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ベトナム
(公開日:2014.10.15)

安全な学校を目指して 〜ベトナム防災・気候変動事業の取り組み〜(2014.10.15)

 
8月30日、ホーチミン市ニャーベー地区にて、小・中学校の教員を対象にした防災・気候変動に関する研修を実施しました。


(研修にはホーチミン市の教育開発局も参加し、教員との活発な意見交換が行われました。)

今回はニャーベー地区にあるグェンヴァンタオ(Nguyen Van Tao)小学校及びヒェップフック(Hiep Phuoc)中学校から合計20名の教員が参加しました。子どもたちは、1日のうち多くの時間を学校で過ごします。ベトナムでは、子どもが学校にいる時間帯に台風や洪水などが発生することも多く、自然災害に関する理解や救助方法などの基本的な防災知識を、教員が身に付けていることが必要不可欠です。

今回の研修では、年間を通じて災害が起きやすい時期を皆で確認したり、災害の種類やその影響を分析したり、救命救急の方法などを参加型で学び合えるようにしました。


(年間の災害分析をする教員。この地区では洪水、干ばつ、台風、塩害、地滑りの5つの主な災害がある)

年間の災害分析の際、教員の一人が、「ベトナムでは、伝統的に蟻や小動物などが災害を事前に予知すると言われています。昆虫や動物などの動きも一つの情報になりうると思います」と発言すると、昆虫や動物の観察については大人よりも子どもたちの方が得意なので、子どもの言うことを聞くことが大事だとの意見が上がりました。

防災活動では、最新の災害予知システムや、避難を指示するスピーカーなどについ頼りがちになってしまいますが、大雨の音でスピーカーの音が全く聞こえなかったというケースもよく耳にします。教員の間からあがったような地域に根付く伝統的知恵は、科学的根拠は得ていないものの、実際の現場では機能することも多く、最新の科学技術と同時にこのような知識もしっかりと共有し、子どもたちにも伝えていくことが大切だと、研修に参加した教員たちが意識するようになりました。


(通学中の子どもたち。子どもは就学中だけでなく、通学時にも災害のリスクにさらされます。)

近年、ベトナムで発生した大型自然災害による死者の半数以上を子どもが占めています。東日本大震災の経験が物語るように、日中に起きる災害では、時には学校教員の判断や行動が子どもたちの生死を分けることになります。こうした研修を重ねることで、一人でも多くの教員が、自分たちが子どもを守るという使命感を持ち、来るべき災害に備えることができるよう、活動していきます。

※本事業は、皆様からのご寄付および株式会社ファミリーマートのご支援により実施しております。

(報告:ベトナム駐在員 新井)

 

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