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中南米
(公開日:2026.07.13)

【ベネズエラ大地震】発災から2週間「わずかな物音にも身をすくめてしまう」― 子どもたちのこころの健康状態の危機

 
カラカス、2026年7月9日 ―ベネズエラで先月発生した壊滅的な地震のあと、子どもたちのこころの健康状態が懸念されています。保護者や心理学者によると、子どもたちが些細な物音にも過敏に反応し、不眠に悩まされるほか、いら立ちや攻撃的な行動が増えていると報告しています。このような強いストレスを伴う経験をした子どもたちには、ストレスによる好ましくない行動変化が生じており、回復するための支援が必要であると、セーブ・ザ・チルドレンは述べています。




こどもひろばでチェスをして遊ぶ子どもたち

セーブ・ザ・チルドレンは被災地域内に、子どもたちのための安心・安全な居場所(こどもひろば)を設置しました。子どもたちはそこで遊びながら日常性を取り戻し、レジリエンス(回復力)を強めることができます。また、より深刻な心理社会的ストレスや安全上の懸念がないか確認をし、必要に応じて支援につなげています。

これらの居場所で活動するカウンセラーによると、一部の子どもたちは怒りを含む深刻な精神的ストレスの兆候を示しており、7歳や8歳ほどの幼い子どもたちでさえ、自分たちの将来について不安を口にしています。また一部の保護者は、子どもたちが地面の亀裂を見ると不安になり、また夜眠れず、雷鳴のような大きな音を聞くと身をすくめてしまう子どももいると、スタッフに伝えています。

さらに年長の子どもたちの中には、自分自身も深い恐怖を感じながら避難するなかで、年下の家族を守ったり助けたりしなければならなかったと、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフに語った子どももいました。こうした体験による不安や緊張は、地震後もなお続いています。

ベネズエラで2週間前に発生した地震により、約68万人の子どもを含む約180万人が被災しました。多くの人々は、友人や家族が目の前で亡くなるのを目の当たりにしました。国連やNGOは、被災者にとって重要な直面しているニーズの一つとして、精神保健・心理社会的支援を挙げています[1]。

セーブ・ザ・チルドレンは、今回の地震のような深刻な体験をした子どもたちは、早期に適切な精神保健・心理社会的支援を受けられなければ、その心理的影響が、数ヶ月から場合によっては数年にわたって、続くおそれがあると指摘しています。



デイジーさんとユスマリーさん

デイジーさん(2歳)* は、カラカスの自宅で両親と一緒にいた時に地震が起きました。地震後、食事をしなくなったため、母親のユスマリーさん(24歳) * は、現地パートナー団体とともに運営するセーブ・ザ・チルドレンの移動式クリニックへ娘を連れて行きました。ユスマリーさんによると、デイジーさんは今では安心感を得るために母乳を欲しがるようになり、とても空腹な時に固形食を数口しか食べなくなったといいます。

ユスマリーさんはこう話します。「地震の前は、デイジーは普通にちゃんと食べていました。でも地震の後、こうなってしまったのです。床のひび割れを見ると泣き叫び始めます。そして私を呼んで、『ママ、床を見て!』と言うのです。」

セーブ・ザ・チルドレンで働く心理士のイサベル*は次のように話します。
「子どもたちが遊んだり支援を受けるために来る私たちの「こどもひろば」では、将来に不安を抱えている子どもたちが見られます。『両親は家を持つために一生懸命働いたのに、今は何も残っていない』といったことを私たちに話してくれます。7歳や8歳の子どもたちでさえ、自分たちの生活再建について深く心配しています。

私たちが運営するこどもひろばは、安心・安全な居場所で、子どもたちが安心して自分の思いや気持ちを表現できる場所です。こうした場は、子どもたちのこころの回復を支えるうえで欠かせません。一部の子どもたちは、保護者や養育者が動揺し、悲しみや不安を抱えている姿を見ているため、自分自身の恐怖や不安を家庭では打ち明けにくいと私たちに話しているからです。」

セーブ・ザ・チルドレン・ベネズエラ事務所のカントリー・ディレクター、ファティマ・アンドラカは次のように述べています。
「ベネズエラの多くの子どもたちは、本来どんな子どもも目にするべきではない非常に悲惨な出来事を経験しました。友人や家族が目の前で亡くなるのを目撃した子どももいれば、大切な人の行方や安否が分からないまま不安の中で暮らしている子どももいます。何千人もの子どもたちが路上のテントで避難生活を送っており、それまでの日常や安心感が奪われてしまいました。

子どもたちにとって、安心・安全に守られることと精神保健・心理社会的支援は緊急の優先事項です。多くの人々が亡くなり、負傷し、行方不明となり、多くの家族が住まいを失った中で、この壊滅的な災害が長期的な精神的ダメージを引き起こさないように、子どもたちへの即時的かつ長期的な支援の両方が必要です。適切な支援があれば、地震によって心理的な影響を受けた子どもたちの大半は、やがて回復することができるでしょう。」

セーブ・ザ・チルドレンはベネズエラで活動を続けており、当局や地域パートナー団体と連携しながら支援を行っています。移動式クリニックを通じた基礎医療サービスの提供に加え、衛生キットやシェルター、清潔な水、その他の生活必需品を配布しています。
また、学校が閉鎖されている間も子どもたちが学び続けられるよう、精神保健・心理社会的支援を受けられる安心・安全な居場所を運営しています。さらに、より専門的な支援が必要な子どもたちについては、個別支援へとつなげています。

セーブ・ザ・チルドレンは、ベネズエラの子どもと家族が直面する緊急の課題に対応するために現地で活動する、独立した中立・公平な子ども支援団体です。セーブ・ザ・チルドレンは2019年からベネズエラで活動しています。
数年前から人道危機が急速に悪化するなか、現地パートナーとの連携を強化し、支援を必要とする子どもたちへの対応を拡大してきました。現在は保健・栄養、教育、子どもの安心・安全を守る活動、シェルター、水、衛生、食料安全保障、生計支援など幅広い分野で活動しています。


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*プライバシー保護のため名前は変更されています

【脚注など】
[1] https://reliefweb.int/report/venezuela-bolivarian-republic/venezuela-protection-situation-update-3-earthquake-response 








 

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