アフリカ(公開日:2020.04.30)
新型コロナウイルス感染症 西アフリカで5,000万人が深刻な食料不足の危機に直面
西アフリカ諸国経済共同体 (ECOWAS) は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、この6月から8月の間に、食料危機や栄養不良に陥る危険のある人は1,700万人から5,000万人に増加すると予測しています。
4月23日から始まったラマダン(イスラム教の断食の月)を前に、8つの地域機構や国際機関は、新型コロナウイルス感染症と作物の収穫量が減る時期、紛争や情勢不安が重なり、ラマダン期の西アフリカ諸国の人々に大きな影響が及ぶと警鐘を鳴らします。なかでも食料生産者は、生産活動の継続に苦労し、生計が脅かされています。食料不足と栄養不良が現実の脅威とならないよう、最も脆弱な人々を守り、食料の安定生産に向けた施策が求められています。
各国政府はさまざまな対策を講じたにもかかわらず、この地域の主要都市と地方では、価格の急騰や、生活必需品の品薄のほか、特定の地域では感染症対策として行った外出禁止、国境封鎖、情勢不安によって、食料市場へのアクセスが難しくなっています。
このような状況について、ブルキナファソの、サヘル・サバンナ地域家畜協会(APESS) 会長アマドゥ・ハマドウン・ディコ氏は次のように訴えます。
「数日間のうちに、100kgの雑穀の価格が16,000CFAから19,000CFA(約2,826円〜約3,356円)に上昇し、1リットルあたりの調理用油の価格はおおよそ2倍になりました。同様に、家畜の飼料価格も上昇したのです。不安定な情勢に加えて新型コロナウイルスの影響もあるなか、今年のラマダンを一体どのように乗り越えればよいか不安に思っています。」
また、人道危機に直面している国々は、食料を手に入れることが難しく、ブルキナファソやナイジェリアでは人道支援物資も届かず、数千人の避難民に食料を届けられないなど事態は深刻です。
農業の繁忙期を迎えているにもかかわらず、農業従事者たちはすでに新型コロナウイルスの危機により経済的に厳しい状況におかれ、質の良い種や肥料を手に入れづらくなっています。西アフリカ経済の30.5%が農業に依存しており、人口の70%〜80%の主たる生計となっており、女性たちが重要な役割を果たしています。
ブルキナファソにあるカフェ・リオ牧場で働くハザラさんは次の通り訴えます。「私たちは、ボボ・デュラッソ市のロックダウン(都市封鎖)により、75%売り上げが落ちました。13人の従業員の給料や取引先への支払いもできなくなるほど、厳しい状況です。」
すでに気候変動と情勢不安の影響で大きな打撃を受けている遊牧民も、新型コロナウイルスによる影響に苦しんでいます。地域や国境の封鎖により、牧草を求めて移動ができなくなり、牧畜民と農家の間に対立がさらに高まる危険があります。
ビリタル・マロベネットワーク(the Billital Maroobé Network (RBM))の畜産農家イスマエル氏は、「外出制限により、夜間、家畜に水を与えることができないため、日中水のあるところに多くの人や家畜が集まるのです」と話します。
こうした状況を乗り越えるために、農業や遊牧、漁業などで生計を立てる人々は、政府が打ち出す支援策への期待を寄せています。西アフリカ諸国農業ネットワークの会長は、「私たちは、政策決定者や市民が、いま、より大きな意味と重要性を持つ地産地消を促進する必要性を、しっかりと認識することを望んでいます」と訴えます。
農家の団体や国際NGOの代表は、すべての政府に対して価格の管理や、家族で農業を営む人々からの食料購入と国境を越えた商品の輸送の保証、そして、最も脆弱な人々を守るために社会的セーフティネットの導入を要請します。この世界的な危機において、地域・そして国を超えた連帯が求められています。脆弱な地域が危機に立ち向かうために、西アフリカ諸国や農業団体、市民社会に対する国際的な支援は早急に必要とされています。
4月23日から始まったラマダン(イスラム教の断食の月)を前に、8つの地域機構や国際機関は、新型コロナウイルス感染症と作物の収穫量が減る時期、紛争や情勢不安が重なり、ラマダン期の西アフリカ諸国の人々に大きな影響が及ぶと警鐘を鳴らします。なかでも食料生産者は、生産活動の継続に苦労し、生計が脅かされています。食料不足と栄養不良が現実の脅威とならないよう、最も脆弱な人々を守り、食料の安定生産に向けた施策が求められています。
各国政府はさまざまな対策を講じたにもかかわらず、この地域の主要都市と地方では、価格の急騰や、生活必需品の品薄のほか、特定の地域では感染症対策として行った外出禁止、国境封鎖、情勢不安によって、食料市場へのアクセスが難しくなっています。
このような状況について、ブルキナファソの、サヘル・サバンナ地域家畜協会(APESS) 会長アマドゥ・ハマドウン・ディコ氏は次のように訴えます。
「数日間のうちに、100kgの雑穀の価格が16,000CFAから19,000CFA(約2,826円〜約3,356円)に上昇し、1リットルあたりの調理用油の価格はおおよそ2倍になりました。同様に、家畜の飼料価格も上昇したのです。不安定な情勢に加えて新型コロナウイルスの影響もあるなか、今年のラマダンを一体どのように乗り越えればよいか不安に思っています。」
また、人道危機に直面している国々は、食料を手に入れることが難しく、ブルキナファソやナイジェリアでは人道支援物資も届かず、数千人の避難民に食料を届けられないなど事態は深刻です。
農業の繁忙期を迎えているにもかかわらず、農業従事者たちはすでに新型コロナウイルスの危機により経済的に厳しい状況におかれ、質の良い種や肥料を手に入れづらくなっています。西アフリカ経済の30.5%が農業に依存しており、人口の70%〜80%の主たる生計となっており、女性たちが重要な役割を果たしています。
ブルキナファソにあるカフェ・リオ牧場で働くハザラさんは次の通り訴えます。「私たちは、ボボ・デュラッソ市のロックダウン(都市封鎖)により、75%売り上げが落ちました。13人の従業員の給料や取引先への支払いもできなくなるほど、厳しい状況です。」
すでに気候変動と情勢不安の影響で大きな打撃を受けている遊牧民も、新型コロナウイルスによる影響に苦しんでいます。地域や国境の封鎖により、牧草を求めて移動ができなくなり、牧畜民と農家の間に対立がさらに高まる危険があります。
ビリタル・マロベネットワーク(the Billital Maroobé Network (RBM))の畜産農家イスマエル氏は、「外出制限により、夜間、家畜に水を与えることができないため、日中水のあるところに多くの人や家畜が集まるのです」と話します。
こうした状況を乗り越えるために、農業や遊牧、漁業などで生計を立てる人々は、政府が打ち出す支援策への期待を寄せています。西アフリカ諸国農業ネットワークの会長は、「私たちは、政策決定者や市民が、いま、より大きな意味と重要性を持つ地産地消を促進する必要性を、しっかりと認識することを望んでいます」と訴えます。
農家の団体や国際NGOの代表は、すべての政府に対して価格の管理や、家族で農業を営む人々からの食料購入と国境を越えた商品の輸送の保証、そして、最も脆弱な人々を守るために社会的セーフティネットの導入を要請します。この世界的な危機において、地域・そして国を超えた連帯が求められています。脆弱な地域が危機に立ち向かうために、西アフリカ諸国や農業団体、市民社会に対する国際的な支援は早急に必要とされています。