(公開日:2018.11.20)援助関係者の必携書、緊急下の子どもを適切に守る国際基準『人道行動における子どもの保護の最低基準』日本語訳発行
セーブ・ザ・チルドレンは、緊急支援を実施する団体や関係者が順守すべき国際基準である『Minimum Standards for Child Protection in Humanitarian Action』の日本語版『人道行動における子どもの保護の最低基準』を発表しました。
本ガイドラインは、6つの原則と26の基準からなり、紛争や自然災害発生時、暴力や搾取、虐待にあった子どもたちを適切に守るため、あるいはそのような被害を未然に防ぐために、援助関係者が最低限順守すべき国際的な基準が定められています。それぞれの基準には、緊急事態発生後の対処だけでなく、平時から準備すべき事項、また、具体的な数値等による成果指標や行動指標、目標も定められています。
【原則とアプローチ】
【質の高い子どもの保護支援を行うための基準】
【子どもの保護のニーズに取り組むための基準】
【適切な子どもの保護の戦略を立てるための基準】
【子どもの保護を他の人道支援セクターにおいて主流化するための基準】
例えば、基準10では、被災体験などによりストレスが強い状況に置かれた子どもは、不眠や悪夢に悩まされたり、罪悪感を感じることがあるものの、衣食住などの基礎ニーズが満たされれば、ほとんどのケースは専門的な支援を必要とせず再び正常な状態に戻れるようになることから、子どもたちがもともと有している対応力や回復力(レジリエンス)を強化する活動を取り入れるべき、と定められています。また、基準11では、紛争下で軍や武装勢力に関与した子どもたちへの支援に際し、単なる武装解除だけでなく、地域に根差した社会復帰プログラム実施の意義やそのプロセス等が記載されています。
今回、2012年に制定された国際基準の日本語訳が完成したことで、海外で子ども支援を行う団体だけでなく、日本国内で災害対応に携わる団体や関係者の間でも広く活用され、緊急下で適切な子どもの保護が定着することが期待されます。
セーブ・ザ・チルドレンは、本年12月以降、ガイドラインを広めるために、基準の周知や啓発を担う講師の養成研修を実施するほか、養成された講師によるオリエンテーションを、東京や大阪などで開催予定です。
『人道行動における子どもの保護の最低基準』日本語版冊子PDFダウンロードはこちら(1.6MB)
人道行動における子どもの保護 紹介動画
本ガイドラインは、6つの原則と26の基準からなり、紛争や自然災害発生時、暴力や搾取、虐待にあった子どもたちを適切に守るため、あるいはそのような被害を未然に防ぐために、援助関係者が最低限順守すべき国際的な基準が定められています。それぞれの基準には、緊急事態発生後の対処だけでなく、平時から準備すべき事項、また、具体的な数値等による成果指標や行動指標、目標も定められています。
【原則とアプローチ】
- 原則1:自らの行動の結果として、人々をさらなる危害にさらさないようにすること
- 原則2:公平な援助への人々のアクセスを確保すること
- 原則3:暴力や抑圧による身体的・心理的な危害から人々を保護すること
- 原則4:自らの権利を主張し、可能な救済手段にアクセスし、虐待の影響から回復できるよう、人々を支援すること
- 原則5:子どもの保護システムを強化すること
- 原則6:人道行動における子どもたちのレジリエンス(回復力)を強化すること
【質の高い子どもの保護支援を行うための基準】
- 基準1 調整
- 基準2 人事管理
- 基準3 コミュニケーション、アドボカシーとメディア
- 基準4 プログラム・サイクル・マネジメント
- 基準5 情報管理
- 基準6 子どもの保護のモニタリング
【子どもの保護のニーズに取り組むための基準】
- 基準7 危険と外傷
- 基準8 身体的暴力および他の有害な慣習
- 基準9 性暴力
- 基準10 心理社会的苦痛と精神疾患
- 基準11 軍または武装集団と関係する子ども
- 基準12 児童労働
- 基準13 大人に付き添われていない子どもや主たる養育者と離ればなれになった子ども
- 基準14 子どものための司法
【適切な子どもの保護の戦略を立てるための基準】
- 基準15 ケースマネジメント
- 基準16 コミュニティに根差した子どもの保護のメカニズム
- 基準17 チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS)
- 基準18 排除された子どもの保護
【子どもの保護を他の人道支援セクターにおいて主流化するための基準】
- 基準19 経済的回復と子どもの保護
- 基準20 教育と子どもの保護
- 基準21 保健医療と子どもの保護
- 基準22 栄養と子どもの保護
- 基準23 水・衛生(WASH)と子どもの保護
- 基準24 シェルターと子どもの保護
- 基準25 キャンプや避難所などの管理運営と子どもの保護
- 基準26 配給と子どもの保護
例えば、基準10では、被災体験などによりストレスが強い状況に置かれた子どもは、不眠や悪夢に悩まされたり、罪悪感を感じることがあるものの、衣食住などの基礎ニーズが満たされれば、ほとんどのケースは専門的な支援を必要とせず再び正常な状態に戻れるようになることから、子どもたちがもともと有している対応力や回復力(レジリエンス)を強化する活動を取り入れるべき、と定められています。また、基準11では、紛争下で軍や武装勢力に関与した子どもたちへの支援に際し、単なる武装解除だけでなく、地域に根差した社会復帰プログラム実施の意義やそのプロセス等が記載されています。
今回、2012年に制定された国際基準の日本語訳が完成したことで、海外で子ども支援を行う団体だけでなく、日本国内で災害対応に携わる団体や関係者の間でも広く活用され、緊急下で適切な子どもの保護が定着することが期待されます。
セーブ・ザ・チルドレンは、本年12月以降、ガイドラインを広めるために、基準の周知や啓発を担う講師の養成研修を実施するほか、養成された講師によるオリエンテーションを、東京や大阪などで開催予定です。
『人道行動における子どもの保護の最低基準』日本語版冊子PDFダウンロードはこちら(1.6MB)
人道行動における子どもの保護 紹介動画