EVERY ONE(公開日:2010.06.01)
エチオピア 増やそう!女性のヘルスワーカー(2010.06.01)
「女性のヘルスワーカーは、私たちが抱えている問題を理解してくれます。彼女たちが家に来て、衛生について話をしたり、どのように母乳育児をしたらよいか教えてくれる時間が好きです。それは、男性にはむずかしいことなので・・・。」(二人の子どもをもつ25才の母親Birke)
母乳を与える母親と乳児 エチオピア(撮影:Guy Calaf)
【エチオピアの子どもたち 基礎情報】
- 8人に1人の子どもが5歳を迎える前に死亡している。(うち32%が新生児)
※参考:日本では1,000人に4人が死亡。 - 27分の1の確率で、妊娠中の母親が死亡。
- 医療専門家の出産立ち会いは、全体の6%。
- 医師1人に対する人口は42,700人。
- 不足しているヘルスワーカー(医療従事者)数:167,300人
活躍する女性のヘルスワーカー(撮影:Guy Calaf)
エチオピアでは、妊娠・出産時に起こる合併症のため、毎年18,200人の女性が死亡しており、50万人が妊娠中の症状に苦しんでいます。人口の83%が農村部で暮らしているにもかかわらず、ほとんどの医師は都市部にしかおらず、医療システムやインフラ整備の遅れは深刻で、ほぼすべて(93%)の出産は医療専門家の立ち会い無しに自宅で行われているのが現状です。
エチオピア政府はこれらの問題に取り組み、母子の健康を優先課題とした新しい国家計画を立ち上げました。海外の医師の協力を得て、2004年より、コミュニティで働く女性の保健従事者(Health Extension Worker, HEW)を育成し農村部に配置することを目的としたプログラムがスタートしました。このプログラムにより、およそ31,000人のHEWが配置され、毎年113人が基本的な医療サービス(安全な出産や新生児のために必要なケア、下痢の治療法、衛生環境の確保、マラリアの予防・治療、保健教育など)に関するトレーニングを受けています。
さらに、2010年は新しい政策のもと、エチオピアでの子どもの死亡の最大原因である肺炎治療のための抗生物質の投与についてもトレーニングが行われることになりました。
また、エチオピアの農村部では、子育ての悪習が何世代にもわたって繰り返されています。例えば、出産後24時間は母乳を与えず、子どもが特に母乳を必要とする生後6ヶ月までに、危険を及ぼす恐れのある食料や液体を飲ませるなど。エチオピアでは、子育てについて大きな決定権を持っている祖母に新生児の子育てについて学習してもらうことで、子どもの栄養・健康の改善、死亡率削減を推進しています。
【知っていますか?エチオピアってこんな国】
- 国名:エチオピア連邦民主共和国
- 東アフリカに位置する連邦共和制国家
(首都:アディスアベバ) - 国土全体が乾燥気候に属する。
- 人口:7,910万人、
面積:10,970,000m2(日本の約3倍) - 1人あたりの国民総所得(GNI)220ドル
※参考:日本は38,980ドル - 主要輸出品はコーヒー
- マラソン大国
次回は、"アフリカ大陸で8つの国と国境を接している国"を取り上げます。