アフリカ(公開日:2020.12.01)
エチオピアからスーダンへ4万人以上が避難―子どもたちに搾取や暴力のリスク
エチオピアからスーダンへ大勢の人たちが国境を越えて避難しています。セーブ・ザ・チルドレンは、親や大人の付き添いなく避難してくる子どもたちが、搾取や暴力の危険にさらされていることを懸念しています。
国境沿いには複数の入国地点があり、そのうちの1ヶ所で、親や大人の付き添いなく避難してきた子どもたち139人が確認されています。国連の発表では、エチオピアからスーダンへ避難した人は少なくとも4万3,000人いることから、実際にはさらに多くの子どもたちが大人を伴わず避難してきていると考えられます。
国連はこの先数ヶ月で国境を越えて避難してくる人たちが計20万人にのぼると推計しており、迅速な国際支援の必要性が高まっています。
ザラさん(33歳)と家族は、エチオピアからスーダンへ避難してきました。現在は難民キャンプで過ごすザラさんは、次のように話します。
「私には4人の子どもがいます。一番年上の子どもは8歳で、一番年下の子どもは生後4ヶ月です。戦闘は激しく、私たちは家族や家、家畜を失いました。ここに避難してくるための交通費のために3ヶ所の土地を売りました。」
セーブ・ザ・チルドレンは、エチオピアから避難してきた人たちがスーダンで過ごす国内最大規模のウン・ラバカ難民キャンプ(Um Rabaka camp)で支援活動を展開しています。この難民キャンプは、当初5,000人を受け入れる規模で設置されましたが、現在その倍にあたる1万人(うち4,500人は子ども)が、過密状態のなか避難生活を送っています。
セーブ・ザ・チルドレン スーダン事務所代表アルシャード・マリックは次のように訴えます。
「国連や人道支援組織は全力を尽くしていますが、子どもたちを暴力から守るための支援や、シェルター、安全な水、そして保健医療サービスなどの支援ニーズが高すぎて追い付かない状態です。くわえて、大勢の人たちが過密状態にあるキャンプでは、新型コロナウイルス感染症が大流行する可能性があるため衛生的な状態を保ち、ソーシャルディスタンスを確保しなければなりません。
また、大人を伴わず避難してきた子どもたちのうち特に少女は、人身取引や搾取、暴力の対象となる危険性が非常に高く、専門家によるケアと保護が必要です。そうした子どもたちの多くは、きょうだいや親戚とともにキャンプまでやってきますが、彼らが最も安心や安全を感じるのは親や養育者と一緒にいるときです。一刻も早く、離ればなれになった保護者と再会することが重要です。
ある母親から聞いた話では、子どもたちとともに、何日間も体を洗ったりすることもできないまま、徒歩で避難してきたそうです。そし、ここに到着したとき子どもたちは非常に疲れ、食事も十分にとることができていなかったと言います。
長旅は子どもたちに大きな影響とストレスを与えていますが、子どもたちは、『こどもひろば』で思う存分好きなことをして過ごしています。」
国境沿いには複数の入国地点があり、そのうちの1ヶ所で、親や大人の付き添いなく避難してきた子どもたち139人が確認されています。国連の発表では、エチオピアからスーダンへ避難した人は少なくとも4万3,000人いることから、実際にはさらに多くの子どもたちが大人を伴わず避難してきていると考えられます。
国連はこの先数ヶ月で国境を越えて避難してくる人たちが計20万人にのぼると推計しており、迅速な国際支援の必要性が高まっています。
ザラさん(33歳)と家族は、エチオピアからスーダンへ避難してきました。現在は難民キャンプで過ごすザラさんは、次のように話します。
「私には4人の子どもがいます。一番年上の子どもは8歳で、一番年下の子どもは生後4ヶ月です。戦闘は激しく、私たちは家族や家、家畜を失いました。ここに避難してくるための交通費のために3ヶ所の土地を売りました。」
セーブ・ザ・チルドレンは、エチオピアから避難してきた人たちがスーダンで過ごす国内最大規模のウン・ラバカ難民キャンプ(Um Rabaka camp)で支援活動を展開しています。この難民キャンプは、当初5,000人を受け入れる規模で設置されましたが、現在その倍にあたる1万人(うち4,500人は子ども)が、過密状態のなか避難生活を送っています。
セーブ・ザ・チルドレン スーダン事務所代表アルシャード・マリックは次のように訴えます。
「国連や人道支援組織は全力を尽くしていますが、子どもたちを暴力から守るための支援や、シェルター、安全な水、そして保健医療サービスなどの支援ニーズが高すぎて追い付かない状態です。くわえて、大勢の人たちが過密状態にあるキャンプでは、新型コロナウイルス感染症が大流行する可能性があるため衛生的な状態を保ち、ソーシャルディスタンスを確保しなければなりません。
また、大人を伴わず避難してきた子どもたちのうち特に少女は、人身取引や搾取、暴力の対象となる危険性が非常に高く、専門家によるケアと保護が必要です。そうした子どもたちの多くは、きょうだいや親戚とともにキャンプまでやってきますが、彼らが最も安心や安全を感じるのは親や養育者と一緒にいるときです。一刻も早く、離ればなれになった保護者と再会することが重要です。
ある母親から聞いた話では、子どもたちとともに、何日間も体を洗ったりすることもできないまま、徒歩で避難してきたそうです。そし、ここに到着したとき子どもたちは非常に疲れ、食事も十分にとることができていなかったと言います。
長旅は子どもたちに大きな影響とストレスを与えていますが、子どもたちは、『こどもひろば』で思う存分好きなことをして過ごしています。」
難民のなかには、猛暑のなか5日間歩き続け、ほぼ着の身着のままで到着する人たちもいます。短パンと素足にサンダルだけの子どもたちもおり、蚊が媒介するマラリアや、寄生虫による感染症のリスクも懸念されます。また、障害のある人たちなど、より脆弱性性の高い子どもたちや大人への支援も必要です。
セーブ・ザ・チルドレンは、「こどもひろば」を2ヶ所と、仮設学習センターを開設したほか、子どもたちと家族との再会を支援するために子どもの保護の専門家を派遣しました。また、並行してソーシャルワーカーを育成し、特に少女や女性への暴力の予防に向けて取り組みを進めています。くわえて、行政や他団体と協力し、新たに難民キャンプに到着する子どもたちに対して教育の機会を提供できるよう活動を展開しています。