(公開日:2021.09.01)国際協力NGOのための「子どもと若者のセーフガーディング実践研修」がはじまりました
セーブ・ザ・チルドレンは、国際協力機構(JICA)からの委託を受け、国際協力や人道支援活動に関わるNGOがセーフガーディングの取組をともに学び、強化していくための「子どもと若者のセーフガーディング実践研修」を2年間にわたって実施しています。
「セーフガーディング」とは
子どもと若者のセーフガーディングは、「組織の役職員や関係者によって、また事業や運営を通じて、子どもと若者にいかなる危害も及ぼさないよう、つまり危険や虐待のリスクにさらすことのないよう努めることであり、万一、活動を通じて安全にかかわる懸念が生じたときにはしかるべき責任機関に報告を行いそれを組織の責任として取り組むこと」です。つまり、私たちの活動が子どもや若者にとって安心・安全なものであることを担保するものと言うこともできるでしょう。
セーフガーディングは、リスク削減や安全な事業設計から、人材採用、スタッフへの啓発、通報制度、事案調査や人事処遇、再発防止までの幅広い要素からなり、包括的な取組が必要とされています。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を推進する団体として、子どもたちが安心して活動に参加できるよう、組織としてセーフガーディングの強化に取り組んでいます。国内外の多くの団体にもこの実践を広げるべく、啓発や研修活動にも取り組んでいます。詳しくはこちら
研修の目的
国際協力NGOの多くが、セーフガーディングの重要性を認識しつつも、「どこから始めればよいのかわからない」という疑問や戸惑いを感じていることがわかりました。そこでこの研修では、⼦どもや若者支援に携わるNGOとしての組織的責任や、問題背景や実情についての理解を深めています。さらに、国際基準に沿ったセーフガーディングの制度やしくみを各々の団体内に導⼊し強化していくことを目的としています。効果的な実践のための資料を作り、より多くの人々に理解を深めていただけるようなシンポジウムも企画していきます。
連続研修がスタートしました
本研修には、16のNGOから37名と、さらにJICAからオブザーバー5名が参加しています。研修第1回(2021年5月)と第2回(2021年7月)は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により集合型研修の実施が難しかったため、オンラインでの実施となりました。
1回研修では、子どもと若者のセーフガーディングの概要、スタッフによる子どもに対する暴力とセーフガーディングに関する近年の動き、スタッフや関係者による虐待・不適切行為、責任者・担当者の役割と心構え、PSEAH(Protection from Sexual Exploitation, Abuse and Harassment=性的搾取・虐待・ハラスメントからの保護)についてなど、基礎を学びました。
また、この連続研修では、各参加団体が子どもと若者のセーフガーディングに関する際井基準のセルフチェックを行い、アクション・プランを作成し、各団体における指針や行動規範作りを行っていきます。第1回研修では、そのためのセルフチェックの方法やリスク分析等についても学びました。
第2回研修では、セーフガーディング指針、報告相談の窓口やフローづくりなどを学びました。セーフガーディングの懸念があった際に報告を阻む理由などについて、グループで話し合うことにより、現場でどのような困難に直面する可能性があるか、また、それをどのように予防するかについて、理解を深めることができました。
いずれの研修でも、参加者の間で活発な議論や経験の共有などが行われ、研修後に行ったアンケートでは、特に、「他団体での経験談が参考になった」という声が多くありました。具体例や事例対応についての要望も多く寄せられ、より実践的で具体的なものを取り入れていきたいという参加者の熱意が感じられました。
今後の取り組み
引き続き全7回の連続研修を行い、多角的な視点から、参加者が特に理解を高める必要があると感じているテーマについてさらに深く掘り下げて学んでいきます。参加者がお互いの経験から学び合い、各団体の取組に取り入れていけるような勉強会も実施していきます。
来年には公開型シンポジウムを開催する予定です。また、この事業の中で作成する資料も随時公開し、連続研修に参加できなかった方々にも学びのエッセンスを共有していきたいと考えています。ぜひ続報をご期待ください。
※ 本事業はJICAの「NGO等提案型プログラム」の一環として、NGOの組織運営や事業実施上の能力強化を行う目的のスキームを利用したものです。また、実施にあたっては、JANICの「子どもと若者のセーフガーディング・ワーキンググループ」が協力しています。
「セーフガーディング」とは
子どもと若者のセーフガーディングは、「組織の役職員や関係者によって、また事業や運営を通じて、子どもと若者にいかなる危害も及ぼさないよう、つまり危険や虐待のリスクにさらすことのないよう努めることであり、万一、活動を通じて安全にかかわる懸念が生じたときにはしかるべき責任機関に報告を行いそれを組織の責任として取り組むこと」です。つまり、私たちの活動が子どもや若者にとって安心・安全なものであることを担保するものと言うこともできるでしょう。
セーフガーディングは、リスク削減や安全な事業設計から、人材採用、スタッフへの啓発、通報制度、事案調査や人事処遇、再発防止までの幅広い要素からなり、包括的な取組が必要とされています。
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を推進する団体として、子どもたちが安心して活動に参加できるよう、組織としてセーフガーディングの強化に取り組んでいます。国内外の多くの団体にもこの実践を広げるべく、啓発や研修活動にも取り組んでいます。詳しくはこちら
研修の目的
国際協力NGOの多くが、セーフガーディングの重要性を認識しつつも、「どこから始めればよいのかわからない」という疑問や戸惑いを感じていることがわかりました。そこでこの研修では、⼦どもや若者支援に携わるNGOとしての組織的責任や、問題背景や実情についての理解を深めています。さらに、国際基準に沿ったセーフガーディングの制度やしくみを各々の団体内に導⼊し強化していくことを目的としています。効果的な実践のための資料を作り、より多くの人々に理解を深めていただけるようなシンポジウムも企画していきます。
連続研修がスタートしました
本研修には、16のNGOから37名と、さらにJICAからオブザーバー5名が参加しています。研修第1回(2021年5月)と第2回(2021年7月)は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により集合型研修の実施が難しかったため、オンラインでの実施となりました。
1回研修では、子どもと若者のセーフガーディングの概要、スタッフによる子どもに対する暴力とセーフガーディングに関する近年の動き、スタッフや関係者による虐待・不適切行為、責任者・担当者の役割と心構え、PSEAH(Protection from Sexual Exploitation, Abuse and Harassment=性的搾取・虐待・ハラスメントからの保護)についてなど、基礎を学びました。
また、この連続研修では、各参加団体が子どもと若者のセーフガーディングに関する際井基準のセルフチェックを行い、アクション・プランを作成し、各団体における指針や行動規範作りを行っていきます。第1回研修では、そのためのセルフチェックの方法やリスク分析等についても学びました。
第2回研修では、セーフガーディング指針、報告相談の窓口やフローづくりなどを学びました。セーフガーディングの懸念があった際に報告を阻む理由などについて、グループで話し合うことにより、現場でどのような困難に直面する可能性があるか、また、それをどのように予防するかについて、理解を深めることができました。
いずれの研修でも、参加者の間で活発な議論や経験の共有などが行われ、研修後に行ったアンケートでは、特に、「他団体での経験談が参考になった」という声が多くありました。具体例や事例対応についての要望も多く寄せられ、より実践的で具体的なものを取り入れていきたいという参加者の熱意が感じられました。
今後の取り組み
引き続き全7回の連続研修を行い、多角的な視点から、参加者が特に理解を高める必要があると感じているテーマについてさらに深く掘り下げて学んでいきます。参加者がお互いの経験から学び合い、各団体の取組に取り入れていけるような勉強会も実施していきます。
来年には公開型シンポジウムを開催する予定です。また、この事業の中で作成する資料も随時公開し、連続研修に参加できなかった方々にも学びのエッセンスを共有していきたいと考えています。ぜひ続報をご期待ください。
※ 本事業はJICAの「NGO等提案型プログラム」の一環として、NGOの組織運営や事業実施上の能力強化を行う目的のスキームを利用したものです。また、実施にあたっては、JANICの「子どもと若者のセーフガーディング・ワーキンググループ」が協力しています。