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アフリカ
(公開日:2021.01.14)

【南スーダン】暴力、洪水、避難により100万人の子どもたちが飢餓の瀬戸際に

 
国連は、2020年12月18日共同声明を発表し[1]南スーダンの総人口の53%にあたる650万人の子どもたちが深刻な食料危機に直面していると警鐘を鳴らしています。


深刻な洪水被害や戦闘、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、経済の低迷は、収穫高の減少、家畜や家屋の喪失、保健医療を利用できなくなるなど人々の生活に影響をおよぼしています。国連は、昨年7月以降洪水により85万6,000人が何らかの影響を受けており、うち40万人は過去数ヶ月に避難を強いられたと予測しています[2]

総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification:IPC)は、2021年4月から7月にかけて、レベル3(危機)以上に陥る人数は、人口の60%にまで増加すると予測しています。また、推定100万人の子どもたちを含む200万人以上がレベル4(緊急事態)の状態にあり、数ヶ所の郡では壊滅的な状況の手前まできています。

そして、すでに2万4,000人がレベル5(極度の食料不安)の状態にあり、そのうち半数近くが暴力と洪水の影響を受けるジョングレイ州に、残り半数の人たちが暴力により日々の生活が困難なワラップ州に暮らしています。

南スーダンは子どもの死亡率が最も高い国のうちのひとつで、5歳未満で死亡する子どもの割合は子ども1,000人中90人以上にのぼります。

ンヤンドールさん(2歳)は母親のアカイさんと一緒にアビエイ州にあるセーブ・ザ・チルドレンのプライマリーヘルスケア・クリニックにきました。体重を計ってみると8.5kgしかなかったため栄養治療食を処方され、2週間後1kg以上体重が増加しました。


アカイさんは、仕事をしたり、教育を受けることもできません。父親はンヤンドールさんが生まれたときに家族のもとを去りました。アカイさんは「子どもが生まれてから助けてくれる人はひとりもおらず食料購入に苦労しています。特に子どもが病気のときは親戚に頼るしかありません」と話します。

セーブ・ザ・チルドレンは避難を強いられた子どもたちの栄養状態の確認をするなど基礎的な保健医療支援を提供しています。2020年7月から11月末までにジョングレイ州と東エクアトリア州で4万人以上を支援しました。

<セーブ・ザ・チルドレンの活動>
セーブ・ザ・チルドレンは、30年以上にわたりスーダン南部、現在の南スーダンにあたる地域で活動を行ってきました。洪水発生後、ジョングレイ州で衛生用品キットやシェルターキットを支援しています。また、子どもたちに対して、水害の危険性や新型コロナウイルス感染症予防、保健・栄養、衛生についての啓発にも取り組んでいます。

<南スーダンについて>
世界でも、子どもたちが過酷な状況に直面している国です。戦闘が激しくなってから1万9,000人の子どもたちが武装グループに登用されています。また、大人に付き添われずに子どもだけ避難している、主な養育者と離ればなれになっている、あるいは、行方不明の子どもたちは1万6,055人にのぼります。紛争地域に暮らす女性と少女の65%は身体的性的暴力を受けたことがあります。そして女性の3人に1人がパートナー以外から性暴力を受けたことがあり、その多くは襲撃時や避難のとき、拉致されたときに起こっています。

[1]https://www.theguardian.com/global-development/2020/dec/18/south-sudan-faces-catastrophic-famine-unless-conflict-ended
[2]https://www.theguardian.com/global-development/2020/dec/18/south-sudan-faces-catastrophic-famine-unless-conflict-ended

 

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