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提言・声明
(公開日:2021.06.14)

G7コーンウォールサミットに対するセーブ・ザ・チルドレンの見解

 
【2021年6月13日】6月11日から13日に英国コーンウォールで開催された今回のG7サミットは、パンデミックがいまだ猛威を振るっている最中に開催されましたが、私たちが緊急事態に直面していることは、今回の合意内容からは感じられません。2年前にG7サミットが開催されて以降、新型コロナウイルス感染症によって子どもたちの生活は甚大な影響を受けています。2022年末までに世界中でワクチンを接種するという計画は、一年遅れで10億回分のワクチンを提供するのみで、資金拠出の約束はなされませんでした。子どもたちを安全に学校に戻す計画にも、十分な資金がついていません。秋に開催されるG20とCOP26に向けて、世界の有力国は取り組みを強化する必要があります。今回のサミットは、復興に向けた最初の主要なサミットになるはずでしたが、その期待には応えられませんでした。2021年を子どもたちにとって真の変革の年にするためには、やるべきことが多くあります。

■保健分野
セーブ・ザ・チルドレンは、G7が野心的な世界規模のワクチン計画の合意に向けてリードする機会を逃したことに失望しています。早急な資金拠出、ワクチン提供、ワクチン供給の拡大に向けたより野心的なコミットメントがなければ、世界はこのパンデミックを終わらせることはできません。
来年までに10億回分のワクチンを低所得国に提供するという今回の合意は、喫緊にワクチンが必要とされている状況に対し不十分かつ遅すぎます。数えきれないほどの命を救い、何兆ドルもの経済的損失を防ぐために、G7は協力して、パンデミックに対処するためのグローバルなイニシアチブであるACTアクセラレーターの必要とする660億ドルの公正な分担に応じた資金拠出を行う必要があります。また、ワクチン製造と供給の拡大のため、技術、知的財産、知見の共有を支援することが求められます。

■栄養分野
セーブ・ザ・チルドレンは、G7が「飢饉防止および人道危機に関するG7コンパクト」を支持し、東京栄養サミットを含む食料安全保障、食料システム、栄養に関する一連の機会における強いコミットメントを呼びかけ、深刻化する栄養の危機へのG7の取り組みを表明したことを歓迎します。子どもたちの状況に真に貢献するためには、これらの言葉が「成長のための栄養に向けた行動の一年」を通して資金および政策的なコミットメントとして具現化されることが不可欠です。

■教育分野
新型コロナウイルス感染症の影響により、教育に取り組む必要性はかつてないほど緊急となっています。セーブ・ザ・チルドレンは、教育に特化した国際機関である「教育のためのグローバル・パートナーシップ(Global Partnership for Education, GPE)」に対して、G7が共同で27.5億ドルの拠出を誓約したことを歓迎します。今回の発表は、何百万人もの子どもたちが質の高い教育にアクセスするための重要なステップとなります。
しかし、今回の拠出誓約額は、世界の教育の緊急事態に対処するためには不十分であると言わざるを得ません。「教育のためのグローバル・パートナーシップ」は、今後5年間で50億ドルの増資を目標としており、7月に開催される「世界教育サミット」に向けて、G7のリーダーたちは、今回の拠出誓約額をさらに上積みし、同サミットで他のドナーからの野心的な拠出誓約を促すよう、リーダーとしての役割を果たしてください。

 

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