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(公開日:2024.03.07)
【活動報告】子どものセーフガーディング連続研修2023

セーブ・ザ・チルドレンは、20238月から約半年間にわたり、「子どものセーフガーディング連続研修2023」を実施しました。この連続研修は、全6回の研修を通して、子どものセーフガーディングを導入し、参加者相互の学びを通じてより効果的で機能的に実践を進めていくことを目指した伴走型の研修です。国内の子ども支援活動に携わっているNPO や民間団体、およびネットワークの役員や職員などを対象とし、全国の子どもに関わる9団体の、セーフガーディングの推進に影響力のある役員や幹部、管理職、広報担当者、子どもと接する現場の職員など約30人が参加しました。第1回〜第5回までは各3時間オンラインで、最終回の第6回のみ、東京の会場で、終日対面研修を実施しました。



北海道から関西までの9団体がオンラインで議論を重ねました

 


本連続研修は、セーフガーディングの背景と国際的基準を理解すること、各団体の理念や活動実態を踏まえ取り組みのアクションプランを作ること(セーフガーディング指針、行動規範、通報相談体制など)、子ども⽀援に携わる人材交流を通じ、問題意識や好事例を共有し、より具体的で実践的な取り組みの視野を広げることを目標としました。各回とも専門家による講義と、参加団体同士のグループディスカッションを中心に進められました。講師は第4回研修に樽本法律事務所(現・インテアス法律事務所)の樽本哲弁護士を迎えたほか、セーブ・ザ・チルドレンの職員が務めました。また、参加団体がセーフガーディングの取り組みの事例紹介を行い、他の参加者の実践からの学びについて、毎回活発な意見交換が行われました。各回のテーマは、以下の通りです。

 

1回 概要、虐待・不適切行為、最低基準、アクションプラン

2回 行動規範、指針、リスク分析と削減

3回 性暴力の理解と予防

4回 人材管理

5回 広報活動

6回 通報相談と対応の基本、各団体の取り組み共有

 

対面で行われた第6回研修では、各団体が初回の研修で作成したアクションプランの進捗状況について確認しました。またセーフガーディングについて制作した成果物、セーフガーディングに関わる資料や参考図書などについて、共有しました。



 資料コーナーには推薦図書や各団体の製作物を展示


そして、セーフガーディングの通報・相談と、問題対応の仕組みと留意点についての講義とグループワークを行い、実際の事例対応のシミュレーションをグループワークで行いました。




最後に、「次に取り組みたいアクション」と「今後スタッフや仲間とセーフガーディングを学んでいく時に、大事にしたい価値観や伝えたいメッセージ」を全員で出し合いました。「団体文化の向上だけでなく、子ども・利用者への浸透を進めていきたい」、「改めて出た課題を踏まえて、セーフガーディングの仕組みが形骸化しないよう取り組んでいきたい」、「セーフガーディングの取り組みは、みんなを縛るものではなく、子どもたちや団体の活動をも守るもの」といった声があり、セーフガーディングの取り組みに対する組織、また個人としてのモチベーションの向上や、コミットメントへの決意を確認することができました。また、事後アンケートにて、「報告対応のフローチャートがとても参考になった」「様々な取り組みステージにある方たちの話や状況を聴くことが出来て、これから取り掛かる立場として理解の助けになった」との声がありました。

 

研修全体を通しての各団体のセーフガーディングの取り組みについて、「担当者の多忙、他の優先順位に押されたこと」や「組織としての方向性がゆらいでいたこと」、「担当者やキーパーソンが途中で交代したこと」などが、実践の取り組みの障害となった一方、「上司や同僚の理解やサポート」や、「組織として取り組むことへの合意」、「本連続研修への参加」が後押しになったという意見が寄せられました。取り組みの進捗について、各団体の取り組みのレベルは異なりますが、研修を経て、団体内でのセーフガーディングの周知や研修、通報相談の窓口の設置に取り掛かったという団体が複数ありました。

 

国内の子ども支援活動に携わっている団体が今回のようにセーフガーディングについて学び合うことで、今後、それぞれの組織、またNPO全体で取り組みを推進する契機になったと思います。

今後も、セーブ・ザ・チルドレンは、子どものセーフガーディングの組織内、また子ども支援活動に携わっている団体における強化に向けた働きかけを行っていきます。


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