南スーダン(公開日:2010.10.04)
南スーダン事業地・カポエタのご紹介(2010.10.4)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、現在、南スーダンで保健・栄養改善事業(JPF助成事業)の立ち上げを行っています。9月からプロジェクトが始まり、現在は、職員のリクルート、物資・備品の調達を進めています。事業地は、南スーダンの中心都市ジュバがある中央エクアトリア州の東隣、東エクアトリア州にあります。今回は、事業開始にあたり、事業地の様子を写真とともに簡単にご紹介したいと思います。
タポサ族
事業地であるカポエタ北郡地域に住んでいるのは、遊牧民であるタポサ族と呼ばれる人々です。かれらは血縁関係のある親族とともに柵で囲まれた集落に住んでいます。家は、主に木でできており、家族ごとに暮らしています。一つの家には、台所や寝室、高床式の物置などがあります。
空から見た集落の様子: 一つ一つの集落は、柵で囲まれています
集落の入口(カポエタ・ノース郡の集落にて)
集落の中の様子
集落に住む家族の写真
タポサ族はとてもお洒落。さまざまな色のビーズでつくったカラフルな首飾り、頭飾り、ピアス、ブレスレット、ベルトなどを身につけて、男性も女性も、それぞれにお洒落を楽しんでいるようです。女性たちは、色とりどりの布を合わせたプリーツスカートをはき、そのうえにさらに布を一枚まといます。
タポサ族の女の子
伝統衣装をまとった結婚式帰りの女性たち: さまざまなアクセサリーで身をまといます
(カポエタ事務所近くで)
タポサ族は牛やヤギの放牧で生計を立てています。カポエタの町を出ると、牛やヤギがあちこちで群れをなし、タポサ族の男性たちが、牛追い、そして見張り番をしています。女性たちは、水や薪、ソルガム(モロコシ)で作ったお酒など、頭の上に載せて運びます。子どもたちの面倒も女性たちが主に見ています。
集落(モシンゴという集落にて)
タポサ族の人々が放牧している牛
女性と子どもたち(ロメイヤェンという集落にて)
カポエタ・タウン
カポエタ事務所から一番近い町は、カポエタ・サウス郡にあるカポエタ・タウン。町の真ん中には大きな市場があります。事業で必要な備品を購入する雑貨屋、食料店、美容室、電気屋、車の修理屋、洋服店、さらには、インターネット・カフェもあります。喫茶店は、なぜだかホテルと呼ばれています。その前にある大きな広場では、たくさんの女性たちが野菜や果物、卵など、いろいろな食べ物をシートの上に広げて売っていて、賑やかに活気づいています。彼らの多くはケニアから物売りに来ているということです。
カポエタ・タウンの市場(ケニアから来た女性)
カポエタ・タウン町中のマーケット1
カポエタ・タウン町中のマーケット2
この地域で、一番の問題は水です。日本では、綺麗な水をいつでも手に入ることができますが、南スーダンでは、綺麗な水を手に入れることはとても大変なことです。現在、日本のNGOを含む、多くの支援団体が入り、井戸の建設事業をあちこちで行っていますが、特に東エクアトリア州の場合、地質が粘土質で水が吸収されにくく、雨が降ると、あちこちで水たまりができてしまい、車で移動することも難しくなってしまいます。近くの山で雨が降ると一気に水が流れ込んできて、大きな川になる場所もあります。しかし、2〜3時間もすれば、この川は消えてしまうそうです。
雨が降ると川になる場所
カポエタ・タウンに設置されている電柱
(近くに発電所が建設中)
セーブ・ザ・チルドレンのカポエタ事務所
中心都市ジュバからカポエタへは、空路で1時間20分、事業の拠点となるセーブ・ザ・チルドレン・カポエタ事務所は、カポエタの町から1時間ほど車を走らせた場所にあります。職員はそれぞれに住居用テント、もしくは伝統的な作りの家屋に生活しています。
住居のあるコンパウンドでは、電気は発電機でおこし、水は近くの井戸から汲んできています。発電機は朝8時から夜11時まで、途中、昼と夕方に1時間ほど、装置を休ませるために、発電機を止めます。夜11時を過ぎると、電気のない、真っ暗な夜が始まります。ライトがない分、夜は満天の星がとても綺麗に光り輝いて見えます。
カポエタ事務所
宿泊用テント
このカポエタ事務所から、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの事業を展開していきます。事業はまだまだ始まったばかり。子どもたちの栄養不足を解消し、少しでもコミュニティの役に立ちたいという思いで活動しています。日本から、温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
この事業はジャパン・プラットフォームの支援により実施されています。
JPFスーダン南部HP: http://www.japanplatform.org/area_works/sudan/new-south.html