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提言・声明
(公開日:2021.04.12)

【声明】G20は最貧国の債務救済に一層の尽力を―新型コロナウイルス感染症

 
セーブ・ザ・チルドレンは、2021年4月7日に発表された、G20財務大臣・中央銀行総裁会議声明を受け、世界の最貧国に対する重要な支援を含む、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による経済危機に対応するためのG20の取り組みを歓迎します。

しかし、35の低・中所得国では、依然として人々の医療費よりも債務の支払いに多くの支出を行っており、債務救済を切実に必要としている国々が債務救済を受けられないことに、セーブ・チルドレンは強い懸念を抱いています。対策が講じられない日々が続くことは、危機の影響を受けた子どもたちの命や未来が失われることを意味します。

新型コロナウイルス感染症の危機発生後に設立されたG20の債務イニシアティブにより、いくつかの国では、債権者に資金を返済する代わりに、その資金を公共の目的、つまり最も貧しい子どもたちとその家族にとって重要な教育、保健医療、栄養、生活支援に使うことができるようになりました。

G20は、今月7日のG20財務大臣・中央銀行総裁会合において、債務返済猶予イニシアティブ(DSSI)の2021年末までの期限延長を決定しました。しかし、この決定は有益ですが、十分ではありません。イニシアティブの終了時期は、恣意的に決められた時点ではなく、ニーズに基づいて判断されるべきです。低所得国における資金ギャップを考えると、少なくとも2022年末までの延長が急務です。

さらに、DSSIよりも長期的な救済をもたらすと見られる債務再編についても、より大きな進展が必要です。「DSSI後の債務措置に係る共通枠組み」が発表されてから数ヶ月が経過しましたが、申請手続きが完了したのはチャドのみです。この枠組みに関する透明性がいまだ欠如していることは重大な問題であり、すべての関係者の説明責任が果たされるよう対処しなければなりません。

これらの G20 のイニシアティブは、民間債権者が参加しない限り、有効に機能しないと考えられますが、民間債権者は依然としてその意思を示していません。G20 は、法制化の選択肢の検討も含め、民間債権者を交渉の場に参加させるよう、より積極的に行動しなければなりません。

国際通貨基金(IMF)は、低所得国が直面する、資金へのアクセスが制限され、歳入を増やす余地がほぼない厳しい危機的な状況を強調し、早急な対策を求めました。G20はこれまで、低所得国が資金ギャップを解消できるよう、すべての手段を活用すると約束してきましたが、今月7日に発出された今回の声明で述べられた具体的な取り組みを見る限り、あらゆる手段がとられているとは言えません。セーブ・ザ・チルドレンは、G20がこれまで約束してきたことを確実に実行に移すことを求めます。

 

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