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フィリピン
(公開日:2014.11.05)

フィリピン台風30号(ハイエン)から1年〜ケントさん(9歳)の場合〜(2014.11.05)

 
9歳のケントさんは二人兄妹の長男です。台風ハイエンが来る前は三人兄弟でしたが、被災直後に小さな弟を白血病で亡くしました。ケントさんの家族が住む村は、2013年11月に台風ハイエンで大きな損害を受けました。お父さんは大工で、お母さんは主婦として、家族の世話や家事をこなしています。



ケントさんは、友達とくたくたになるまで自転車で近所を走りまわったり、近くのハーフコートでバスケットボールをしたり、太陽のもと外で遊ぶのが大好きです。将来は軍人になって、地域の平和を維持するのに役立ちたいという夢を持っています。

被災直後、ケントさんの家族は、セーブ・ザ・チルドレンから栄養補助食や防災キットなどの支援物資を受け取りました。またケントさんは、セーブ・ザ・チルドレンが地域で主催している子どもひろばの催しにも参加しています。



「台風で家の中に水が入ってきたので、僕も家族もおばさんの家に避難しました。外を見ると水位は既に高く、僕の家は壊れていました。

家には、お父さん、お婆さん、そして妹がいました。お母さんはその時は、白血病の弟の面倒を見るために病院にいたんです。弟は、台風ハイエンが来た数日後に亡くなってしまいました。

台風の時、僕は家の屋根が風で剥がされるのも見ました。沢山の街灯や木が倒れるのも見えました。そして洪水も。とても水位が高かった。

台風が去った後は遺体を見ました。ある男の人は、近くの建設現場の資材置場にぶら下がって亡くなっていました。それから、犬や水牛などの動物の死骸も見ました。

家のあった場所に建物がなくなってしまったのを見て、僕は悲しくて泣きました。お父さんとお母さんが、家の残骸を片付けるのを手伝って、僕は何でも運んだんです。

本やノートなどの学用品はなくなっていたし、学校も同じように被災していて、椅子、教科書、黒板などの備品は使い物にならなくなっていたんです。家や学校が被災した状態を見るのは悲しかった。こんな惨状を目にするのは初めてのことで、この強力な台風に僕は怯えていました。

セーブ・ザ・チルドレンの子どもひろばで僕たちは遊んだり物を書いたりします。一番楽しいのは野球。子どもひろばに来るのは楽しくて、ここでランドセルももらいました。

子どもひろばでは、あのような台風が来た時にはすぐに避難する必要があることや、災害に備えて食料や水の備蓄を準備しておくことも教えてもらいました。



僕は子どもひろばで受ける指導を楽しみにしています。食事も活動も楽しくて、歌を歌ったり絵を描いたりもしています。台風のことを思い出して、僕はある村の絵を描きましたそこに、幸せな人たち、バスケットボールのコートで遊ぶ子どもたち、木々、道路、そして明るい太陽を描きました。」

【セーブ・ザ・チルドレンの台風ハイエン緊急・復興支援活動】
2013年11月8日にフィリピン中部を横断した大型台風30号(ハイエン)により、子どもを含む1,410万人以上が被災しました。410万人が避難を余儀なくされ6,092人を超える人々が死亡したと報告されています。
セーブ・ザ・チルドレンは、被害の大きかったレイテ島とパナイ島で緊急・復興支援活動を展開。最終的に826,468人の子どもを含む1,159,668人に支援を届ける計画です。

フィリピン台風30号(ハイエン)の緊急支援では、みなさまからたくさんのご支援をいただきありがとうございました。セーブ・ザ・チルドレンは、今も尚、被災地で復興支援活動を実施しています

 

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