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スリランカ
(公開日:2013.04.23)

スリランカ北部の本格的な復興を目指して (2013.04.23)

 
2009年5月に北部で続いていた内戦が終了してから、今年で4年が経ちます。
この間、内戦で逃れた人々は避難先からようやく故郷に帰ることが出来ました。しかし、帰った故郷で待ち構えていたのはゼロから立ち上げなければならない生活でした。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は2012年9月から、前期に引き続き、ムライティブ県とマナール県において帰還した人々に対する生計支援を実施しました。


漁業を生計とする人に対し、カヌーを支援

今回は、昨年度にようやく帰還が出来たばかりの世帯の中で、住居や生計手段を持たず、帰還後の生活に大きな困難を抱えている世帯、なかでも脆弱層といわれる寡婦世帯、障がい者世帯、子どもの数が多い家庭などを中心に支援を行いました。支援地はムライティブ県の2つの郡の3つの村、そしてマナール県の1つの郡の3つの村になります。

今回の支援では、336世帯をサポートすることが出来ました。作物栽培では、土地の準備や種子の提供だけでなく、裨益者が支援後すぐに活動を始められるよう、水汲みポンプや噴霧器、フェンスなども提供しています。家禽や家畜の飼育では、コミュニティが中心となって鶏や山羊を飼育する小屋を設置しました。また、これらの生計活動の支援に加え、今期は本屋や印刷、携帯電話修理、魚売りといったサービスの提供を希望する世帯にも支援を行いました。今後は裨益者がコミュニティと協力して、各自の生計活動が軌道に乗るように活動を行うことで、復興に向けて自立していくことになります。

これらの支援はコミュニティの自治組織を通じて行いましたが、今期の事業が北部における緊急支援事業として最終期にあたることから、事業終了後もコミュニティが引き続き自ら生計活動を維持し、持続的に生活再建していける能力を身に付けることがより重要になります。そのため、これまで以上に自治組織への能力向上を支援し、コミュニティ復興のための諸活動を続けていく上で必要となる組織的な経営運営能力強化を図りました。
具体的には、弊会の生計支援スタッフが講師となって、自治組織メンバーに対して資金運用・管理方法など組織的な経営能力を身に付けるための、経営能力研修を実施しました。また、実際の各生計活動の技術的な知識を強化するために、生計支援スタッフ、また、行政の担当官により、技術研修を実施しました。


コミュニティでの事業の説明

SCJは2009年3月より、これまで約4年間北部において支援を届けてきました。
当初は反武装勢力が支配する地域から逃げてきた人々に対する衛生キットや衣服の配布、避難民キャンプに設置した臨時学習所や子ども広場での支援が中心でした。その後、避難していた人々が故郷へと帰還を果たすにつれて、帰還先での仮設住居の建設と生計支援の提供を行って来ました。

約4年間に支援した裨益者は、初期の生活物資や食料配布、臨時学習所や子ども広場に参加した数が155,326名、帰還後の生計支援や仮設住居建設を受けた世帯が3,271世帯に及び、北部州のジャフナ県を除くすべての県(キリノッチ、ムラティブ、ワウニア、マナー)で支援を届けました。

SCJの北部支援はジャパン・プラットフォーム(JPF)のスリランカ北部人道支援事業プログラムの支援を受けて実施しましたが、JPF全体では期間を通じ、8団体を通じて計13億5千万円を超える支援を行っています。


事業地の子どもたち

このプログラムは今期で終了し、今後は各団体が持つ強みや資源を利用して引き続き、スリランカ北部の復興に寄与していきます。SCJも子どもたちの未来を切り拓く支援を行ってまいります。引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
(報告:海外事業部 利川)


 

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