日本/災害時における心理社会的支援(公開日:2022.06.15)
【防災】官民連携で非常時の子ども支援のための準備・対応能力の強化に取り組んでいます
セーブ・ザ・チルドレンは、厚生労働省や内閣府と連携し、子ども支援専門の国際NGOとしてのノウハウをもとに、非常時の子ども支援を推進する取り組みを実施しています。
厚生労働省が2021年に実施した「令和3年度 非常時における児童館の活動に関する調査研究」事業をもとに作成した『非常時における児童館とりくみハンドブック』が全国の児童館に配布されました。
これまで、児童館は、感染症の流行や自然災害の被害などの影響で、閉館時間の短縮、活動の縮小、休館など日常的な活動の継続が困難なことがありました。このハンドブックは、そのような「非常時」に児童館が子どもにとって安全・安心な居場所となるように、全国の児童館の協力を基に作成されました。
自然災害や感染症対応における、児童館が果たした具体的な取り組み事例も掲載されていて、緊急時の子どもの居場所づくりの参考になるハンドブックです。
児童館は、子どもたちの主体性を形にし、自分たちで活動を作り上げることができるようにサポートし、子どもの権利を体現する施設としての役割が注目されます。 また、非常時であっても、子どもたちとともに考え、工夫しながら、子どもの最善の利益を保障する場であることが求められます。
このハンドブックには、参考資料として、子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children: 子どものためのPFA)の「LOOK(見る)」「LISTEN(聴く)」「LINK(つなぐ)」に基づく、自然災害などの影響を受けた幼児期・学童期と学童期・思春期の子どものこころを支えるポイントがそれぞれ掲載されています。
子どものためのPFAは、危機的な出来事に直面した子どもたちのこころを傷つけずに対応するための方法です。自然災害など危機的な状況下に置かれた子どもたちの反応にはさまざまなものがあります。
そのような子どもたちの反応や、年齢層特有のニーズ、予想される周囲の環境に応じたアプローチにおいて、周りの大人が自然に「見る・聴く・つなぐ」を実践し、子どもたちに寄り添い、子どもたちが自分のペースで落ち着きを取り戻すことをサポートします。
児童館の職員をはじめ、子どもが利用する施設の運営や子ども支援に関わる皆さんに、ぜひ読んでいただき、平時の児童館活動や非常時対応の準備に役立てていただきたいと考えています。
【これまでの官民連携と、これからの「官」に期待すること】
また、セーブ・ザ・チルドレンは、2021年10月25日、内閣府の被災者支援に関する官民連携検討会の第1回会議において、「要配慮者支援」を中心とした民間団体の活動について発表しました。
この検討会は、民間団体の持つ被災者支援の専門能力が充分に活用されず、情報も充分に共有されていない日本の災害対応の現状を受け、今後の災害に備えるために、民間団体・行政間で団体の専門能力、知見と経験、役割を共有し、連携の促進に向けた課題を整理することを目的としています。
発表では、セーブ・ザ・チルドレンのこれまでの災害支援現場での経験を基に、避難所でのキッズスペース(こどもひろば)設置・運営や、子どもに特化した物資配布、行政や支援団体と平時に実施している研修や訓練など、国内での被災者支援や国や地方自治体などとの連携の事例を紹介しました。
加えて、連携を進めるうえで、今後、国や地方自治体に期待することについても発表しました。 具体的には、
災害が起きてからではなく、避難所での子どもの居場所(キッズスペース)設置に向けた取り組みの強化案として、平時から地域でキッズスペースを開設・運営できる子ども・子育て支援団体を選定し、能力強化研修を実施すること、また、災害時の子どもに特化した支援の必要性を過去の災害支援経験をもとに提案しました。
セーブ・ザ・チルドレンは、災害時だけでなく、平時からさまざまな団体との連携活動にも力を入れています。引き続き、行政との連携を通じて、非常時の子ども支援のための対応能力の強化を促進し、その重要性を周知していきます。
(報告:国内事業部インターン 臼井夕菜)
厚生労働省が2021年に実施した「令和3年度 非常時における児童館の活動に関する調査研究」事業をもとに作成した『非常時における児童館とりくみハンドブック』が全国の児童館に配布されました。
これまで、児童館は、感染症の流行や自然災害の被害などの影響で、閉館時間の短縮、活動の縮小、休館など日常的な活動の継続が困難なことがありました。このハンドブックは、そのような「非常時」に児童館が子どもにとって安全・安心な居場所となるように、全国の児童館の協力を基に作成されました。
自然災害や感染症対応における、児童館が果たした具体的な取り組み事例も掲載されていて、緊急時の子どもの居場所づくりの参考になるハンドブックです。
児童館は、子どもたちの主体性を形にし、自分たちで活動を作り上げることができるようにサポートし、子どもの権利を体現する施設としての役割が注目されます。 また、非常時であっても、子どもたちとともに考え、工夫しながら、子どもの最善の利益を保障する場であることが求められます。
このハンドブックには、参考資料として、子どものための心理的応急処置(Psychological First Aid for Children: 子どものためのPFA)の「LOOK(見る)」「LISTEN(聴く)」「LINK(つなぐ)」に基づく、自然災害などの影響を受けた幼児期・学童期と学童期・思春期の子どものこころを支えるポイントがそれぞれ掲載されています。
子どものためのPFAは、危機的な出来事に直面した子どもたちのこころを傷つけずに対応するための方法です。自然災害など危機的な状況下に置かれた子どもたちの反応にはさまざまなものがあります。
そのような子どもたちの反応や、年齢層特有のニーズ、予想される周囲の環境に応じたアプローチにおいて、周りの大人が自然に「見る・聴く・つなぐ」を実践し、子どもたちに寄り添い、子どもたちが自分のペースで落ち着きを取り戻すことをサポートします。
児童館の職員をはじめ、子どもが利用する施設の運営や子ども支援に関わる皆さんに、ぜひ読んでいただき、平時の児童館活動や非常時対応の準備に役立てていただきたいと考えています。
【これまでの官民連携と、これからの「官」に期待すること】
また、セーブ・ザ・チルドレンは、2021年10月25日、内閣府の被災者支援に関する官民連携検討会の第1回会議において、「要配慮者支援」を中心とした民間団体の活動について発表しました。
この検討会は、民間団体の持つ被災者支援の専門能力が充分に活用されず、情報も充分に共有されていない日本の災害対応の現状を受け、今後の災害に備えるために、民間団体・行政間で団体の専門能力、知見と経験、役割を共有し、連携の促進に向けた課題を整理することを目的としています。
発表では、セーブ・ザ・チルドレンのこれまでの災害支援現場での経験を基に、避難所でのキッズスペース(こどもひろば)設置・運営や、子どもに特化した物資配布、行政や支援団体と平時に実施している研修や訓練など、国内での被災者支援や国や地方自治体などとの連携の事例を紹介しました。
加えて、連携を進めるうえで、今後、国や地方自治体に期待することについても発表しました。 具体的には、
災害が起きてからではなく、避難所での子どもの居場所(キッズスペース)設置に向けた取り組みの強化案として、平時から地域でキッズスペースを開設・運営できる子ども・子育て支援団体を選定し、能力強化研修を実施すること、また、災害時の子どもに特化した支援の必要性を過去の災害支援経験をもとに提案しました。
セーブ・ザ・チルドレンは、災害時だけでなく、平時からさまざまな団体との連携活動にも力を入れています。引き続き、行政との連携を通じて、非常時の子ども支援のための対応能力の強化を促進し、その重要性を周知していきます。
(報告:国内事業部インターン 臼井夕菜)