日本/東日本大震災/防災(災害リスク軽減)(公開日:2014.07.24)
災害、紛争、緊急時に子ども支援を行う支援者のための「子どものためのサイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid for Children)」研修実施(2014.07.24)
2013年11月にセーブ・ザ・チルドレンは「子どものためのサイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid for Children)」を刊行しました。サイコロジカル・ファーストエイド(以下、PFA)は、災害、紛争、緊急時などに、ストレスを抱えた人に対し、誰もが安全な形で心理社会的ケアを提供できるようにすることを目的としています。2011年にはWHO(世界保健機関)とWar Trauma Foundation(戦争トラウマ財団)、World Vision International(ワールド・ビジョン・インターナショナル)がPFAマニュアルを刊行し、世界はもちろん、東日本大震災後は日本でも普及が始まっています。セーブ・ザ・チルドレンのPFAは、WHO版のPFAの内容を反映させたもので、そこからさらに子どもとその養育者に関する部分を充実させています。
2014年7月、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)と子どものためのPFA作成の中心的な役割を担ったセーブ・ザ・チルドレン・デンマークのスタッフを講師に迎え、日本において既にWHO版PFAの普及を行っている独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 災害時こころの情報支援センターと共催で子どものためのPFA「指導者育成研修」および「1日研修」を東京で実施しました。
【SCJでの子どものためのPFA研修】
7月7日、SCJスタッフに対し子どものためのPFA研修を開催しました。SCJは国内外の様々な地域で活動しており、スタッフは東日本大震災時に緊急支援を行ったほか、海外の災害や紛争など、緊急支援の現場に赴く者も多くいます。今後、SCJスタッフは定期的に子ども向けPFA研修を受講し、緊急時の支援に備えて行きたいと思います。
【子どものためのPFA指導者研修および1日研修】
7月8〜11日には、教育、医療、福祉、NGO活動などの現場で子どもと接している方や災害などの緊急時に支援活動を行う方を中心とする27名に対し、JICA地球ひろばにて指導者育成研修を行いました。
講師と参加者の間で活発な意見交換が行われた指導者研修
4日に渡る指導者育成研修の一環として、7月10日には指導者育成研修受講者が実際に講師として1日研修を行いました。
1日研修には、日本各地から約70名が参加しました。
グループワークに取り組む1日研修の参加者
1日研修の参加者からは「ケーススタディやロールプレイがたくさんあったので、理論を具体的に学べた」や「専門的なスキルをイメージしていたのですが、誰にもでも使えるものとして改めてその意義を確認しました」等の感想が寄せられました。
【RESTART JAPAN】
日本における子どものためのPFAの普及は、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとソニー株式会社が協働で立ち上げた「RESTART JAPANファンド」より支援されています。当ファンドは、東日本大震災で被災した子どもの保護とケア、科学教育、創造的活動をサポートすることを目的に、「RESTART JAPAN支援プロジェクト」を展開しています。これまでの活動に加え、今後は災害時の子どもの心を支える仕組みづくりについても支援してまいります。
日本における子どものためのPFAを広く皆さんに知って頂き、災害時や緊急時の子どもとその養育者への支援に活かして行くために、SCJでは日本語の資料の充実や研修の実施など、今後活動を広げていく予定です。
子どものためのPFAの展開はこの活動ブログにおいてお伝えしていきますので、楽しみにお待ちください。
(東京事務所 小島)