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フィリピン
(公開日:2014.11.06)

フィリピン台風30号(ハイエン)から1年〜グレースさん一家の場合〜(2014.11.06)

 
グレースさん(42歳)一家は、2013年11月の台風ハイエンで最も被害の大きかった地域の一つである、レイテ島ドゥラグ市の沿岸地域に住んでいます。彼らの家は、生計の手段であった釣り船とともに、台風で流されてしまいました。



被災直後、グレースさんは9歳の息子ジャスティンさんが遊ぶことに興味を失って眠れなくなってしまったと、セーブ・ザ・チルドレンのスタッフに語っていました。

グレースさん一家は、この地域でセーブ・ザ・チルドレンが、体を温めるための毛布、折り畳み式ジェリカン(灯油缶に似た燃料や飲料を保存する容器)、安全な飲料水を確保するための水の浄化剤などの緊急支援物資を最初に届けた家族の一つです。

ジャスティンさんと二人の姉妹―ジャネットさん(14歳)とジュリアンさん(3歳)―は、小学校の授業前に開催されるセーブ・ザ・チルドレンの子どもひろばにいつも参加しています。中学生のジャネットさんは、基本的な学用品の詰まったバック・トゥ・スクール・キットをセーブ・ザ・チルドレンから貰いました。

被災から4か月が経過した頃、グレースさんの夫は仕事を見つけ、壊れた家を修繕することが出来、子どもたちも回復し始めました。被災直後に比べれば、生活は大分楽になったとグレースさんは言います。

「生活は尚苦しいけれど、何とか収支を合わすことが出来るようになり、何より生き延びています。以前と違って、今は、食料や子どもたちに必要な物を買うお金もあります。夫は建設現場での仕事に就き、長男のマークも、そこで臨時労働者として働いています。

私は多くのこと、特に家族全員が生きていることに感謝しています。けれど、釣り船を持っていた頃の方が、生活はずっと良かったことは事実です。以前、夫は漁業で一日1,000フィリピン・ペソ(約2,500円)を稼ぎましたが、今は彼が建設仕事で稼ぐ日当350ペソ(約900円)でやり繰りしなければなりません。

小さな子どもたち(ジャスティンとジュリアン)は元気になって、子どもらしい活発さと、外遊びへの情熱を取り戻しました。時間はかかったけれど、被災後恐がっていた海で泳ぐこともできるようになりました。



今、この地域の人々が最も緊急に必要としているのは、生計手段を取り戻すことです。子どもたちが教育を続けるためにも、生計プログラムが必要だと思います。

もし3700ペソ(約9,500円)の生計支援を貰えたら、洋裁のビジネスの操業資金として使おうと思います。そうすれば、子どもの学費を払い続けることができます。

【セーブ・ザ・チルドレンの台風ハイエン緊急・復興支援活動】
2013年11月8日にフィリピン中部を横断した大型台風30号(ハイエン)により、子どもを含む1,410万人以上が被災しました。410万人が避難を余儀なくされ6,092人を超える人々が死亡したと報告されています。
セーブ・ザ・チルドレンは、被害の大きかったレイテ島とパナイ島で緊急・復興支援活動を展開。最終的に826,468人の子どもを含む1,159,668人に支援を届ける計画です。

フィリピン台風30号(ハイエン)の緊急支援では、みなさまからたくさんのご支援をいただきありがとうございました。セーブ・ザ・チルドレンは、今も尚、被災地で復興支援活動を実施しています。

 

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