EVERY ONE(公開日:2010.09.16)
【PICK UP!】パキスタン洪水:支援を待つ10万人の妊産婦たち(2010.09.16)
パキスタン北西部で発生した洪水の影響で、被災地では乳幼児や妊産婦の健康が危機にさらされています。
避難生活を送る被災者たち。
洪水により1,700万人が被災し、800万人が緊急支援を必要としている。
パキスタンは被災前から乳幼児死亡率が高く、20人に1人の子どもが生後1ケ月以内に命を落とすという厳しい状況におかれています。このような環境に加え、今回の洪水被害により、現在、妊産婦や子どもを含む何百万人もの人々が、デング熱、マラリア、下痢などの感染症のリスクにさらされています。これらの病は治療が可能なものですが、適切な処置がなされない場合は命にかかわります。
国連によると被災した妊産婦は50万人以上にのぼります。うち10万人以上が、きたる数か月のうちに出産を迎えますが、その多くは汚れた水に囲まれて生活しており、適切な医療ケアが不足する中、仮設シェルターでの出産となる見込みです。
テントが足りず、道路わきでキャンプをしながら生活する被災者も。
ヤギや牛など所有していたものをほとんど失わずにすんだ人もいれば、
着のみ着のままで避難所にやってきた人もいる。
セーブ・ザ・チルドレンは、国連機関や現地政府と協力しながら、これまでに49万人以上の被災者に緊急医療や食糧、テント、衛生キット等を届けてきました。特に緊急医療の分野では、医療施設・移動医療チームを通した医療活動や、医薬品、出産用キット等の配布を行っています。
例えば、シンド州の女性・アビダのケース。被災時にアビダは初めての子を妊娠していました。押し寄せる洪水から逃がれるため、アビダは自宅を飛び出し、他にも2千人が避難している学校にたどりつきました。セーブ・ザ・チルドレンでは、彼女に医薬品や乳幼児に必要なキットを提供しました。
避難生活を送る母子。
衛生環境が整っていない狭い空間は病気の蔓延につながる恐れがある。
今後もこれらの活動を続けるとともに、医療施設の復旧支援やマラリア防止用の蚊帳の配布など、妊産婦や子どもを含む被災者の健康を守るための支援を行っていきます。
(写真:Jason Tanner/Save the Children)
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