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ベトナム
(公開日:2018.02.26)

ベトナム防災事業「水の事故から子どもたちを守る(その2):事業地にて活動を再開」

 
セーブ・ザ・チルドレンは、洪水などの災害が慢性化しているベトナム南部メコン・デルタに位置するドンタップ省タムノン郡において防災事業を開始しました※。2017年11月、このタムノン郡にて事業開始会合が開かれました。事業開始会合とは、事業の関係者が一堂に会して、事業を実施する目的や、事業の進め方等を確認するものです。

当日は、現地のパートナーであるドンタップ省やタムノン郡の人民委員会、自然災害対策委員会、教育訓練局や農業農村開発局の防災担当スタッフ、そしてコミューンレベルの行政関係者等、総勢52人の関係者が参加しました。

タムノン郡での事業開始会合


会合が開かれた翌日、事業運営委員会メンバー14人を対象に、事業のモニタリングや評価についての研修を開始しました。事業運営委員会は、郡やコミューンの人民委員会や地方行政の代表者から構成されており、事業活動を継続的にモニタリング・評価していく役割を担っています。研修開始前に、運営委員に対して実施した事業管理についての理解度テストで、合格点を収めた委員は全体のわずか9%だったにもかかわらず、研修終了後には79%にまで上昇しました。研修では、参加者が自分自身でモニタリング評価計画を作成する演習を通して、事業成果の測り方に関して理解を深めることができました。


2017年11月中旬には、赤十字社の協力も得ながら、各コミューンのリーダーや自然災害対策委員会メンバーによって構成される緊急救援チームを対象に、人命救助に関わる研修も実施しています。



コミューンの緊急救援チームのメンバーを対象に人命救助に関わる研修を実施

ドンタップ省労働局は、2012年から2017年3月にかけて省内で217人の子どもが水の事故で亡くなっていると発表しており、タムノン郡の行政および学校関係者も早急に対策を講じる必要性に迫られています。事業では、洪水が発生した時の水の事故のリスクを最小限にとどめるため、学校にプールを建設し、水泳指導を行うことで子どもたちの水泳能力を高める活動も展開していく予定です。


事業地のタムノン郡は河川や水路が多い生活環境です。



かつて子どもたちの水遊びの場であった河川や水路は
農業排水等で汚染され、子どもたちは水に親しむ機会を失っています。

今後、事業では、対象地のコミュニティの人々と学校生徒を対象にした防災リスク削減および気候変動に対応するための活動を進めると同時に、地方行政官の防災対策能力の強化を目指していきます。また、事業地の人々の防災意識を高める活動も実施していきます。

前回のブログでは、事業地をドンタップ省ホングー郡と報告していましたが、事業対象地としていたホングー郡がカンボジア国境に接していることから治安の問題が懸念されるとして、ベトナム政府からセーブ・ザ・チルドレンに対して事業地変更の要請がありました。その後現地調査を経て、事業地をドンタップ省内の他の地域で、支援ニーズの高いと判断したタムノン郡の4つのコミューンに変更しました。



本事業はみなさまからのご寄付、株式会社ファミリーマート、および外務省のご支援により実施しています。

(海外事業部 ベトナム担当:鶴岡)



 

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