ネパール(公開日:2010.08.18)
鈴村ネパール駐在員の手紙(特別ページ)
(以下は、アニュアルレポート2009に掲載された、鈴村スタッフのメッセージです。
アニュアルレポート2009はこちらからご覧になれます。)
「早く教室を見て!」と私の腕を引っ張る女の子。その嬉しそうな表情は今でも忘れられません。それは、ネパール西部スルケット郡のとある学校を訪れた時のこと。その子に連れられて教室の中をのぞくと、様々な教材で溢れ、教師は真剣に授業に取り組み、子どもたちはとっても楽しそう。私は驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。
実はその学校、数ヶ月前まで、教室は荒れ放題、教材はほとんどなく、教師は酔っぱらいながら授業を行うというひどい状態でした。周りの大人たちと話してみても、貧しさを理由に、あきらめてしまっている様子。そこから先はまさに戦いでした。まずは「学校改善はコミュニティ全体の問題」という意識をもってもらうため、教師や保護者、地域住民と何度も話し合いを重ねました。そして、徐々に賛同者を増やしながら、彼ら自身が知恵を出し合い、教材を手作りし、みんなで学校改善に取り組んできました。大人たちの変化は、子どもたちにも影響を与えたようです。
子どもたちも学校運営に積極的
私を教室に案内してくれた女の子は、将来の夢を話してくれました。「子どもがもっと良い教育を受けられる環境づくりに携わりたいの」こういう子が育つなら、この学校はこれから先もきっと安心。活動の成果を感じた瞬間でした。