トップページ > スタッフブログ > EVERY ONE > 新生児の死亡率:減少傾向にあるものの、子どもの死亡率においては依然高い割合を占める(2011.09.12)

EVERY ONE
(公開日:2011.09.12)

新生児の死亡率:減少傾向にあるものの、子どもの死亡率においては依然高い割合を占める(2011.09.12)

 


この度、セーブ・ザ・チルドレンはWHO (世界保健機関)とともに、新生児の死亡率に関する調査を実施し、メディカルジャーナル「PLoS Medicine」にて調査結果を発表しました。



調査結果によると、新生児の死亡率が世界的に減少傾向にあるものの、減少のスピードが非常に遅く、特にアフリカは他地域と比べて死亡率の削減が大幅に遅れていることがわかりました。



新生児の死亡とは生後4週間以内に亡くなった場合を指します。1990年の新生児死亡数は460万人であったのに対し、2009年には330万人まで減少しました。しかし、2000年以降、減少の勢いに陰りが見えています。国連ミレニアム開発目標(MDGs)が策定されて以来、お母さんと5歳未満の子どもの生存率は、国際社会による女性や子どもの保健医療への資金投入に比例して急速に向上し、お母さんは年間2.3%、5歳未満の子どもは同2.1%の成長が見られました。その一方で、新生児の生存率は年間1.7%にとどまっているのが現状です。




C)Rachel Palmer / Save the Children


(C)Rachel Palmer / Save the Children



1990年は5歳未満の子どもの死亡率のうち、新生児が占める割合は37%であったのに対し、2009年は41%に増加しており、今後も増えると予想されています。



アフガニスタンの新生児は、世界の中でも死亡リスクが最も高く、インドでは世界で最多数の年間90万人以上の新生児が亡くなっています。330万人におよぶ世界の新生児死亡数のうち、半数以上がインド、ナイジェリア、パキスタン、中国、コンゴ民主共和国の5か国で発生しています。アフリカの新生児は特に見過ごされる傾向があり、ナイジェリアの新生児死亡数は1990年に5位でしたが、2009年には2位に上昇しました。現状のままでは、アフリカの新生児が生存できる可能性が、高所得国と同レベルに達するまでに155年かかります。逆に、ラテンアメリカはわずか30年で追いつく見込みです。



新生児の死亡の3大原因である、早産、感染症、出生時仮死は、適切な治療を受けることができれば十分に予防可能です。



「新生児の体温を適度に保ち、清潔に保育し、適切に母乳育児がされれば、新生児は生存可能です。しかし、この基礎的な知識を伝えていくために、多くの国では、一人でも多くの、そして、十分な研修を受けた最前線で働くヘルスワーカーを必要としています。世界的なへルスワーカー不足は、お母さんと子どもの死亡における最大の要因になっています。毎年330万人の新生児が、失わなくていい命を失っているのです。より多くの助産師とコミュニティ・ヘルスワーカーを育成することにより、一人でも多くの命を救うことができます。」(セーブ・ザ・チルドレンSaving Newborn Livesプログラム、ジョイ・ラウン)




C)Rachel Palmer / Save the Children


(C)Rachel Palmer / Save the Children



調査結果の詳細はこちらをご参照ください。(英文のみ)



セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、新生児を含む子どもの死亡率削減を目指し、保健人材の拡大を世界中で働きかけていきます。



皆様の温かいご理解・ご支援を宜しくお願いします。





 

あなたのご支援が子どもたちの未来を支えます

もっと見る

月々1500円から、自分に合った金額で子どもの支援ができます。
定期的に年次報告書や会報誌をお送りしています。

1回から無理なくご支援いただけます。

PAGE TOP