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東欧
(公開日:2022.03.22)

【ウクライナ】国際養子縁組の即時停止を

 
セーブ・ザ・チルドレンは、ウクライナで起こっている紛争によって生活が一変した子どもたちを人身取引や虐待のリスクから守るため、適切な保護の措置が講じられるまで、国際的な養子縁組を直ちに停止するよう要請します。

難民の大規模な移動が発生するとき、他の環境にいるほうが子どもたちは適切な世話を受けられると考える人たちが、良かれと思って、危機の影響を受けた地域から子どもを「救出」しようとすることがあります。

しかし、セーブ・ザ・チルドレンは、子どもにとって最善の場所は家族やコミュニティであり、行政や関係する機関が子どもたちを追跡し、家族と再会させるためにあらゆる手段を講じるまでは、養育者と離ればなれになった子どもたちにとって養子縁組は適切な対応ではないと強く訴えます。

また、ウクライナから子どもを養子などにしようとするすべての人が、子どもにとって良いことだと考えて行っているわけではないことや、緊急下の初期段階で適切かつ堅固な保護制度が整備されていない状況を、人身取引をあっせんする業者が悪用する可能性も懸念されます。

セーブ・ザ・チルドレンは、ウクライナから子どもだけで避難してきた子どもたちや、国内で紛争下にある子どもたちのための適切な保護措置が確立されるまで、すべての養子縁組中止への支持をするよう国際社会に呼びかけています。

セーブ・ザ・チルドレン・ルーマニア事務所のスタッフは、ウクライナから養育者に付き添われず避難してきた子どもたちのなかには、家族で国を離れることはできないが、戦闘や空爆から子どもたちの安全を守りたいと判断した養育者によって、故郷から避難させられてきた子どもを確認しています。また、避難の混乱のなかで、家族と離ればなれになってしまった子どもたちもいます。ルーマニアに到着した子どもたちの多くは14歳未満で、精神的苦痛を抱えている様子がみられます。

ウクライナは、2022年2月24日に始まったロシアの軍事行動により、国際養子縁組プログラムを停止しています。しかし、国際基準と子どもの安全を担保するために、受け入れ国も国際養子縁組手続きを中断することが重要です[i]。

セーブ・ザ・チルドレンは、ウクライナから避難するときに家族が一緒にいられるよう支援し、ポーランドとルーマニアにおいて、子どもだけで避難してきた子どもが確認された場合、それぞれの国にある子どもの保護を管轄する行政と緊密に連携して、子どもたちが適切に保護され、必要な支援を得られるよう活動しています。

2022年2月24日から3月22日までの約4週間で、150万人以上の子どもたちが国外へ避難しましたが、一方で600万人の子どもたちが身体的・精神的に深刻な危険に晒されながら国内にいると考えられています。

[i] According to the 1993 Adoption Convention and 1996 Child Protection Convention, all receiving States should apply its standards and safeguards (when cooperating with Ukraine), including during a situation of armed conflict.
https://www.hcch.net/en/news-archive/details/?varevent=854

 

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