東欧(公開日:2022.03.08)
【ウクライナ危機】ウクライナから避難した40万人の子どもたち−極度の食料不足や病気、人身取引、虐待のリスクに
2022年3月3日時点において、ウクライナでのロシアによる軍事行動から避難した人たちが100万人を超えました。東欧全域で避難している少なくとも40万人の子どもたちが極度の食料不足や病気、人身取引、虐待のリスクに晒されています。
セーブ・ザ・チルドレンは、少なくとも40万人の子どもたちが[i]、衣類だけをもってルーマニアやポーランド、モルドバ、ハンガリー、スロバキア、リトアニアに避難していると推計しています。
国連は、100万人を超える人々の避難について、「欧州における今世紀最大の難民危機になり得る」と述べていますが、この人数にはウクライナ国内で避難を強いられている人たちは含まれていません。
大勢の人たちが避難しているため国境検問所には24時間行列ができ、国境を越えた人たちは学校や個人宅、仮設キャンプ、会議場などに避難していますが、子どもたちが置かれた状況への懸念が募っています。
アンナさん(29歳)は、4歳の娘ダリナさんと2歳の息子ダニロさん、そして母親と姉とともに、ウクライナの原子力発電所への攻撃が迫ったときに避難しました。アンナさん家族は仮設キャンプに滞在したあと、現在は一時滞在センターにいます。今後は、友人が暮らすチェコに行くことを希望しています。
「怖くて逃げました。暮らしていた地域や空港が爆撃され、戦闘は原子力発電所の近くまできていました。避難の途中、上空には飛行機が飛び交い、道路はとても混雑していました。そして、サイレンが鳴り続き、ロケット弾によって建物が破壊されるのを目にしました。
夫は、私たちを国境まで送ってから戻りました。私たちが持ってこられたのは、わずかな服と薬だけでした。子どもたちは何が起こっているのか理解していません。でも、私たちの気持ちは沈んでいます。
(ウクライナでは)娘は、ときどき銃声が聞こえると怖いと言っていました。地下室に隠れるために走っているときにも怖いと言い、戦車が来ると話していました。私たちはただ戦闘が終わり故郷に戻れることを願っています。」
セーブ・ザ・チルドレンの東欧地域ディレクター イリナ・サゴヤンは次の通り訴えます。
「子どもたちは避難の途中、人身取引や性暴力、虐待、深刻な心理的苦痛を受けるリスクが高まることはこれまでの活動からわかっています。また、一部の子どもたちやその家族が、凍てつく寒さの中、避難する場所もなく屋外にいることを余儀なくされているという深刻な状況は見過ごすことができず、低体温症などの病気になってしまう可能性も非常に懸念されます。
そして、この1週間の間に起こったことが、子どもたちのメンタルヘルスに及ぼした影響の大きさを理解することも必要です。子どもたちの自宅や学校、コミュニティが破壊され、家族や友人とも離ればなれになり、1週間で人生や大切なものをすべて奪われてしまったのです。
いま、周辺国に避難するすべての子どもたちが守られ、食料や水、住居、メンタルヘルス支援といった緊急支援が提供されることが極めて重要です。しかし、私たちの目の前で起こっている状況は、暴力が止まり、子どもたちとその家族が安全になるまで終わることはないでしょう。すべての紛争において、その矢面に立たされるのは子どもたちであり、こうした状況に終止符を打つ必要があります。」
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが安心・安全に過ごせる空間「こどもひろば」を開設し支援を行っています。また、食料、生活に必要な物資の支援と情報提供をしています。
セーブ・ザ・チルドレンは、少なくとも40万人の子どもたちが[i]、衣類だけをもってルーマニアやポーランド、モルドバ、ハンガリー、スロバキア、リトアニアに避難していると推計しています。
国連は、100万人を超える人々の避難について、「欧州における今世紀最大の難民危機になり得る」と述べていますが、この人数にはウクライナ国内で避難を強いられている人たちは含まれていません。
大勢の人たちが避難しているため国境検問所には24時間行列ができ、国境を越えた人たちは学校や個人宅、仮設キャンプ、会議場などに避難していますが、子どもたちが置かれた状況への懸念が募っています。
アンナさん(29歳)は、4歳の娘ダリナさんと2歳の息子ダニロさん、そして母親と姉とともに、ウクライナの原子力発電所への攻撃が迫ったときに避難しました。アンナさん家族は仮設キャンプに滞在したあと、現在は一時滞在センターにいます。今後は、友人が暮らすチェコに行くことを希望しています。
「怖くて逃げました。暮らしていた地域や空港が爆撃され、戦闘は原子力発電所の近くまできていました。避難の途中、上空には飛行機が飛び交い、道路はとても混雑していました。そして、サイレンが鳴り続き、ロケット弾によって建物が破壊されるのを目にしました。
夫は、私たちを国境まで送ってから戻りました。私たちが持ってこられたのは、わずかな服と薬だけでした。子どもたちは何が起こっているのか理解していません。でも、私たちの気持ちは沈んでいます。
(ウクライナでは)娘は、ときどき銃声が聞こえると怖いと言っていました。地下室に隠れるために走っているときにも怖いと言い、戦車が来ると話していました。私たちはただ戦闘が終わり故郷に戻れることを願っています。」
セーブ・ザ・チルドレンの東欧地域ディレクター イリナ・サゴヤンは次の通り訴えます。
「子どもたちは避難の途中、人身取引や性暴力、虐待、深刻な心理的苦痛を受けるリスクが高まることはこれまでの活動からわかっています。また、一部の子どもたちやその家族が、凍てつく寒さの中、避難する場所もなく屋外にいることを余儀なくされているという深刻な状況は見過ごすことができず、低体温症などの病気になってしまう可能性も非常に懸念されます。
そして、この1週間の間に起こったことが、子どもたちのメンタルヘルスに及ぼした影響の大きさを理解することも必要です。子どもたちの自宅や学校、コミュニティが破壊され、家族や友人とも離ればなれになり、1週間で人生や大切なものをすべて奪われてしまったのです。
いま、周辺国に避難するすべての子どもたちが守られ、食料や水、住居、メンタルヘルス支援といった緊急支援が提供されることが極めて重要です。しかし、私たちの目の前で起こっている状況は、暴力が止まり、子どもたちとその家族が安全になるまで終わることはないでしょう。すべての紛争において、その矢面に立たされるのは子どもたちであり、こうした状況に終止符を打つ必要があります。」
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちが安心・安全に過ごせる空間「こどもひろば」を開設し支援を行っています。また、食料、生活に必要な物資の支援と情報提供をしています。
[i] On average, children usually make up 39% of the refugee population, and in this case, because men are staying behind in Ukraine, the proportion of children is likely to be far higher.