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スリランカ
(公開日:2009.05.19)

厳しい状況の北部でも活動開始(2009.05.19)

 

【東部に引き続き、北部でも支援活動を開始】

スリランカでは政府軍と分離独立を掲げるタミル人武装組織(LTTE)との間で国の東部と北部を中心に20年以上内戦が続いており、これまでに6万人の犠牲者、120万人を超える難民が出ていると言われています。

【東部の子どもたちと大人に希望が戻ってきました】
整備された早期幼児発達センターで遊ぶ子どもたち(東部)東部は2007年7月に政府軍が制圧し、避難していた人々の帰還とともに地域の復興が徐々に始まっていますが、内戦で破壊された村々で人々は依然厳しい生活を強いられています。

避難生活の経験からトラウマを抱える子ども、疲弊した農村で栄養失調になっている子どもも少なくありません。

内戦の影響を受けた子どもたちの支援のため、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、08年6月から10月まで、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、再定住の進む東部のトリンコマレにおいて緊急教育支援事業を実施しました。

食糧・文具の提供や、教育施設の修復とともに重要視したのは、保護者や教員、地域リーダーたちの意識を変えることです。子どもの安全や保護についての研修を
実施し、子どもの教育に無関心だった保護者や地域住民たちも、研修を通じて責任感が芽生えてきました。「もうこれ以上、子どもたちの不安な顔は見たくな
い」「自分たちで子どもを守り、育てていきたい」といった声が聞かれるようになりました。SCJは今後も東部での活動を続けていく予定です。

【北部では厳しい状態が続いています】
難民キャンプの様子(北部)その一方で北部では今なお激しい戦闘が続いており、すでに19万人を超える人々があらたな避難民となり、今年だけで6,000以上の死者、14万人以上の負傷者が出ています。

激しい砲撃をかいくぐるようにして避難民キャンプにたどり着いた人々のなかには、何日も食べ物を口にできず栄養失調や脱水症状で危篤状態となったり、命を落とす人もいます。

また両親と離れ離れになったり、悲惨な状況を目撃して心にトラウマを抱えている子どもたちも増えています。 避難民はキャンプの外に自由に出ることができず、キャンプのなかでは食糧や水、医療サービス等へのアクセスが限られており、衛生状態も急速に悪化しています。

また、4月下旬から「安全地帯(No-Fire
Zone)」に隣接するLTTE支配地域に対して政府軍が大規模攻撃を始めたことをきっかけに、北部からの避難民が堰を切ったように政府地域(ワウニアお
よびジャフナ)に流出しており、5月12日までに178,523人の避難民がワウニア周辺のキャンプに到着しています。スリランカ政府ならびに人道支援団
体の対応能力をはるかに凌ぐ規模の避難民流出が続いた結果、多くの避難民キャンプで衛生環境の悪化、シェルターや水、食糧、医療品の不足が問題化してお
り、キャンプ内にいる避難民の健康状態の悪化や5歳以下の子どもの栄養失調が報告されています。

【SCJは子どもたちを守るための活動を展開しています】
こうした深刻な状況の中、SCJはジャパン・プラットフォームの助成を受けて、避難民の子どもたちに対する栄養補助食7,500人分、当面のキャンプに必要
な生活必需品(衣服や下着などの基本生活物資7,550人分、石鹸等の衛生キット22,800人分、浄水フィルターなど)の緊急支援を実施しています。ま
たワウニア周辺では多くの学校が避難所として使用されており、地域の学校教育の継続が困難となっていることから、15の仮設学校を設置し(1校あたり
200名収容)、子どもたちが以前と同様に学校へ通えるよう支援を行っています。

SCJは緊急支援活動を実施していますこのような紛争でもっとも苦しむのは子どもたちです。子どもたちが一日も早く安全な生活に戻り、未来への希望を取り戻せるよう、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは緊急支援活動を続けます。





 

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