ネパール(公開日:2010.11.01)
ネパールみんなの学校(2010.11.1)
教科書をめいっぱい広げられる教室で勉強したい
Q:どうしてネパールに学校を建てる必要があるの?
A:学校に通う子どもたちが年々増えてきているため、教室数が足りない状態です。
ネパールの東タライを含む平野部では1教室あたり子どもの人数が100人を超す学校もあり、一人一人がノートと教科書を置くスペースを確保するのがやっとです。また丘陵部では平野部に比べると1教室あたりの子どもの人数は少ないものの、やはり学年数に対し、教室数が足りない状態で、幼児教室の子どもたちと小学校1年生が同じ教室で学ぶ傾向にあります。
混みあった教室で勉強する子どもたち
教室一つあたりに対し子どもの人数が増えているという背景にはネパールの人々が子どもにとって教育が大切と認識した証でもあります。しかし、1教室に100人を超す環境で勉強していては、せっかく学校に通いだした子どもたちもしっかりとした教育を受けることができず、中退の原因となってしまいます。
SCJはそんな状況を改善するために、お父さん、お母さん、そして地域の住民と協力しながら、幼児教室の建設や学校の増築を行っています。
完成した小学校 (東部マホタリ、ダヌシャ郡-JICA助成)
三平商会様ご支援を賜り、幼児教室をネパール中西部のピュ?タン、カピルバスツ郡で建設中
私が10月に支援校を訪問した際、学校は色んな人に支えられてできていると実感しました。2時間の山道を経て学校にたどり着いた時、たくさんの建設用の石をかごに入れ、子どもたちの為に石を運ぶお母さんたちに出会いました。
重たい石をかごにいれて、1回15分かけて往復するお母さん
出張を共にした梶スタッフはそのかごがどれだけ重いのかを実際に体験してきました。私も体験しましたが、2、3歩進むのがやっと!どこの国でもお母さんたちの子どもたちを思う気持ちは誰にも負けません。
石を運ぶ梶スタッフ
しかし、学校を建設するだけでは、子どもたちが楽しく学べる環境が整ったとは言えません。教材の提供、そしてなにより先生が子どもたちの興味をかきたてる教授法を学ぶ必要があります。
自らの教授法で子どもたちの興味を引き付けるSCナラマヤスタッフ
文字カードを使いネパール語を勉強する子どもたち
嬉しそうに幼児教室で学ぶ男の子
子どもたちが学ぶために欠かせない色々な教育の要素。
教室もそのうちの一つです。
(文・写真:森本美紀/東京本部ネパール事業担当)