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ネパール
(公開日:2026.09.11)

【ネパール土石流】災害後に親と離れ離れになった子どもは500人以上、今なお行方不明の子どもが数百人

 
ネパール・カトマンズ、9月9日 ―壊滅的な被害を与えた土石流から2週間が経過した現在、約540人の子どもたちが親と離れ離れになるなど、保護者と一緒に暮らせない状況に置かれています。



セーブ・ザ・チルドレンがヌワコット郡で設置する「こどもひろば」

家族の所在確認と再会支援へのニーズが高まる中、ネパール国家子どもの権利委員会とセーブ・ザ・チルドレンを含む子どもの保護の専門家による緊急調査では、9月4日時点で1,233人の子どもが避難所で生活していることが確認されました。

そのうち102人は保護者や親族に付き添われていない状態にあり、439人は親と離れ離れになりながら親族に世話をされながら暮らしています[1]。

さらに、学校や家族が連絡を取ることができていない子どもの数から推計すると、ラスワ郡とヌワコット郡では約630人の子どもの行方がいまだ確認できていません。
ネパール政府によると、この災害で1,300人以上が亡くなり、およそ5,000人が行方不明となっています[2]。

8月26日に発生した土石流は、わずか数分で地域を襲いました。
激しい濁流は橋を押し流し、道路を寸断しました。多くの住民にとって、安全な場所へ逃れる唯一の手段はヘリコプターによる救助でした。
洪水が発生したとき、学校にいた、または通学中だった子どもたちの中には、家族とは別の場所へ避難したため、そのまま離れ離れになってしまったケースもあります。
また、集落ごと流された地域もあり、父親や母親、あるいは両親を亡くしたとみられる子どももいます。
現在、保護者に付き添われていない子どもや家族と離れ離れになった子どもたちは被災地各地に点在しています。避難所などで暮らす被災者は3,600人を超えています

ビシャルさん(33歳)*は、土石流の発生時、自宅から離れた場所で働いていました。
濁流は村をのみ込み、自宅を破壊しました。避難先を転々とする人が多く、彼自身も家族を見つけ出すまで何日も探し続けたといいます。

ビシャルさんは当時を振り返り、次のように話します。
「3日間、家族がどこにいるのかまったく分かりませんでした。それは人生で最もつらい時間でした。土石流で家も商店も失いました。子どもたちは強い恐怖を感じ、それ以来ほとんど口を開かなくなってしまいました」

セーブ・ザ・チルドレンは、保護者のいない子どもや家族と離ればなれになった子どもを含め、子どもたちに精神保健・心理社会的支援を行っています。
避難所内に設置した「こどもひろば」では、年少の子どもたちがおもちゃのキッチンセットのテーブルに小さな椅子を並べて遊びながら過ごしています。
また、隣接する仮設学習スペースでは、子どもたちが英語の練習に取り組む姿も見られます。


こどもひろばで英語を練習する子ども

「こどもひろば」で活動する心理社会的支援カウンセラーのジャン・クマリ・ネウパネさんは、子どもたちの様子について次のように語ります。

「子どもたちが、ほかの子どもの面倒を見ている状況です。幼い子どもたちは、親が戻ってこないかもしれないことをまだ理解できていません。一方で年上の子どもたちは気丈に振る舞おうとしていますが、悪夢を見たり、不安や恐怖を抱えたりしています」




こどもひろばのゲームであそぶ子どもたち

災害によって閉鎖されていた学校の一部では、9月9日から授業が再開されました。ヌワコット郡の都市・ビドゥールでは子どもたちが教室に戻り始めています。
しかし、現在授業を受けられるのは、もともと同市で学校に通っていた子どもたちに限られています。
土石流で家を失ったり大きな被害を受けたりして、他の自治体からビドゥール市内の避難所へ移ってきた子どもたちは、現時点では学校に通うことができません。

セーブ・ザ・チルドレン・ネパール事務所代表のタラ・チェトリは、家族との再会支援の重要性を強調します。
「親と離れ離れになった子どもや保護者に付き添われていない子どもは、一人ひとりが緊急に保護を必要としています。この規模の災害では、家族の行方を捜し再会につなげることは非常に大きな課題で、最優先で取り組まなければなりません。子どもの安全を守りながら、行政機関が迅速かつ丁寧に進める必要があります」

また、避難所で暮らす子どもたちには別の危険もあると指摘します。
「保護者に付き添われていない子どもや親と離ればなれになった子どもは、暴力や搾取、虐待、人身取引などの被害に遭うおそれがあります。セーブ・ザ・チルドレンとパートナー団体は、警察と協力しながら検問所での見守りを行い、子どもの人身取引や違法な連れ去りを防いでいます。

被災地はいまも緊急支援段階にあります。支援ニーズは非常に甚大で、多くを失った何千人もの子どもたちを支えるための専門の人材が足りていません」

親と再会できない子どもについて、セーブ・ザ・チルドレンは可能な限り親族のもとで暮らせるよう支援するとともに、行政機関と連携しながら適切な一時保護や受け入れ体制の整備を進めています。

また、避難所で暮らす子どもや、土石流による被害を受けた学校へ戻れない子どもも含め、すべての子どもができるだけ早く教育を再開できるよう求めています。


これまでにセーブ・ザ・チルドレンは、2,220人以上の子どもを含む6,100人以上に緊急支援を届けてきました。
被災地では、子どもたちが安心して遊び学べる「こどもひろば」や仮設学習スペースを設置しています。さらに、現地パートナー団体と協力し、子どもたちをサポートするカウンセラーの増員も進めています。
支援チームは活動地域を広げながら、生活用品セットや調理器具セット、蚊帳などの物資配布も続けています。

セーブ・ザ・チルドレンは、1976年から50年にわたりネパールで活動しており、子どもたちを支えてきました。現在は子どもの安心・安全のための活動、教育、保健・栄養、ジェンダー平等、気候変動適応・防災、子どもの貧困対策など幅広い分野で支援を続けています。

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*プライバシー保護のため名前は変更されています

【脚注など】
[1] The rapid assessment in 30 out of 39 holding centres was led by the National Child Rights Council with support from Save the Children and other child protection partners. Data as of 4 September 2026.
[2] Ministry of Foreign Affairs, 7 September https://mofa.gov.np/content/1879/daily-update-07-september-bhote-koshi-flood/














 

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