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EVERY ONE
(公開日:2010.08.18)

【PICK UP!】アフガニスタン:助産婦が救える命(2010.08.18)

 


「妻のハリーマが陣痛を訴えたのは夜10時でした。近くのクリニックに連れて行きましたが、助産婦がいないと言われたため、車で都市部にある病院に1時間半かけて行きました。そこで手術を行いましたが、赤ちゃんは手術直後に亡くなりました。妻はひどい出血で、さらに480キロ離れた首都カブールでないと治療ができないと言われました。なんとかお金を借り集めてカブールに連れて行きましたが、カブールの病院では、手術が適切に行われなかったため処置のほどこしようがないと言われてしまいました。私はパキスタン(アフガニスタンの隣国)まで妻を連れて行きましたが、妻はそこで亡くなりました。あのひどい夜のことを私は忘れることはありません。」




当時を語るモハンマド・オメール氏 39歳


当時を語るモハンマド・オメール氏 39歳







モハンマドは現在、4歳から15歳の4人の子どもたちと68歳になる自分の母親とアフガニスタンの北部で暮らしています。


「子どもたちは母親のことをいつも私に聞きます。一番下の子どもは母親が死んだということを受け入れることができず、母親が家に戻ってくるのをずっと待っています。私の母は年老いているため、私が早く帰宅して、子どもたちと遊ぶようにしています。私はいつも子どもたちの将来のことを考えています。母は子どもたちの面倒をよくみてくれますが、子どもたちにとっての母親はハリーマ以外にはいません。」(モハンマド氏)




モハンマド氏の息子


モハンマド氏の息子。


妹になるはずだった赤ちゃんと母親を亡くした。


モハンマド氏と子どもたち


モハンマド氏と子どもたち



アフガニスタンは、妊産婦と子どもの死亡率が世界でも最も高い国の一つです。専門家の付添による出産は全体の14%にすぎず、女性は出産にともなうトラブルにより8人に1人が亡くなっており、4人に1人の子どもが5歳の誕生日を迎えられずに死亡しています。



この状況を改善するため、アフガニスタンの保健省は、迅速に助産婦を育成し、公的な医療ケアを利用できる手段がほとんどない地方に、育成した助産婦を派遣するプログラムを開始しました。2002年に比べ、助産婦学校の数は6校から31校に増加。毎年300src="/everyone/400人の助産婦が育成されており、これまでにおよそ2,400人が教育を受け、政府やNGOにより国中で雇用されています。そのほとんどが自らの出身地で働いています。



このような努力もあり、地方でも出産前のケアを受けることができる女性は、2003年の5%から2006年には32%にまで増加しました。しかしながら、アフガニスタンのすべての女性に基本的な助産サービスを提供するためには推定で8,000人から10,000人の助産婦が必要であるとされています。



セーブ・ザ・チルドレンでは、2004年からコミュニティの助産婦学校の支援プロジェクトをスタートしました。出産時のトラブルにも対応できる知識と技術をもち、妊産婦や新生児の罹病率や死亡率の削減に向けて熱意をもって取り組むことができる、能力の高い助産婦を育成しています。これまでに77名がセーブ・ザ・チルドレンが支援する助産婦学校を卒業しており、現在、36名が2010年の卒業に向けて勉強中です。




セーブ・ザ・チルドレンが支援する学校で妊婦検診の実習に取り組む女性


セーブ・ザ・チルドレンが支援する学校で


妊婦検診の実習に取り組む女性





※写真撮影:Mats Lignell/Save the Children



アフガニスタンにおける保健分野への取り組みはこちらもご覧ください。


次回は、世界最多の人口を抱える国を特集します。




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