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アフリカ
(公開日:2020.04.16)

新型コロナウイルス感染症 西アフリカ、中央アフリカで学校に通えない子どもは1億2,000万人

 
セーブ・ザ・チルドレンは、西アフリカや中央アフリカ地域で学校に通えなくなっている1億2,000万人以上の子どもたちの将来へ懸念を抱いています。アフリカ諸国の ほとんどの国が、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、現在学校、大学などを休校としていますが、西アフリカや中央アフリカ地域、とくにサヘル地域(サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域)ではさらに事態は深刻です。


ケニア北部にて新型コロナウイルス感染症拡大防止のため子どもと母親が手洗いをする様子

西アフリカのマリの首都バマコに暮らすアワさん(12歳)は、「突然の休校はつらいです。ずっと外出もできないので、最悪の休みになっています。勉強もできないし、ウイルスのことも心配です。ウイルスによってこの国がこれからどうなっていくのか、とても怖い。友だちや授業が恋しいけれど、日に日に感染者が増加し、学校再開のめどはたっていません」と話しています。

セーブ・ザ・チルドレンは、各国の政府が移動の制限や、学校の休校措置を講ずるなかで、自宅で学習を継続できる体制が整っていないことを懸念しています。また、学習が中断され、子どもたちは学校のような安全な場にいないため、虐待やネグレクト、暴力、搾取などの危険に晒され、そして、とくに、少女たちがこのまま退学してしまう可能性が高まっています。

国によっては、休校中オンラインなどで家から教育を受けられるようなシステムを整備しているところもありますが、遠隔地や主要都市の郊外に暮らし、さまざまな制度や支援から取り残された子どもたちは、オンライン授業を受けることが難しいでしょう。こうした子どもたちの中には、収入が低い世帯の子どもたち、障害のある子どもたち、紛争や人道危機下にある子どもたちも含まれます。

コンゴ民主共和国、ブルキナファソ、マリ、ニジェール、ナイジェリア北部などの国や地域の教育システムは、現在も継続する紛争や人々の避難、資金不足により、すでに深刻な課題に直面しています。新型コロナウイル感染症拡大はこうした状況に拍車をかけています。

セーブ・ザ・チルドレンは、政府および国際社会に以下を提言します:
  • 休校の影響を軽減するための支援策をとること。とくにアフリカ諸国では、数百万人がインターネットの利用ができない環境にあり、ラジオやテレビ番組などを利用して子どもたちが代替教育の機会を得られるようにする。そして、政府が教師をサポートし、質の高い遠隔教育を提供できるよう技術を習得させることも必要不可欠である。
  • 休校により最も大きな影響が及ぶのは、取り残された子どもたちであるため、遠隔教育とともに、子どもたちへ適切なケアと具体的な支援を提供する。
  • 休校により教育の機会が失われる以外にも、子どもたちが直面するさまざまなリスクを軽減するために必要な支援策を講じること。たとえば、学校給食により1日の栄養を確保していた子どもたちへの支援や、児童労働や暴力、搾取に遭う危険を回避するための支援の実施。
  • 特に少女たちへ負の影響がおよばないように注意を払うこと。家族が新型コロナウイルに感染した場合、女子がその家族の世話をしたり、あるいは、幼いきょうだいの世話をしたり、また、児童婚の被害を受けやすいなど、少女たちは大きな負担を強いられやすくなるだろう。早期妊娠などから女子を守るための支援の実施。シエラレオネ政府が、妊娠中の少女たちの通学に関わる禁止事項を撤廃したように、より多くの政府が、脆弱な少女たちを保護するための制度や体制を導入することが必要である。


新型コロナウイルス感染症 緊急子ども支援https://www.savechildren.or.jp/lp/coronavirus/

 

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