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日本/東日本大震災/防災(災害リスク軽減)
(公開日:2015.06.11)

子どもたちと一緒の防災訓練に向けて〜東松島市総合防災訓練研修会〜

 

東松島市では、6月14日に総合防災訓練が実施されます。今年は、子どもたちが自宅にいる時に地震・津波発生という状況を想定し、自宅近くの避難場所へ避難した後、地域の人たちと防災訓練を行います。子どもたちは学校で、大人は地域でと、別々に行われる防災訓練が多いですが、日曜日を登校日として子どもたちが地域の防災訓練に参加するのは画期的な取り組みです。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、子どもたちと地域の人たちが一緒に行う防災訓練計画のアイデアを提供するために、東松島市自主防災組織連絡協議会が主催した総合防災訓練研修会を支援しました。

5月20日に行われた研修会には、各地区の自主防災組織から80名以上のほか、小中学校の先生方6名も参加しました。自主防災組織連絡協議会の会長さんからのあいさつに始まり、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンからは、東日本大震災復興支援事業、特に東松島市での防災に関する活動について紹介しました。続いて、防災教材の開発などを共同で行ってきたNPO法人プラス・アーツの小倉さんに「地域をつなぐ防災」と題して、子どもと大人が一緒に楽しく学べる防災イベントの事例などについて話していただきました。

 


そして、「子どもたちと一緒に、どんな防災訓練をしよう?」と悩んでいる自主防災組織のみなさんに、
?「炊き出し訓練」で紙のお椀を作り、作ったお椀で食べる
?防災倉庫の中身を確認・検討する
?非常持ち出し袋に準備するものを考える
という3つの案を提案し、前半を終了しました。


後半は、提案した防災訓練案に含まれているアクティビティの体験です。と、体を動かすその前に・・・ウォーミングアップとして、みんなで「神戸防災体操」。「地震発生」「頭を守れ」「地域とのつながり」など防災の知恵や教訓を動きで学べるようにプラス・アーツが考案した体操です。「1、2、3、4」と声を出しながら、体を曲げたり、ジャンプしたり、隣の人と「ハイタッチ!」したり・・・。準備OKです。
  


参加者は4つのグループに分かれ、4つのアクティビティ「なまずの学校」「毛布担架」「紙でお椀&レジ袋でおむつ作り」「ジャッキアップ」を順々にすべて体験します。


なまずの学校
災害時に発生するさまざまなトラブルを手持ちのアイテムカードを選んで解決します。

問題「地震で停電になり、真っ暗な夜。家族で一晩過ごすための灯りとして何を使いますか?」(一部省略)

「懐中電灯」や「ヘッドライト」のアイテムカードを持っているチームは、いいのですが・・・。ないチームは「ろうそく・ライター」と「新聞紙」を選ぶなど工夫します。答えによって「ナマーズ紙幣」で点数をもらうと大盛り上がり。「なまずの学校」は、どこでも大人気です。




毛布担架
担当は東松島市総務部防災課の職員さんです。棒を使う場合、使わない場合、2種類の毛布担架の作り方を体験します。「足の方向に進む」「声掛けをする」などの説明を聞いた後、約40?のカエルの人形を運びます。防災課の職員さんを運んでみるというチャレンジもありました。
  



【紙でお椀&レジ袋でおむつ作り
「地震でお皿が全部割れてしまったら?」チラシなどの紙でお皿やお椀を作って、ラップをかぶせるとおにぎりでもお味噌汁でも入れて食べることができます。また、おむつが不足した時のために、小さめのレジ袋とタオルでおむつを作るスキルも習得。「こういうのは苦手なんだよなぁ。子どもたちの方が上手だよな」と言いつつも、隣の人と「こうかな?」「こうだよ」と協力して紙のお椀やレジ袋のおむつが完成です。総合防災訓練で子どもたちと一緒に作ることをイメージしながら練習している様子でした。

 


ジャッキアップ
「ジャッキの使い方を知っていますか?」自家用車、ガソリンスタンド、防災倉庫にもあるジャッキで、重いタンスなどの下敷きになった人を助けることができます。タンスなどに見立てた「なまず」の形をした重い人形の下敷きになっている「カエル」の人形をジャッキを使って助けます。ジャッキを初めて見る、触るという人がたくさんいましたが、プラス・アーツの丁寧な説明で使い方をばっちり学びました。



4つのアクティビティを体験した自主防災組織の人たちからは、「たいへん参考になりました。ありがとうございました」「参加して大変勉強になりました。防災訓練で是非実施したいと思います」という感想の他に、「子どもたちとのかかわり方の勉強になりました。(一番悩んでいました)」という感想もあり、子どもたちと防災訓練や防災学習を行っているセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンならでは貢献ができたのではないかと思っています。



6月14日の総合防災訓練が子どもたちや地域のみなさんにとって、楽しく、ためになる訓練となりますように!防災訓練当日の様子も報告しますので、楽しみにしてください!


(報告:東京事務所 太田まさこ・仙台事務所 菅原絵美)


 

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