、国内外の緊急・人道支援の最前線で、保健医療、食料やこころのケアなど幅広い支援を提供し、子どもたちの命と未来を守るために活動しています。「いのち・みらい貯金箱」は、緊急支援が必要な地で迅速に支援を行うための資金です。世界各地の自然災害や人道危機における支援に役立てられます。
タンザニアでは、削減により5万人以上の子どもたちの教育が中断、あるいは完全に停止する危機に直面しており、同国北西部の難民キャンプの校長の1人は、これが子どもたちに「悲痛な結果」をもたらしていると語ります。
イサック校長は、援助資金の削減により子どもたちは無料でノートをもらえなくなり、女子生徒は通学に必要な生理用ナプキンを入手できないため、学校の出席率、中退率、学業成績が悪化していると述べます。
ブルンジからの難民でイサックさんが校長を務める学校の生徒であるマリアさん(16歳)は、「勉強したいし、医者になりたいです。ですが、適切な教材や文房具などがなくて、戦いに負けているような気がします。テストがあっても、ノートを持っていない人が多いので、テストを受けられるのはほんの数人だけです。不公平に感じるけれど、私たちに何ができるでしょうか」と語ります。
タンザニアは、各国政府の対外援助資金削減により、セーブ・ザ・チルドレンの教育プログラムが影響を受ける20ヶ国のうちの1つです。2024年、セーブ・ザ・チルドレンの教育プログラムは、紛争、気候変動、その他の危機に直面している子どもたちを含む、60ヶ国の760万人以上の子どもたちに直接届けてきました。
サベラさん(14歳)は、2017年に家族とともにミャンマーから逃れて以来、バングラデシュのコックスバザールにある人口過密状態のキャンプで暮らす100万人以上のロヒンギャ難民の一人です。彼女が通っていたセーブ・ザ・チルドレンが支援する学習センターは援助資金の削減によって閉鎖されました。これは、コックスバザール難民キャンプとホストコミュニティの2,400人以上の子どもたちの教育に影響を及ぼしています。
サベラさんはこう語ります。「私は授業で勉強したり学んだりするのが好きでした。突然、学習センターが閉鎖されることを知り、誰かが私から自由と幸せを奪い去ったように感じました。今の学年を終えたら、次のクラスに進級して全く新しい世界が開けると思っていたのに、その夢はもう消えてしまいました。」
コンゴ民主共和国では、紛争で荒廃した南キブ州の2万1,300人以上の子どもたちが、学習教材の提供や教員研修中止の影響を受けています。シリアのアルホル難民キャンプでは、セーブ・ザ・チルドレンの2つの臨時学習スペース閉鎖により、児童労働や暴力にさらされている640人の子どもたちの、安全な教育とメンタルヘルスサポートを受ける場所が奪われてしまいました。
セーブ・ザ・チルドレンの分析によると、教育分野全体では、米国のグローバル教育向け資金10億米ドル超のうち、わずか720万米ドルしか残らない可能性がある[1]一方、英国による資金削減により、教育への資金は2019年の水準から実質的に少なくとも73%減少する可能性があります。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの教育ディレクター、スーザン・ニコライは次のように語ります。
「すべての子どもには教育を受ける権利があり、教育予算の削減は、子どもたちの人生を変える最も強力な手段の一つを奪い去る恐れがあります。危機的状況では、これまで以上に多くの子どもたちが命を救う支援を必要としており、緊急下の教育はまさに命を救うものです。子どもたちを安全な空間で守り、安心感を与えるとともに、不発弾から身を守る方法や病気の蔓延を防ぐ方法など、命を守るための学びも提供します。対外援助は希望、平和、そしてより良い未来への道を築くことであり、教育は『長期的な取り組み』の典型です。私たちは、今後何年にもわたって地域社会や家族に影響を及ぼすことになる、学習と発達の後退の始まりを目の当たりにしています。」
世界銀行のデータによると、現在、小学生の約4億人、つまり小学生の約半数が読み書きができず、3歳から6歳の子どもの半数以上が就学前教育を受けることができていません[2] 。
人道危機や紛争の現場ではセーブ・ザ・チルドレンが唯一教育支援を実施していることが多く、状況はさらに悪化しています。難民キャンプや避難民キャンプの子どもたちは、学校に通うことができないだけでなく、食料やメンタルヘルスサポート、安全な居場所といった重要な支援も失うことになります。子どもたちや保護者、養育者は、危機的状況においても教育が最優先事項であると繰り返し訴えています[3] 。
セーブ・ザ・チルドレンは、世界の指導者、パートナー、そしてすべての支援者に対し、子どもたちとその将来に財政的に投資するよう呼びかけています。人道支援・援助セクターは、昨今の急な援助資金削減の決定により、大きく変わることになるでしょう。しかしセーブ・ザ・チルドレンは、世界の指導者、組織、市民社会と協力してシステムを改革し、最も支援を必要とする人々を支援するための、より公平で安定した世界的資金調達システムの構築に貢献することに尽力しています。
災害や人道危機から子どもたちの命と未来を守るためのセーブ・ザ・チルドレンの活動へのご支援をお願いします。「いのち・みらい貯金箱」へのご寄付はこちら
<いのち・みらい貯金箱>
セーブ・ザ・チルドレンは、国内外の緊急・人道支援の最前線で、保健医療、食料やこころのケアなど幅広い支援を提供し、子どもたちの命と未来を守るために活動しています。「いのち・みらい貯金箱」は、緊急支援が必要な地で迅速に支援を行うための資金です。世界各地の自然災害や人道危機における支援に役立てられます。
脚注
[1] https://www.cgdev.org/blog/new-estimates-usaid-cuts
[2] https://www.savethechildren.net/news/global-goals-two-5-children-starting-school-won-t-be-able-read-age-10-unless-world-leaders-take
[3] https://resourcecentre.savethechildren.net/document/education-against-odds-meeting-marginalised-childrens-demands-quality-education/