EVERY ONE(公開日:2013.10.23)
新報告書「命の境界線:予防可能な子どもの死をなくすために」を発表!(2013.10.23)
セーブ・ザ・チルドレンは10月23日に新しい報告書、「命の境界線:予防可能な子どもの死をなくすために(Lives on the Line: An Agenda for Ending Preventable Child Deaths)」を発表し、最も貧しい子どもたちに対する乳幼児死亡率削減の取り組みの重要性を強調しました。
本報告書は、世界の乳幼児死亡のほとんどを占める75カ国を対象に、乳幼児死亡率削減の国連ミレニアム開発目標(MDG4)達成に向けた進捗を分析したものです。乳幼児死亡率削減の進捗のみならず、一国内の異なる社会、地域、そして所得グループ間において進捗が衡平であるか、また乳幼児死亡の削減に向けた政策が持続可能であるかの分析を取り入れた「EVERY ONE指標」に基づく、画期的なランキングを発表しています。
この新たな分析を行った結果、世界でも最も貧しい国の一つであるニジェールが、5歳未満児死亡率削減の進捗評価で、最も高いスコアを記録しました。少ない資源、そして度重なる干ばつなど、厳しい環境にありながら、ニジェールでは5歳未満児の死亡数を1990年の数値の3分の2近くまで下げ、国連ミレニアム開発目標の達成を目前にしています。
ニジェールでは、妊産婦と子どもに対する保健医療サービスの無料化、栄養改善のプログラム、そしてすべての人が質の高い保健医療サービスにアクセスできるようにする取り組みに力を入れており、これらが大きな成果をもたらしたと言えます。乳幼児死亡率は依然高い水準ですが、1990年には1,000人中326人の子どもの命が失われていたのに対して、2012年には114人まで下がりました。
ⒸJonathan Hyams/Save the Children
ルワンダ、インドネシア、マダガスカル、そしてインドにおいても同じように、衡平で持続可能性のある進捗が見られています。リベリアと中国も高いスコアをはじき出しましたが、データが不十分なため、これらの国における進歩が衡平で持続可能なものなのかは未知数です。
一方で、ハイチ、パプア・ニューギニア、赤道ギニアは削減スピードも遅く、5歳未満児の死亡率が不平等な形で現れており、保健と栄養に対する投資も高くありません。
全体的に乳幼児死亡率が減少しているサハラ以南アフリカ諸国のいくつかの地域では、1998年から2008年の間で経済格差が更に大きくなり、不平等が広がっている状況です。
セーブ・ザ・チルドレンは各国政府に対し、以下のことを提言します。
■ 2030年までに、新生児を含むすべての子どもに対して保健医療サービスが提供されることを目標とし、国家保健計画を策定・実施すること。
■ すべての子どもが生存と成長のために必要な栄養を受けられるよう、栄養不良をなくすキャンペーンを立ち上げること。
■保健に対する国家支出を増やすこと。
どこで生まれても、誰の子どもであっても、子どもは生きる権利を平等に持っています。
すべての子どもに5歳の誕生日を。
セーブ・ザ・チルドレンの新報告書「命の境界線:予防可能な子どもの死をなくすために」は以下をご参照ください