トップページ > スタッフブログ > 東欧 > 【ウクライナ危機】親や養育者がいない子どもたちが直面する危機

東欧
(公開日:2022.03.14)

【ウクライナ危機】親や養育者がいない子どもたちが直面する危機

 
ウクライナ国内の児童養護施設など子どもたちのための施設で生活する推計10万人の子どもたちが、紛争の継続により十分な支援を得られなかったり、家族と永遠に離ればなれになってしまうリスクに晒されています。


ウクライナからルーマニアへ避難する家族(2022年3月4日撮影)

ウクライナでは、子どもの約1.3%が何らかの形態の子どものための代替的な養護施設に暮らし、この割合はヨーロッパで最も高い水準です。2022年2月25日には、孤児院が攻撃されたという報道がありましたが、さらに多くの都市や民間のインフラが攻撃を受けるなか、こうした施設に暮らす子どもたちが避難できずに取り残されています。

セーブ・ザ・チルドレンは、ウクライナで戦闘が激しさを増し、食料や暖房が手に入りづらくなったり、教育や医療の利用が難しくなったりしているなか、これらの施設に暮らす子どもたちが適切なケアを受けられなくなることを非常に懸念しています。ウクライナ以外で起こっている危機でも同様のことが起きていますが、保護者や養育者がいない子どもは、虐待や搾取、人身取引、ネグレクトに遭うリスクが増大します。

2月24日以降、200万人を超える人たちが国外へ避難し、その半数は子どもです。難民となった子どもたちの大半は、親や養育者とともに避難してきています。

セーブ・ザ・チルドレンは、各国政府やさまざまな組織に対して、ウクライナの子どもたちが家族と長期的に離ればなれになったり、虐待や搾取、人身取引、ネグレクトの被害に遭ったりすることのないよう、子どもたちを守ることを要請します。

また、親や養育者のいない子どもに安全な移動手段や住居、質の高い医療が担保され、あらゆる暴力から守られること、心理社会的支援を利用できるようにすることも訴えます。

子どもたちを暴力から守り、家族の追跡や再開支援を実施するためには、こうした状況にある子どもたちの避難やその後の対応に、関係当局や親族が関わっていくことが必要不可欠です。

セーブ・ザ・チルドレンは、ウクライナや、ポーランドなどの周辺国で、子どもたちが親せきや友人家族と会えるように、他団体と協力し家族の追跡と再会のための支援を進めています。あわせて、子どもたちをあらゆる暴力から守るためのシステム(子どもの保護のシステム)と報告の仕組みを策定しています。

セーブ・ザ・チルドレンは、2014年からウクライナで活動を行い、子どもたちやその家族への緊急支援として教育支援や越冬支援、衛生用品キットの配布、現金の支援も行ってきました。また、紛争や暴力が及ぼす精神的・心理的影響を軽減し、日常生活における精神的苦痛に対処する力を高められるよう支援も行っています。

【セーブ・ザ・チルドレンの緊急支援】
・ウクライナ国内とルーマニア:スタッフとボランティアが食料や水、衛生用品キットをウクライナ国内で避難している人たちとルーマニアに避難した人たちに提供
・ポーランドとルーマニア:家族や大人を伴わずに子どもだけで避難してきた子どもたちへの支援や、心理社会的支援の提供、法的支援へつなぐためのサポートの提供


 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP