ケニア(公開日:2013.10.08)
【ケニア/干ばつ】トイレを使うのは怖くない?〜子ども保健クラブ活動2〜(2013.10.08)
子ども保健クラブでの第2回目のセッションでは、トイレを使うことについて皆で一緒に考えました。
この地域ではあまりトイレを利用する習慣がなく、子どもたちは草むらなどで用を足すことが多々あります。また、学校にトイレがあってもそれを利用せず、草むらですることも多いです。では、草むらでのトイレは何が問題なのでしょうか?
ひとつめには、子どもたちが不潔な環境の外で用を足すことで病気にかかりやすくなります。また、用を足した尿や便が地域の川に流れ込んだりして、貴重な井戸水などの水源を汚染する可能性があるからです。トイレを使うことは子どもたちの衛生環境を保つというだけでなく、井戸水などの汚染防止にもつながるため、とても大切です。
そこで、子どもたち自身がなぜトイレを使わない子どもが多いのかを、グループで話し合ってみることにしました。
中学生は、どうして小学生はトイレを使いたがらないのだろうと、自分たちがもっと小さかった時を思い出しながら考えてくれました。
小学生も一生懸命に理由を考えています。
どこの学校の子どもたちからも聞かれたこととして、
・トイレは臭いから使いたくない。
・トイレの穴に落ちるかもと思うと怖い。
(この地域で一般的なトイレは、水洗ではなく穴を掘って作られた落下式トイレ、いわゆる「ボットン便所」です。)
・トイレの穴には悪魔がいるような気がするから怖い。
(窓がなく暗いトイレが多く、ほぼ真っ暗なトイレもあります。)
といった、「トイレは怖い」という意見がたくさん聞かれ、特に低学年の子どもたちから多い意見でした。確かに、私も子どもの頃はボットン便所がとても怖かった思い出があります。
それでも、みんなで一緒にトイレについて話し合うことで、少しでもトイレで用を足す大切さを理解して、徐々に使うことに慣れていくきっかけになればと思います。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、トイレが不足していた7校に計54台のトイレを設置しました。穴を掘って作られた落下式トイレですが、煙突型の通気口によって臭いが通気口に誘導され、通気口を通して換気が常にされるトイレであるため、ただ穴を掘っただけのトイレに比べて臭いの発生が少ないのです。女子生徒を中心にトイレに入るところを他の生徒から見られたくないといった悩みも聞かれましたので、各トイレの正面にはトイレに入るところが見えにくくなるような壁を設置しています。
人の高さより少し低い壁をトイレドア正面に設置
次回は飲み水の安全について、ご報告します。
本事業はジャパン・プラットフォームの助成と皆様からのご支援により実施されました。
(報告:田邑恵子)