ベトナム(公開日:2010.01.01)
事業の概要
SCJのベトナムでの支援活動は、1995年から始まりました。以来、タインホア省、北部イェンバイ省、および中部クアンチ省など少数民族が多く暮らす地域を中心に、子どもの栄養改善のための活動を行ってきました。現在は、周産期の女性や妊産婦、母親やその家族を対象に、栄養改善の研修、完全母乳育児の推進、栄養補助食の供与を行い、また、栄養不良の根本原因である貧困にあえぐ家庭の生計を向上させる支援などを総合的に行っています。
駐在員紹介
新井綾香(あらいあやか)
事業地の地図
主な支援事業
<保健・栄養>
完全母乳育児の指導、栄養指導の支援
【支援地】 イェンバイ省バンチャン郡・ルックイェン郡、クアンチ省フォンホア郡・ダクロン郡
【子どもへの効果】 出生直後から2歳未満の子どもの栄養不良率が改善する。
【活動】周産期女性や妊産婦、母親たちの育児支援グループ、そして父親などの家族支援グループに対し、定期的なミーティングを通して、完全母乳育児(*)について指導。妊婦の健康診断や子どもの身体測定を定期的に実施し、健康診断の定着を図る。生計向上支援では、各世帯が生産する食料の量と質を向上させるための家庭菜園と養鶏実施の技術指導を実施。この活動を効果的に利用し、地元で採集できる食材を使った調理実習や栄養指導をしながら、総合的に子どもの発達に貢献する。
※外務省 日本NGO連携無償資金協力、国際協力機構(JICA)助成
※「OPPAI PROJECT(オッパイプロジェクト)」の寄付金は、クアンチ省にて、完全母乳育児の普及のために活用されています。
ベトナムの子ども
(1)子どもの人口(18歳未満、2008年):28,653,000人(人口全体に占める割合は29%)
(2)子どもの人口(5歳未満、2008年):7,316,000人
(3)5歳未満児死亡率(1,000人あたり、2008年):14人
(4)小学校の純就学率(2003-2008年):93%
出典:UNICEF The State of the World Children Special Edition 2009 (1,2,3)およびUNICEF Childinfo Monitoring the Situation of Children and Women(4)
脚注
(*)医学・栄養学・社会福祉学では「育む」手段としての「哺育」が多く使われ、また、生後6ヶ月間の新生児および乳幼児の「保温・栄養・感染症予防」に焦点が絞られているため、「哺育」のほうがより適切ではあるが、WHO/UNICEFの「母乳育児を成功させるための十か条」に合わせ、用語を「育児」に統一した。